切り抜き師の俺、同じクラスに推しのVtuberがいる

星宮 嶺

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第41話 朝活配信

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美優紀は早朝の暗いうちから起き出し、PCを起動する。彼女のVtuberキャラクター「星野ソラ」の朝活配信を行うためだ。夏休みの朝活は、彼女にとって新しい試みであり、リスナーとの特別な時間を共有するためのものであった。

「さて、今日は朝5時からの配信。みんな、ちゃんと起きてるかな?」美優紀は準備を整え、配信ソフトを立ち上げた。画面には彼女のかわいらしいキャラクター、星野ソラが映し出された。

「おはようございます!星野ソラです!」配信が始まると、すぐにコメント欄には「おはよう!」「おはようソラちゃん!」といった挨拶が次々と流れてきた。

「みんな、早起きですね。今日は朝5時からの朝活配信です。早朝の静かな時間を一緒に過ごしましょう。どうぞよろしくお願いします!」

星野ソラは、明るく元気な声でリスナーたちを迎えた。美優紀は、星野ソラとしてのキャラクターを全力で演じることが自然と身についていた。

「さて、今日の朝活のテーマは『夏休み』です。みんなはどんな夏休みを過ごす予定ですか?」

リスナーからのコメントが次々と表示される。

「海に行く予定です!」
「友達とキャンプに行くんだ!」
「家でゆっくり過ごすつもりです。」

「おー、みんなそれぞれ楽しい計画があるんですね。海に行くのは最高ですよね!日焼け止めを忘れずに。キャンプも楽しそう!自然の中で過ごすのってリフレッシュできそうですね。」

星野ソラは、リスナーのコメントに一つ一つ丁寧に答えながら、自分の夏休みについても少し話した。

「私はね、実は最近家族で旅行に行ってきたんです。自然がいっぱいの場所でリフレッシュしてきました。おかげで夏休みの始まりがとっても良い感じです!」

美優紀は家族との旅行の思い出を思い浮かべながら、星野ソラとしてリスナーに語りかけた。リスナーからも共感のコメントが多く寄せられた。

「旅行いいね!どこに行ったの?」
「旅行の話、もっと聞かせて!」

「場所は内緒だけど、自然がいっぱいで空気も美味しくて、本当に癒されました。みんなも夏休みには、ぜひリフレッシュできる場所に行ってみてくださいね。」

配信は順調に進み、星野ソラはリスナーとの対話を楽しんでいた。彼女の明るい声と笑顔が、朝の早い時間にもかかわらず、リスナーたちの心を温めていた。

「さて、みんなの夏休みの計画を聞いていると、本当にワクワクしてきますね。次に、ちょっと質問してもいいですか?みんなが一番楽しみにしている夏休みのイベントは何ですか?」

リスナーからのコメントが再び流れ始める。

「花火大会です!」
「夏祭り!」
「旅行!」

「花火大会!いいですねー。夜空に咲く大きな花火、私も大好きです。夏祭りも楽しそう!屋台でお祭りの食べ物を食べたり、浴衣を着たりするのって特別な感じがしますよね。」

星野ソラは、リスナーたちのコメントに対してリアクションを取りながら、自分の夏祭りの思い出を話した。

「実は、私も夏祭りに行ったことがあります。浴衣を着て、屋台でたこ焼きを食べたり、金魚すくいをしたり、とっても楽しかったです。」

配信中、星野ソラはリスナーたちとの会話を楽しみながら、時間が過ぎるのを忘れてしまうほどだった。リスナーからの温かいコメントに励まされ、彼女自身も充実した時間を過ごしていた。

「さて、そろそろお別れの時間が近づいてきました。今日は本当にありがとう。朝早くから付き合ってくれて嬉しいです。みんな、これからも素敵な夏休みを過ごしてね!」

星野ソラは、リスナーたちに感謝の気持ちを伝えながら、最後の挨拶をした。

「それじゃあ、行ってらっしゃい!素敵な一日を過ごしてね!」

配信が終わると、美優紀は深呼吸をして一息ついた。彼女にとって、リスナーとの朝のひとときは、特別なものだった。リスナーたちの笑顔や励ましの言葉に支えられて、彼女自身も元気をもらっていた。

「今日も楽しかったな。みんな、ありがとう。」美優紀は、星野ソラのキャラクターに感謝しながら、自分の心も満たされた気持ちでいっぱいだった。
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