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第二章 友情なんて簡単な言葉じゃ説明できない
十一、身バレ対策は充分に
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ほんの小さな油断であなたの個人情報は晒される危険性があります――。
どっかで聞いたことがあるような言葉が頭の中で明朝体太字三十ポイントだ。
全く本当にその通りだった。特に相手がこういう人間なら、なおさら気をつけないといけなかった。
失敗した。
祖父譲りの能面を装備しているけど、僕はさっきからそればかりを考えている。
「どうしてお前は彼があの場にいたことを知っていた?」
当然のように押しかけられた僕の自室のソファーに座って、ブライトルは優雅に紅茶を飲んで聞いてきた。ローテーブルの上には彼の使用人が調べたのだろう、イアンによるモクトスタ起動事件の詳細な資料が乗っている。
「ああ、俺の好みの味だな。お前の家の侍従は優秀だ」
最初の頃は、他国とは言え王子殿下の来訪に慌ただしい様子だった屋敷の人間たちも、こう頻繁となると慣れてくるようだ。彼の紅茶の好みまで把握し始めている。
「馴染み過ぎですよ。少しは自重してはどうですか?」
「俺は王子だ。多少の我が儘は押し通せる」
「そうですか……」
全くもってその通りだから面倒だ。
たまたま他国の重鎮の子息と懇意になって、少し無理矢理だけどよく押しかけて楽しくお茶をしている図にしかならない。
まさか、その二人が全く仲など良くないことなんて誰も知らないし、知らなくてもいい事実。
「それで?」
ソーサーにカップが置かれる。ただそれだけの所作にすら王族特有の、一段上の気品を感じる。素の言葉遣いは少し荒いけど、この人は間違いなく王に連なる血筋なんだ。
ニュドニアには一応貴族制度はない。だから由緒ある良家の生まれとは言え、僕の分類は一般市民になる。そうやって考えると随分格が違う。
僕も素知らぬ顔をして紅茶を飲む。
眉がピクリと動いたのが自分で分かった。紅茶がものすごく美味しい。ブライトル用のブレンドのはずなのにこんなに美味しく感じるなんて、つまり僕と彼の味覚が似ているとでもいうのか? 認めたくなくて、無言でカップを置いた。
「何の話でしょうか」
「誤魔化せるつもりでいるのか?」
ブライトルが両手を組んで背中を背もたれに預けた。長期戦でいくよ? という意味だ。逃げられるとは思ってなかったけど、しつこい男だ。
「――突拍子もない話ですから、聞くだけ無駄かと」
「無駄かどうかは俺が決めるさ」
右手の掌で先を促される。
僕は何度か瞬きをして、正面の彼のように姿勢を崩した。
自然と視界が斜め上に上がったのをいいことに、ブライトルの顔を見るのを避ける。
さて、どうしようか。このまま黙っていてもいいけど、そうなると恐らく彼は敵になる気がする。僕が信用できないからだ。敵は困る。足を引っ張ってくる。
ブライトルは、僕を嫌ってはいても友好国の知人としては非常に優秀な相手だ。手放すのは惜しい。
そして多分彼もそう思ってる。だから、わざわざ顔も見たくない相手の所に来ているのだろう。
意を決して開こうとした口は、知らない内に乾いていて動かしにくい。
「……信じるかどうかは、お任せしますが」
「お前の頭のよさは買ってるよ」
清々しいまでの上から目線に口角が引き攣るのが分かる。
まさか、こんな短期間でこの話をするとは思ってなかった。
「一定の……。一定の未来を知っています」
視界の下の方から、確かに感情の動きを感じた。流石に多少は驚いてくれたのか、それとも「こいつ何言ってんだ?」とでも思ってるのか。
何も言ってこないのをいいことに、少し間を開けて続けた。
「詳しく聞かれても困りますね。知っていることは少しです。それも教えたくはないです。僕にとっては都合のいい未来であることが多いので」
視線を下げる。
ブライトルはジッと僕を見ていた。嘘か本当かを見極めようとしてるんだろう。
「――この少年。イアン・ブロンテはこの後どうなる?」
「これは未来を知らなくても想像が付くのでは? 学園に来ます」
「そう、か。そうだな。その可能性は高い。じゃあ、核心だ。この少年は、昨日何故あそこにいた? 何故調査結果に上がっている?」
「殿下がどこまで情報を得ているのかによって、お答えできる内容が変わります」
「ほぼ全て」
「……でしょうね」
ブライトルがローテーブルの上の物とは違う資料を出してペラペラと振る。
久しぶりにため息を付きたくなった。
いくら権力があるからと言っても、他国の人間の方が情報を得ているのはどうなんだ。
「第三王女、フルーリア様が刺客から逃げている際に、持っていらしたグロリアスが起動。偶然とは言えそれを行ったのが、イアン・ブロンテです」
「っなんてことだ……」
ブライトルが天を仰いだ。
「この情報は、特にフルーリア王女に関しては完全に秘匿されることになったんだ。ニュドニアの王族と近しい進化以外に知ってる者はいない。俺だってこの情報を得るのには相当苦労した。それを、学生であるお前が得られるとは思えない」
「そうですね。実際に僕が入手した情報では、王女殿下の件は勿論、グロリアスについても伏せられていました」
「はぁー」
大きなため息が聞こえて、僕は自分の目が丸くなったのが分かった。
「ブライトル殿下」
「ブライトルでいいと言ったはずだ。命令でもするか? あと、人がいなければ敬語も止めていい」
「いくらなんでも、そういうわけには……」
「何だ、お前気付いてなかったのか?」
「何をですか」
「時計塔で赤いモクトスタの粒子を見たとき、敬語を使ってなかったんだけどな」
「そん、なはずが……」
あるような気がしてきた。あのときはブライトルの変貌ぶりにイアンのグロリアス起動と、次々に想定外のことがあって焦っていた。
この人に敬語を使わなくていいのはとても魅力的だけど、染みついた王族への姿勢が咄嗟に口を謝罪の形に開けさせる。
「申し訳」
「謝る必要もない。謝罪の言葉は関係の修復のためにある」
僕たちの間に修復するほどの関係はない、と。成程、一理ある。
「本当に不敬罪だけはやめてくださいよ?」
「証拠の出しようがないだろ? 仮にあったとしても、その程度でどうこうするほどアホじゃない」
僕は厳しい表情を隠さないまま大きなため息を一つ付いた。覚悟のため息だ。王族である彼には分からないかもしれないけど、こちら側はかなり大変な事態なんだ。
「――じゃあ、ブライトル。信じるのか? 突拍子もないのに」
「少し辻褄が合う、と思った。お前、未来を知ったから変わったんだな?」
ガチャン!
足がローテーブルを蹴ってしまった。
「ふぅん? 随分あからさまに動揺するじゃないか」
悔しい。本当にこの人には負けてばかりだ。勝てるヴィジョンが浮かばない。
「あんた、本当に十五歳なのか?」
「残念ながら、本当に十五歳だ。優秀だろ?」
あ、ちょっと血管切れそう。
これが前世の僕の体だったら、怒りに濡れた顔で思い切り睨みつけていたかもしれない。
「っか、可哀想だな。可愛げの欠片もない」
「お前に言われても響かないな。愛嬌もあるし、充分可愛がってもらってる」
事実過ぎてぐうの音も出ない。
「状況は理解できた。これ以上は時間の無駄だ。失礼する」
「さっさと帰ってくれ。二度と来ないで欲しいくらいだ」
「言われなくても」
珍しく感情の乗った言葉が溢れた。今、僕はどんな表情をしているのだろうか。
でも、それよりも鼻で笑うブライトルの姿が、言葉ほど嫌ではなさそうに映ったことが少し不思議だった。
どっかで聞いたことがあるような言葉が頭の中で明朝体太字三十ポイントだ。
全く本当にその通りだった。特に相手がこういう人間なら、なおさら気をつけないといけなかった。
失敗した。
祖父譲りの能面を装備しているけど、僕はさっきからそればかりを考えている。
「どうしてお前は彼があの場にいたことを知っていた?」
当然のように押しかけられた僕の自室のソファーに座って、ブライトルは優雅に紅茶を飲んで聞いてきた。ローテーブルの上には彼の使用人が調べたのだろう、イアンによるモクトスタ起動事件の詳細な資料が乗っている。
「ああ、俺の好みの味だな。お前の家の侍従は優秀だ」
最初の頃は、他国とは言え王子殿下の来訪に慌ただしい様子だった屋敷の人間たちも、こう頻繁となると慣れてくるようだ。彼の紅茶の好みまで把握し始めている。
「馴染み過ぎですよ。少しは自重してはどうですか?」
「俺は王子だ。多少の我が儘は押し通せる」
「そうですか……」
全くもってその通りだから面倒だ。
たまたま他国の重鎮の子息と懇意になって、少し無理矢理だけどよく押しかけて楽しくお茶をしている図にしかならない。
まさか、その二人が全く仲など良くないことなんて誰も知らないし、知らなくてもいい事実。
「それで?」
ソーサーにカップが置かれる。ただそれだけの所作にすら王族特有の、一段上の気品を感じる。素の言葉遣いは少し荒いけど、この人は間違いなく王に連なる血筋なんだ。
ニュドニアには一応貴族制度はない。だから由緒ある良家の生まれとは言え、僕の分類は一般市民になる。そうやって考えると随分格が違う。
僕も素知らぬ顔をして紅茶を飲む。
眉がピクリと動いたのが自分で分かった。紅茶がものすごく美味しい。ブライトル用のブレンドのはずなのにこんなに美味しく感じるなんて、つまり僕と彼の味覚が似ているとでもいうのか? 認めたくなくて、無言でカップを置いた。
「何の話でしょうか」
「誤魔化せるつもりでいるのか?」
ブライトルが両手を組んで背中を背もたれに預けた。長期戦でいくよ? という意味だ。逃げられるとは思ってなかったけど、しつこい男だ。
「――突拍子もない話ですから、聞くだけ無駄かと」
「無駄かどうかは俺が決めるさ」
右手の掌で先を促される。
僕は何度か瞬きをして、正面の彼のように姿勢を崩した。
自然と視界が斜め上に上がったのをいいことに、ブライトルの顔を見るのを避ける。
さて、どうしようか。このまま黙っていてもいいけど、そうなると恐らく彼は敵になる気がする。僕が信用できないからだ。敵は困る。足を引っ張ってくる。
ブライトルは、僕を嫌ってはいても友好国の知人としては非常に優秀な相手だ。手放すのは惜しい。
そして多分彼もそう思ってる。だから、わざわざ顔も見たくない相手の所に来ているのだろう。
意を決して開こうとした口は、知らない内に乾いていて動かしにくい。
「……信じるかどうかは、お任せしますが」
「お前の頭のよさは買ってるよ」
清々しいまでの上から目線に口角が引き攣るのが分かる。
まさか、こんな短期間でこの話をするとは思ってなかった。
「一定の……。一定の未来を知っています」
視界の下の方から、確かに感情の動きを感じた。流石に多少は驚いてくれたのか、それとも「こいつ何言ってんだ?」とでも思ってるのか。
何も言ってこないのをいいことに、少し間を開けて続けた。
「詳しく聞かれても困りますね。知っていることは少しです。それも教えたくはないです。僕にとっては都合のいい未来であることが多いので」
視線を下げる。
ブライトルはジッと僕を見ていた。嘘か本当かを見極めようとしてるんだろう。
「――この少年。イアン・ブロンテはこの後どうなる?」
「これは未来を知らなくても想像が付くのでは? 学園に来ます」
「そう、か。そうだな。その可能性は高い。じゃあ、核心だ。この少年は、昨日何故あそこにいた? 何故調査結果に上がっている?」
「殿下がどこまで情報を得ているのかによって、お答えできる内容が変わります」
「ほぼ全て」
「……でしょうね」
ブライトルがローテーブルの上の物とは違う資料を出してペラペラと振る。
久しぶりにため息を付きたくなった。
いくら権力があるからと言っても、他国の人間の方が情報を得ているのはどうなんだ。
「第三王女、フルーリア様が刺客から逃げている際に、持っていらしたグロリアスが起動。偶然とは言えそれを行ったのが、イアン・ブロンテです」
「っなんてことだ……」
ブライトルが天を仰いだ。
「この情報は、特にフルーリア王女に関しては完全に秘匿されることになったんだ。ニュドニアの王族と近しい進化以外に知ってる者はいない。俺だってこの情報を得るのには相当苦労した。それを、学生であるお前が得られるとは思えない」
「そうですね。実際に僕が入手した情報では、王女殿下の件は勿論、グロリアスについても伏せられていました」
「はぁー」
大きなため息が聞こえて、僕は自分の目が丸くなったのが分かった。
「ブライトル殿下」
「ブライトルでいいと言ったはずだ。命令でもするか? あと、人がいなければ敬語も止めていい」
「いくらなんでも、そういうわけには……」
「何だ、お前気付いてなかったのか?」
「何をですか」
「時計塔で赤いモクトスタの粒子を見たとき、敬語を使ってなかったんだけどな」
「そん、なはずが……」
あるような気がしてきた。あのときはブライトルの変貌ぶりにイアンのグロリアス起動と、次々に想定外のことがあって焦っていた。
この人に敬語を使わなくていいのはとても魅力的だけど、染みついた王族への姿勢が咄嗟に口を謝罪の形に開けさせる。
「申し訳」
「謝る必要もない。謝罪の言葉は関係の修復のためにある」
僕たちの間に修復するほどの関係はない、と。成程、一理ある。
「本当に不敬罪だけはやめてくださいよ?」
「証拠の出しようがないだろ? 仮にあったとしても、その程度でどうこうするほどアホじゃない」
僕は厳しい表情を隠さないまま大きなため息を一つ付いた。覚悟のため息だ。王族である彼には分からないかもしれないけど、こちら側はかなり大変な事態なんだ。
「――じゃあ、ブライトル。信じるのか? 突拍子もないのに」
「少し辻褄が合う、と思った。お前、未来を知ったから変わったんだな?」
ガチャン!
足がローテーブルを蹴ってしまった。
「ふぅん? 随分あからさまに動揺するじゃないか」
悔しい。本当にこの人には負けてばかりだ。勝てるヴィジョンが浮かばない。
「あんた、本当に十五歳なのか?」
「残念ながら、本当に十五歳だ。優秀だろ?」
あ、ちょっと血管切れそう。
これが前世の僕の体だったら、怒りに濡れた顔で思い切り睨みつけていたかもしれない。
「っか、可哀想だな。可愛げの欠片もない」
「お前に言われても響かないな。愛嬌もあるし、充分可愛がってもらってる」
事実過ぎてぐうの音も出ない。
「状況は理解できた。これ以上は時間の無駄だ。失礼する」
「さっさと帰ってくれ。二度と来ないで欲しいくらいだ」
「言われなくても」
珍しく感情の乗った言葉が溢れた。今、僕はどんな表情をしているのだろうか。
でも、それよりも鼻で笑うブライトルの姿が、言葉ほど嫌ではなさそうに映ったことが少し不思議だった。
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