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第一章【桜、新緑を越えて】
二人きりの時間②
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それから真詞は二日と置かずに祠へ足を運んだ。雨だろうとテスト期間中だろうと構わず巡に会いに行った。
「何で物理なんてできるんだよ……」
「オレに聞かれても……。てかさ、君一年生だよね? もう物理基礎あるの? 第一西って進み早いんだね」
真詞が手作りしてきた植物油に天然塩を使ったポテトチップスを摘まみながら、巡が感心したような声を出す。手には高校の教科書を持っていて、さながら家庭教師のようだ。
苦手な教科を教えたら「見せてみて」と真詞の教材を勝手に引っ張り出して今に至る。
「俺、高校教えてたか?」
「制服見れば分かるよ。よく制服で来てるじゃん」
「高校の制服まで知ってるの、どうなんだ……?」
「ん? なに?」
「いや、なにも」
何となく視線を逸らして場を誤魔化した。得意の鈍感力で話を流してくれたのか、節の目立つ意外に長い指がノートを指す。
「真詞、力のつり合いは大丈夫なんだよね?」
「ああ」
「なら、次は摩擦だね。どこまで分かる?」
「簡単な問題なら分かるんだけど、応用になると……」
「真詞は頭いいんだし、焦ってるだけじゃないかな。ほら、これとか引っ掛かってるね。今は分かる? 静止してるから20Nになるんだけど」
「説明されると簡単なんだけどな……。多分、ひたすら問題解くしかないと思う」
「むしろオレは英単語や歴史の年号を覚えてる方がすごいと思うけどね。ああ、そう言えば――」
「巡?」
何か楽しそうに話し出したのに、途中で巡の動きが止まる。何か考えているのかと少しの間待っても微動だにしないので、そっと名前を呼んだ。
「え……? なに?」
「何か言いかけただろ? どうした?」
「え、っと。ごめん。何だったっけ?」
「巡……?」
「あ、ああ、えっと。摩擦の話だよね。じゃあ動摩擦力から確認していこうか」
話をする横顔が真剣だったから、気にはなったけど深くは追及しなかった。
彼自身もよく分かっていないことを、どうこうすることもできない。
「――よし。じゃあ、今日はこの辺までにしようか」
「はぁ、やっぱ好きじゃないな」
「ハハ! お疲れ様」
労われながら、コンビニで買ってきた黒い炭酸飲料を二口飲む。
「それ、美味しいよね。オレは飲めないけど」
「前から思ってたけど、食べれないのに味知ってるのってどんな感じなんだ?」
巡のことはやっぱり謎のままだった。化学調味料の入ったものが口にできなかったり、魚以外の畜生を食べられなかったりする所は神様か、それに近いモノのような説得力があった。でも物理が得意で、言葉遣いや考え方も随分と現代風だ。
それに会いに来ている間に、いつかはあの藤色の髪の男に会うかと思っていたけど、それもなかった。
この前の言動と言い、祠を移動したのはあの男なんじゃないだろうか。巡から真詞を引き離すために、わざわざ移動までしたのではないか、と真詞は思っている。
そもそも、こんな小さな祠を移動するのがおかしい。本当なら地元の人に大切にされて信仰を受けるもののはずだからだ。
「そうだなぁ」
巡が両腕を組んでいい例えを探そうと上を向く。
「随分昔に食べた味だけは強烈に残ってるのに、食べたときの記憶がないって感じかな」
「分かるようで分からないな」
「ハハ! だよね」
困ったように、でも嬉しそうに笑う巡につられて、真詞も不器用に笑ってみせた。
***
「ん」
その日、真詞はふと思い立って挑発するような顔で右手を差し出した。
「なに? どうしたの?」
当然に巡は不思議そうにこちらを見た。
「俺、五月に誕生日だったんだ。だから、何かあってもいいんじゃないかと思って」
「そうだったんだ! うーん、でもなぁ……」
顎に指を添えて微かに眉をしかめている。別に、本当に何かをもらおうだなんて、全く思っていない。巡がどんな顔をするのかを見たかっただけで「おめでとう」の一言がもらえればそれで充分だった。
「たんじょうび、か……。渡せるものはないけど、ならこれが、オレからのお祝い」
そう言うと、巡は小さく何かを呟いてオレの目の前で右の掌を開いて横に振った。
「え……?」
「ん? 分かった?」
「なんか、した、よな? あんたが近くにいる感じがする」
「うん。へへ。まあ、おまじないみたいなものなんだけどね。オレに何かあったりしない限り、ちょっとだけ真詞を守ってくれるよ」
巡は少し頬を赤くして、何故か満足そうな顔をしている。
真詞は両手を見ながら、ぐっぱーと動かしてみる。体に巡の力が薄っすらと覆っているような感じだった。
落ち着かなくてチラッと巡を見た。でも彼は嬉しそうにしているし、それを見て真詞は余計に落ち着かなくなった。
ソワソワと体を動かしていると「気になる?」と少し心配そうな顔をする。
「いや、大丈夫」
「そう? なら、よかった。その内慣れると思うよ。嫌なら違う風にもできるから」
気になるわけではないと思った。ただ少し鳩尾の辺りがカッカして困っているというだけの話だ。
その日はいつもより早い時間に帰るように言われて素直に従った。
帰宅してからもずっと巡の気配が体から消えなくてとにかく恥ずかしかった。何がなのかと言えば、特にトイレとか着替えとか。そういうプライベートな部分まで一緒にいるみたいだったからだ。
風呂に入っているときなど、お湯で煙って鏡が曇るとすぐ隣に巡がいるのではないかと思えてきた。熱いシャワーを浴びていたら頭がカッカとしてきたから、温度を下げて頭から被って上がった。
「くしょんっ! 何やってんだ、俺は……」
夏になろうとしているとは言え、温度を下げ過ぎたかもしれない。冷えた体に、秋まで使うつもりのなかった厚手のパーカーを被って腕を擦る。
そうしていると、カチンッと音を立ててケトルの注ぎ口から湯気が立つ。紅茶のティーバッグをマグカップに放り込んで熱いお湯を注いだ。
今から歴史の勉強をする。どちらかと言えば文系な真詞にとっては、余り苦じゃない時間だ。
「どうした? 大丈夫か?」
マグカップを持ってダイニングチェアーに座ろうとしたところで、洗い物をしていた父親の大翼(だいすけ)が耳ざとくこちらの独り言を拾った。
「うん。ちょっとシャワーの温度が低かっただけだから」
「そうか。気を付けろよ?」
「うん」
「温度差のある日は風邪をひきやすいからな。そうだ、明日の弁当はどうする? 母さんがどうしたいか決めとけって言ってた」
「明日の弁当母さん? 明日は朝からキッチン使いたいから、自分でなんとかするよ」
「分かった。それ終わったら寝るんだろ? 俺から言っとくな」
「うん、よろしく」
母親の瑠美(るみ)は木曜日の今日、会社の人と飲みに行っている。真詞が高校に上がってすぐの頃はもっとよく行っていた。
六月中は心配をかけてしまってずっと家にいたけど、最近また落ち着いてからは飲みに行く頻度が戻りつつある。元々家でもよく晩酌していたから酒が好きだったのは知っていたけど、要は多少、肩の荷が下りたってところなのだろう。
逆に土日は大翼が家を空けることもあるし、週末の夜は二人でディナーに行ったりもしている。つまり真詞の両親は円満だということだ。
そう。先月あんなに苦しめられていたモノから、真詞は今、追いかけまわされたりしていない。
巡と再会して以来、何故かパタリと何も起きなくなったのだ。
癪だけど、あの藤色の髪の男が影響している気がしている。巡にそこまでの力はないはずだから、それ以外の可能性が考えられない。
あの男が神様であることは恐らく間違いないのだろうから。
「何で物理なんてできるんだよ……」
「オレに聞かれても……。てかさ、君一年生だよね? もう物理基礎あるの? 第一西って進み早いんだね」
真詞が手作りしてきた植物油に天然塩を使ったポテトチップスを摘まみながら、巡が感心したような声を出す。手には高校の教科書を持っていて、さながら家庭教師のようだ。
苦手な教科を教えたら「見せてみて」と真詞の教材を勝手に引っ張り出して今に至る。
「俺、高校教えてたか?」
「制服見れば分かるよ。よく制服で来てるじゃん」
「高校の制服まで知ってるの、どうなんだ……?」
「ん? なに?」
「いや、なにも」
何となく視線を逸らして場を誤魔化した。得意の鈍感力で話を流してくれたのか、節の目立つ意外に長い指がノートを指す。
「真詞、力のつり合いは大丈夫なんだよね?」
「ああ」
「なら、次は摩擦だね。どこまで分かる?」
「簡単な問題なら分かるんだけど、応用になると……」
「真詞は頭いいんだし、焦ってるだけじゃないかな。ほら、これとか引っ掛かってるね。今は分かる? 静止してるから20Nになるんだけど」
「説明されると簡単なんだけどな……。多分、ひたすら問題解くしかないと思う」
「むしろオレは英単語や歴史の年号を覚えてる方がすごいと思うけどね。ああ、そう言えば――」
「巡?」
何か楽しそうに話し出したのに、途中で巡の動きが止まる。何か考えているのかと少しの間待っても微動だにしないので、そっと名前を呼んだ。
「え……? なに?」
「何か言いかけただろ? どうした?」
「え、っと。ごめん。何だったっけ?」
「巡……?」
「あ、ああ、えっと。摩擦の話だよね。じゃあ動摩擦力から確認していこうか」
話をする横顔が真剣だったから、気にはなったけど深くは追及しなかった。
彼自身もよく分かっていないことを、どうこうすることもできない。
「――よし。じゃあ、今日はこの辺までにしようか」
「はぁ、やっぱ好きじゃないな」
「ハハ! お疲れ様」
労われながら、コンビニで買ってきた黒い炭酸飲料を二口飲む。
「それ、美味しいよね。オレは飲めないけど」
「前から思ってたけど、食べれないのに味知ってるのってどんな感じなんだ?」
巡のことはやっぱり謎のままだった。化学調味料の入ったものが口にできなかったり、魚以外の畜生を食べられなかったりする所は神様か、それに近いモノのような説得力があった。でも物理が得意で、言葉遣いや考え方も随分と現代風だ。
それに会いに来ている間に、いつかはあの藤色の髪の男に会うかと思っていたけど、それもなかった。
この前の言動と言い、祠を移動したのはあの男なんじゃないだろうか。巡から真詞を引き離すために、わざわざ移動までしたのではないか、と真詞は思っている。
そもそも、こんな小さな祠を移動するのがおかしい。本当なら地元の人に大切にされて信仰を受けるもののはずだからだ。
「そうだなぁ」
巡が両腕を組んでいい例えを探そうと上を向く。
「随分昔に食べた味だけは強烈に残ってるのに、食べたときの記憶がないって感じかな」
「分かるようで分からないな」
「ハハ! だよね」
困ったように、でも嬉しそうに笑う巡につられて、真詞も不器用に笑ってみせた。
***
「ん」
その日、真詞はふと思い立って挑発するような顔で右手を差し出した。
「なに? どうしたの?」
当然に巡は不思議そうにこちらを見た。
「俺、五月に誕生日だったんだ。だから、何かあってもいいんじゃないかと思って」
「そうだったんだ! うーん、でもなぁ……」
顎に指を添えて微かに眉をしかめている。別に、本当に何かをもらおうだなんて、全く思っていない。巡がどんな顔をするのかを見たかっただけで「おめでとう」の一言がもらえればそれで充分だった。
「たんじょうび、か……。渡せるものはないけど、ならこれが、オレからのお祝い」
そう言うと、巡は小さく何かを呟いてオレの目の前で右の掌を開いて横に振った。
「え……?」
「ん? 分かった?」
「なんか、した、よな? あんたが近くにいる感じがする」
「うん。へへ。まあ、おまじないみたいなものなんだけどね。オレに何かあったりしない限り、ちょっとだけ真詞を守ってくれるよ」
巡は少し頬を赤くして、何故か満足そうな顔をしている。
真詞は両手を見ながら、ぐっぱーと動かしてみる。体に巡の力が薄っすらと覆っているような感じだった。
落ち着かなくてチラッと巡を見た。でも彼は嬉しそうにしているし、それを見て真詞は余計に落ち着かなくなった。
ソワソワと体を動かしていると「気になる?」と少し心配そうな顔をする。
「いや、大丈夫」
「そう? なら、よかった。その内慣れると思うよ。嫌なら違う風にもできるから」
気になるわけではないと思った。ただ少し鳩尾の辺りがカッカして困っているというだけの話だ。
その日はいつもより早い時間に帰るように言われて素直に従った。
帰宅してからもずっと巡の気配が体から消えなくてとにかく恥ずかしかった。何がなのかと言えば、特にトイレとか着替えとか。そういうプライベートな部分まで一緒にいるみたいだったからだ。
風呂に入っているときなど、お湯で煙って鏡が曇るとすぐ隣に巡がいるのではないかと思えてきた。熱いシャワーを浴びていたら頭がカッカとしてきたから、温度を下げて頭から被って上がった。
「くしょんっ! 何やってんだ、俺は……」
夏になろうとしているとは言え、温度を下げ過ぎたかもしれない。冷えた体に、秋まで使うつもりのなかった厚手のパーカーを被って腕を擦る。
そうしていると、カチンッと音を立ててケトルの注ぎ口から湯気が立つ。紅茶のティーバッグをマグカップに放り込んで熱いお湯を注いだ。
今から歴史の勉強をする。どちらかと言えば文系な真詞にとっては、余り苦じゃない時間だ。
「どうした? 大丈夫か?」
マグカップを持ってダイニングチェアーに座ろうとしたところで、洗い物をしていた父親の大翼(だいすけ)が耳ざとくこちらの独り言を拾った。
「うん。ちょっとシャワーの温度が低かっただけだから」
「そうか。気を付けろよ?」
「うん」
「温度差のある日は風邪をひきやすいからな。そうだ、明日の弁当はどうする? 母さんがどうしたいか決めとけって言ってた」
「明日の弁当母さん? 明日は朝からキッチン使いたいから、自分でなんとかするよ」
「分かった。それ終わったら寝るんだろ? 俺から言っとくな」
「うん、よろしく」
母親の瑠美(るみ)は木曜日の今日、会社の人と飲みに行っている。真詞が高校に上がってすぐの頃はもっとよく行っていた。
六月中は心配をかけてしまってずっと家にいたけど、最近また落ち着いてからは飲みに行く頻度が戻りつつある。元々家でもよく晩酌していたから酒が好きだったのは知っていたけど、要は多少、肩の荷が下りたってところなのだろう。
逆に土日は大翼が家を空けることもあるし、週末の夜は二人でディナーに行ったりもしている。つまり真詞の両親は円満だということだ。
そう。先月あんなに苦しめられていたモノから、真詞は今、追いかけまわされたりしていない。
巡と再会して以来、何故かパタリと何も起きなくなったのだ。
癪だけど、あの藤色の髪の男が影響している気がしている。巡にそこまでの力はないはずだから、それ以外の可能性が考えられない。
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