8 / 45
第一章【桜、新緑を越えて】
君を探してる③
しおりを挟む
※微ホラー注意
ショートホームルームが終わり、それぞれが席を立って部活に行ったり、帰路に着いたりする。
でも、ここ一週間ほどの真詞のクラスは少し今までと様子が違った。
「渡辺! まだ間にあうからさ、バレー部どう?」
「渡辺君、楽器とか興味ない? 軽音楽部で渡辺君に声かけて欲しいって言われてるんだけど……」
「渡辺は部活やらないって言ってたじゃん。それよかザスト寄って帰ろうぜ」
「ありがとう。誘ってくれて嬉しいけど、今のところ部活は考えてないんだ。ザストいいな、山岸。行くよ」
数人のクラスメイトが真詞を部活や遊びに誘っていることだ。
五月に誘われるならまだしも、部活も本腰を入れ始めて、友人関係だって固まった六月に声をかけられることは稀だ。
それもこれも、あの日を境に真詞が妙に積極的になったからだった。
そして、誰もが仲良くなりたかったのに決まった友達を作らなかった真詞とお近づきになりたい人が群がった。
「よっしゃ! おい! 渡辺も行くってー! この前言ったアプリ落としたか?」
「最近少しずつ進めてる」
「じゃあ、初心者イベはクリアしただろ?」
「ああ。そう言えばレアなの出てさ」
「お! 見せて見せて!」
真詞は笑顔を張り付けた。
前から気になってたアプリだから始めるのは別に構わない。学生だから課金をして強さを比べるわけでもないし、最近声をかけてくれる山岸も人懐こくていいやつなのは分かる。
一緒にザストに行く残りの二人も真詞のスマホを覗き込む。初心者ガチャで手に入れたSSRのキャラを見て素直に歓声を上げて羨ましがってくれる。
それぞれにスマホを出して手持ちのキャラや装備を見せ合うと、今度は何を食べるかを話し始める。
「新メニューの冷麺が辛そうでさぁ、試したいんだよなー」
「オレはチーズインだな」
「お前、ほんとそればっかな」
「そう言うお前はすぐ新しいの試すよな」
「それでこの前足りなくて追いハンバーグしてたの笑う」
「そんなことあったんだ」
「あのときは渡辺いなかったよな。金ねぇとか言ってたのに、結局二つ頼んでたんだよ。お前は? 何食うか決めてる?」
「うーん、肉?」
「それな!」
共感を得られると分かっていて冗談めかして言った言葉に全員が頷き、示し合せたかのように同時に笑い合う。
楽しくないわけじゃない。笑いたくないわけじゃない。みんなのことが嫌いなわけじゃない。ただ、違う存在なんだろうなと遠く感じるだけだった。
山岸と二人、外が暗くなる前に適当な理由を付けてザストを出た。
クラスメイトが座っている前の窓の前を、少し大げさに手を振りながら通り過ぎる。残った二人は夕飯を食べて帰るらしい。
「渡辺ってここから家近いんだっけ?」
「そうだな。ここからなら徒歩圏内」
「そっか。俺バスだからこっちだわ。じゃーなぁ――ねぇ、名前なんて言うの?」
山岸がそう言って曲がりかけた足をピタリと止めた。
「ああ。――山岸? 名前? 真詞だけ、ど……」
そこまで言ってハッとした。――違う。これは……。
「まこと、真詞。綺麗な名前ね」
「山岸……? 山岸っ!」
「大丈夫だよ? あの子は、ホラ」
話しかけてくるモノが指さした方を向くと、バス停の人の列に並ぶ山岸の姿が見える。そのことにホッとしたのも束の間、真詞は半歩後ろに下がった。
人間との会話の途中で、入ってきた。
「嘘だろ……?」
「どうしたの? あのね、初めまして。あたし、名前はないの。ごめんね。でも、君が綺麗だからずっと話しかけるタイミングを待ってたんだ」
最初に聞いた声は確かに山岸のものだったのに、いつの間にかそれは女性のものに変わっていた。
顔は分からない。逆光になっているかのようにシルエットだけ。
でも、その方がいい気がした。
目の前にいるモノの存在がどの程度の強さなのかなんて分からない。とにかく、今までの方法では逃げられないことは分かる。
まただからだ。
誕生日から一週間、真詞は頻繁にこういうモノに付きまとわれている。
今までは無視したり、逃げたりすれば大丈夫だった。知らずに会話したときや着いて行ったときだって、こちらが拒絶の意思表示をすればどうということはなかった。
それなのに――。
「ねぇ、あたし、君のことがとても好きみたい。一緒に行こうよ」
思い切り顔を逸らす。周りの人が変な目で真詞を見ている。余りの衝撃に忘れていたけど、見えているのは真詞だけなのだ。
「ねぇ、さっきは答えてくれたじゃない。一緒に行こう?」
このまま関わって変な噂が立つのは嫌だった。かと言って、人気のない場所へ行くのは最悪のパターンだ。
どうする? どうする? とその単語が脳裏に浮かぶたびに目の前が揺れる。
「……き、たく、なぃ……」
「なぁに? 聞こえないよ?」
「行きたくないっ! 絶対に嫌だ!」
思い切って振り返ってはっきりと拒絶した。分かっている。これはよくない。きっと怒り狂う。
「ひ、酷い……。酷いよ、君のこと好きなのに。好きなのに、好きなのに? どうして? どうして君はあたしを好きじゃないのかなぁ? どうしてだろう?」
不思議そうに首を傾げる女のようなモノが段々とそのシルエットを変えていく。頭からメキメキと音がしそうな勢いで角が生えてきていた。見えていないのに、それが堅固であることが嫌でも想像できる。
「クッソ……!」
真詞は踵を返して走り出した。
夕方の人通りの多い道を突っ切り、先ほどまでいたザストを通り過ぎる。視界の端に楽しそうに笑う二人の姿が映る。何だか涙が出そうだ。
学校の前は通りたくなくて、わざと一本遠い道を選ぶ。人気は減るけど、こんなモノから逃げている所なんて見られたくない。例え、みんなに見えていなくても。
チラッと見た背後には走っているわけでもないのに一定の距離でついてくる女のようなモノがいる。
家とは反対側に走ったことを少し後悔して、すぐに思い直す。もし家を知られでもしたら、本当に逃げ場がなくなる気がした。
背後から大きな排気音がして横をバスが通り過ぎる。数メートル前にバス停が見えて、ちょうどそこに停車した。
「はぁ、はぁ、はぁ、の、りますっ!」
走る速度は変えずに、真詞は勢いよくバスに飛び乗った!
他に人もいなかったのですぐに扉が閉まる。扉の前に佇むモノを凝視する。通り抜けたりする様子はなさそうだ。はぁーと大きく息を吐く。
汗だくになって息を乱す真詞のことは誰も気にしていないようだ。バスに乗り遅れないために走っていたと思われているのだろう。
両腕でポールに掴まり体重を預ける。とにかく一度呼吸を整えたかった。額から汗が落ちるのを手の甲で拭う。
二つ目の停留所に着いたときに、やっと何のバスに乗ったのかを確認した。
先週訪れた、巡がいそうだと思った大きな神社の前を通る路線だ。
あの神社にはあれ以来行っていない。行って色々と確かめたい気持ちと、ここ最近の異常事態のきっかけになった場所に恐怖を感じる気持ちが入り混じった状態だ。
「次は大藪神社前。大藪神社前」
車内アナウンスが到着を告げる。
この前来たときはもっと長い時間乗っていた気がしたけど、それだけの距離を走ったということだろうか。
プシューと大型車特有の音を立ててバスが停車する。降車する客はいない。バス停に人もいない。何で、と思ったと同時にその疑問は解消された。
「時間調整のため暫く停車します。少々お待ちください」
途端にドッドと速まっていた心音を自覚する。とうとうバスの運転手まで操りだしたのかと恐怖したのだ。
フロントガラスの向こうは薄暗がりになろうとして、灯り始めた街灯の光が薄く見える。
ゆっくり振り返った後ろに、さっきのモノはいないようだった。
そのとき「今しかない」と何かが言った気がした。
どうする? と悩んだのは一瞬で、真詞は勢いよく足を踏み出した。
「降ります……!」
ショートホームルームが終わり、それぞれが席を立って部活に行ったり、帰路に着いたりする。
でも、ここ一週間ほどの真詞のクラスは少し今までと様子が違った。
「渡辺! まだ間にあうからさ、バレー部どう?」
「渡辺君、楽器とか興味ない? 軽音楽部で渡辺君に声かけて欲しいって言われてるんだけど……」
「渡辺は部活やらないって言ってたじゃん。それよかザスト寄って帰ろうぜ」
「ありがとう。誘ってくれて嬉しいけど、今のところ部活は考えてないんだ。ザストいいな、山岸。行くよ」
数人のクラスメイトが真詞を部活や遊びに誘っていることだ。
五月に誘われるならまだしも、部活も本腰を入れ始めて、友人関係だって固まった六月に声をかけられることは稀だ。
それもこれも、あの日を境に真詞が妙に積極的になったからだった。
そして、誰もが仲良くなりたかったのに決まった友達を作らなかった真詞とお近づきになりたい人が群がった。
「よっしゃ! おい! 渡辺も行くってー! この前言ったアプリ落としたか?」
「最近少しずつ進めてる」
「じゃあ、初心者イベはクリアしただろ?」
「ああ。そう言えばレアなの出てさ」
「お! 見せて見せて!」
真詞は笑顔を張り付けた。
前から気になってたアプリだから始めるのは別に構わない。学生だから課金をして強さを比べるわけでもないし、最近声をかけてくれる山岸も人懐こくていいやつなのは分かる。
一緒にザストに行く残りの二人も真詞のスマホを覗き込む。初心者ガチャで手に入れたSSRのキャラを見て素直に歓声を上げて羨ましがってくれる。
それぞれにスマホを出して手持ちのキャラや装備を見せ合うと、今度は何を食べるかを話し始める。
「新メニューの冷麺が辛そうでさぁ、試したいんだよなー」
「オレはチーズインだな」
「お前、ほんとそればっかな」
「そう言うお前はすぐ新しいの試すよな」
「それでこの前足りなくて追いハンバーグしてたの笑う」
「そんなことあったんだ」
「あのときは渡辺いなかったよな。金ねぇとか言ってたのに、結局二つ頼んでたんだよ。お前は? 何食うか決めてる?」
「うーん、肉?」
「それな!」
共感を得られると分かっていて冗談めかして言った言葉に全員が頷き、示し合せたかのように同時に笑い合う。
楽しくないわけじゃない。笑いたくないわけじゃない。みんなのことが嫌いなわけじゃない。ただ、違う存在なんだろうなと遠く感じるだけだった。
山岸と二人、外が暗くなる前に適当な理由を付けてザストを出た。
クラスメイトが座っている前の窓の前を、少し大げさに手を振りながら通り過ぎる。残った二人は夕飯を食べて帰るらしい。
「渡辺ってここから家近いんだっけ?」
「そうだな。ここからなら徒歩圏内」
「そっか。俺バスだからこっちだわ。じゃーなぁ――ねぇ、名前なんて言うの?」
山岸がそう言って曲がりかけた足をピタリと止めた。
「ああ。――山岸? 名前? 真詞だけ、ど……」
そこまで言ってハッとした。――違う。これは……。
「まこと、真詞。綺麗な名前ね」
「山岸……? 山岸っ!」
「大丈夫だよ? あの子は、ホラ」
話しかけてくるモノが指さした方を向くと、バス停の人の列に並ぶ山岸の姿が見える。そのことにホッとしたのも束の間、真詞は半歩後ろに下がった。
人間との会話の途中で、入ってきた。
「嘘だろ……?」
「どうしたの? あのね、初めまして。あたし、名前はないの。ごめんね。でも、君が綺麗だからずっと話しかけるタイミングを待ってたんだ」
最初に聞いた声は確かに山岸のものだったのに、いつの間にかそれは女性のものに変わっていた。
顔は分からない。逆光になっているかのようにシルエットだけ。
でも、その方がいい気がした。
目の前にいるモノの存在がどの程度の強さなのかなんて分からない。とにかく、今までの方法では逃げられないことは分かる。
まただからだ。
誕生日から一週間、真詞は頻繁にこういうモノに付きまとわれている。
今までは無視したり、逃げたりすれば大丈夫だった。知らずに会話したときや着いて行ったときだって、こちらが拒絶の意思表示をすればどうということはなかった。
それなのに――。
「ねぇ、あたし、君のことがとても好きみたい。一緒に行こうよ」
思い切り顔を逸らす。周りの人が変な目で真詞を見ている。余りの衝撃に忘れていたけど、見えているのは真詞だけなのだ。
「ねぇ、さっきは答えてくれたじゃない。一緒に行こう?」
このまま関わって変な噂が立つのは嫌だった。かと言って、人気のない場所へ行くのは最悪のパターンだ。
どうする? どうする? とその単語が脳裏に浮かぶたびに目の前が揺れる。
「……き、たく、なぃ……」
「なぁに? 聞こえないよ?」
「行きたくないっ! 絶対に嫌だ!」
思い切って振り返ってはっきりと拒絶した。分かっている。これはよくない。きっと怒り狂う。
「ひ、酷い……。酷いよ、君のこと好きなのに。好きなのに、好きなのに? どうして? どうして君はあたしを好きじゃないのかなぁ? どうしてだろう?」
不思議そうに首を傾げる女のようなモノが段々とそのシルエットを変えていく。頭からメキメキと音がしそうな勢いで角が生えてきていた。見えていないのに、それが堅固であることが嫌でも想像できる。
「クッソ……!」
真詞は踵を返して走り出した。
夕方の人通りの多い道を突っ切り、先ほどまでいたザストを通り過ぎる。視界の端に楽しそうに笑う二人の姿が映る。何だか涙が出そうだ。
学校の前は通りたくなくて、わざと一本遠い道を選ぶ。人気は減るけど、こんなモノから逃げている所なんて見られたくない。例え、みんなに見えていなくても。
チラッと見た背後には走っているわけでもないのに一定の距離でついてくる女のようなモノがいる。
家とは反対側に走ったことを少し後悔して、すぐに思い直す。もし家を知られでもしたら、本当に逃げ場がなくなる気がした。
背後から大きな排気音がして横をバスが通り過ぎる。数メートル前にバス停が見えて、ちょうどそこに停車した。
「はぁ、はぁ、はぁ、の、りますっ!」
走る速度は変えずに、真詞は勢いよくバスに飛び乗った!
他に人もいなかったのですぐに扉が閉まる。扉の前に佇むモノを凝視する。通り抜けたりする様子はなさそうだ。はぁーと大きく息を吐く。
汗だくになって息を乱す真詞のことは誰も気にしていないようだ。バスに乗り遅れないために走っていたと思われているのだろう。
両腕でポールに掴まり体重を預ける。とにかく一度呼吸を整えたかった。額から汗が落ちるのを手の甲で拭う。
二つ目の停留所に着いたときに、やっと何のバスに乗ったのかを確認した。
先週訪れた、巡がいそうだと思った大きな神社の前を通る路線だ。
あの神社にはあれ以来行っていない。行って色々と確かめたい気持ちと、ここ最近の異常事態のきっかけになった場所に恐怖を感じる気持ちが入り混じった状態だ。
「次は大藪神社前。大藪神社前」
車内アナウンスが到着を告げる。
この前来たときはもっと長い時間乗っていた気がしたけど、それだけの距離を走ったということだろうか。
プシューと大型車特有の音を立ててバスが停車する。降車する客はいない。バス停に人もいない。何で、と思ったと同時にその疑問は解消された。
「時間調整のため暫く停車します。少々お待ちください」
途端にドッドと速まっていた心音を自覚する。とうとうバスの運転手まで操りだしたのかと恐怖したのだ。
フロントガラスの向こうは薄暗がりになろうとして、灯り始めた街灯の光が薄く見える。
ゆっくり振り返った後ろに、さっきのモノはいないようだった。
そのとき「今しかない」と何かが言った気がした。
どうする? と悩んだのは一瞬で、真詞は勢いよく足を踏み出した。
「降ります……!」
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
ハヤトロク
白崎ぼたん
BL
中条隼人、高校二年生。
ぽっちゃりで天然パーマな外見を、クラスの人気者一ノ瀬にからかわれ、孤立してしまっている。
「ようし、今年の俺は悪役令息だ!」
しかし隼人は持ち前の前向きさと、あふれ出る創作力で日々を乗り切っていた。自分を主役にして小説を書くと、気もちが明るくなり、いじめも跳ね返せる気がする。――だから友達がいなくても大丈夫、と。
そんなある日、隼人は同学年の龍堂太一にピンチを救われる。龍堂は、一ノ瀬達ですら一目置く、一匹狼と噂の生徒だ。
「すごい、かっこいいなあ……」
隼人は、龍堂と友達になりたいと思い、彼に近づくが……!?
クーデレ一匹狼×マイペースいじめられっこの青春BL!
目が覚めたら、カノジョの兄に迫られていた件
水野七緒
BL
ワケあってクラスメイトの女子と交際中の青野 行春(あおの ゆきはる)。そんな彼が、ある日あわや貞操の危機に。彼を襲ったのは星井夏樹(ほしい なつき)──まさかの、交際中のカノジョの「お兄さん」。だが、どうも様子がおかしくて──
※「目が覚めたら、妹の彼氏とつきあうことになっていた件」の続編(サイドストーリー)です。
※前作を読まなくてもわかるように執筆するつもりですが、前作も読んでいただけると有り難いです。
※エンドは1種類の予定ですが、2種類になるかもしれません。
ガラス玉のように
イケのタコ
BL
クール美形×平凡
成績共に運動神経も平凡と、そつなくのびのびと暮らしていたスズ。そんな中突然、親の転勤が決まる。
親と一緒に外国に行くのか、それとも知人宅にで生活するのかを、どっちかを選択する事になったスズ。
とりあえず、お試しで一週間だけ知人宅にお邪魔する事になった。
圧倒されるような日本家屋に驚きつつ、なぜか知人宅には学校一番イケメンとらいわれる有名な三船がいた。
スズは三船とは会話をしたことがなく、気まずいながらも挨拶をする。しかし三船の方は傲慢な態度を取り印象は最悪。
ここで暮らして行けるのか。悩んでいると母の友人であり知人の、義宗に「三船は不器用だから長めに見てやって」と気長に判断してほしいと言われる。
三船に嫌われていては判断するもないと思うがとスズは思う。それでも優しい義宗が言った通りに気長がに気楽にしようと心がける。
しかし、スズが待ち受けているのは日常ではなく波乱。
三船との衝突。そして、この家の秘密と真実に立ち向かうことになるスズだった。
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
王様のナミダ
白雨あめ
BL
全寮制男子高校、箱夢学園。 そこで風紀副委員長を努める桜庭篠は、ある夜久しぶりの夢をみた。
端正に整った顔を歪め、大粒の涙を流す綺麗な男。俺様生徒会長が泣いていたのだ。
驚くまもなく、学園に転入してくる王道転校生。彼のはた迷惑な行動から、俺様会長と風紀副委員長の距離は近づいていく。
※会長受けです。
駄文でも大丈夫と言ってくれる方、楽しんでいただけたら嬉しいです。
好きな人がカッコ良すぎて俺はそろそろ天に召されるかもしれない
豆ちよこ
BL
男子校に通う棚橋学斗にはとってもとっても気になる人がいた。同じクラスの葛西宏樹。
とにかく目を惹く葛西は超絶カッコいいんだ!
神様のご褒美か、はたまた気紛れかは知らないけど、隣同士の席になっちゃったからもう大変。ついつい気になってチラチラと見てしまう。
そんな学斗に、葛西もどうやら気付いているようで……。
□チャラ王子攻め
□天然おとぼけ受け
□ほのぼのスクールBL
タイトル前に◆◇のマークが付いてるものは、飛ばし読みしても問題ありません。
◆…葛西視点
◇…てっちゃん視点
pixivで連載中の私のお気に入りCPを、アルファさんのフォントで読みたくてお引越しさせました。
所々修正と大幅な加筆を加えながら、少しづつ公開していこうと思います。転載…、というより筋書きが同じの、新しいお話になってしまったかも。支部はプロット、こちらが本編と捉えて頂けたら良いかと思います。
黒髪黒目が希少な異世界で神使になって、四人の王様から求愛されました。
篠崎笙
BL
突然異世界に召喚された普通の高校生、中条麗人。そこでは黒目黒髪は神の使いとされ、大事にされる。自分が召喚された理由もわからないまま、異世界のもめごとを何とかしようと四つの国を巡り、行く先々でフラグを立てまくり、四人の王から求愛され、最後はどこかの王とくっつく話。
※東の王と南の王ENDのみ。「選択のとき/誰と帰る?」から分岐。
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる