28 / 35
二十四章 まばゆい光
三
しおりを挟む
気づけば私はベッドの中で横になっていた。まだ夜中だというのに、なぜだか私は目覚めてしまった。
暗闇に包まれた中、パラパラと降りしきる雨音だけが聞こえてくる。ベッドの中で真っ暗な天井を見つめながら私は考えていた。
そういえば今日、琴姉にも真妃ちゃんにも会えなかったな……。二人とも大丈夫かな……。
今日、本当は学校で琴乃と真妃に会い、彼女たちの様子を見ながら本当にお守りをお焚き上げしてもよいかという最終確認を行いたかったものの、この日、二人の様子を見かけることはできなかった。なぜだか知らないが、どうやら二人とも学校を欠席してしまったようだった。おまけに琴乃に至ってはLINEすら返してくれなかった。そして真妃の方はというと……何と夕方の四時頃に「今起きた。ねむいよ~」と連絡を送ってきたのだった。いったい二人ともどうしてしまったのだろうか?
明日は秦野と神社か……。はぁ~、本当にこんなことをしてよかったのだろうか……。
確かに、真妃ちゃんのこと刺そうとしていた琴姉からはお守りをもらっておく必要はあったけど……、真妃ちゃんからまでわざわざもらっておく必要なんてなかったのかも……。
考えれば考えるほど不安が募ってくる。窓の外のパラパラという雨音を感じながら暗闇を眺めていた私は、しばらくの間ぼうっとしていた。
でも……もうどうしようもないんだっけ……。琴姉のメモにもあんなこと書いてあったし……。真妃ちゃんと秦野、二年生のころから本当に仲良しでラブラブで……。綾子も言ってたみたいに本当に幸せそうだったな~。真妃ちゃんも本当は、私のこと気遣ってお守りを渡してくれたのかもしれない……。
琴乃のメモに書かれていた、お守りを手放すと恋愛感情が消えるということと恋愛感情が消えるときにはお守りの記憶も消えてしまうということをふと思い出してしまった。私は一人、真妃のことが頭から離れられないまま長い長い夜を過ごしていた。
暗闇に包まれた中、パラパラと降りしきる雨音だけが聞こえてくる。ベッドの中で真っ暗な天井を見つめながら私は考えていた。
そういえば今日、琴姉にも真妃ちゃんにも会えなかったな……。二人とも大丈夫かな……。
今日、本当は学校で琴乃と真妃に会い、彼女たちの様子を見ながら本当にお守りをお焚き上げしてもよいかという最終確認を行いたかったものの、この日、二人の様子を見かけることはできなかった。なぜだか知らないが、どうやら二人とも学校を欠席してしまったようだった。おまけに琴乃に至ってはLINEすら返してくれなかった。そして真妃の方はというと……何と夕方の四時頃に「今起きた。ねむいよ~」と連絡を送ってきたのだった。いったい二人ともどうしてしまったのだろうか?
明日は秦野と神社か……。はぁ~、本当にこんなことをしてよかったのだろうか……。
確かに、真妃ちゃんのこと刺そうとしていた琴姉からはお守りをもらっておく必要はあったけど……、真妃ちゃんからまでわざわざもらっておく必要なんてなかったのかも……。
考えれば考えるほど不安が募ってくる。窓の外のパラパラという雨音を感じながら暗闇を眺めていた私は、しばらくの間ぼうっとしていた。
でも……もうどうしようもないんだっけ……。琴姉のメモにもあんなこと書いてあったし……。真妃ちゃんと秦野、二年生のころから本当に仲良しでラブラブで……。綾子も言ってたみたいに本当に幸せそうだったな~。真妃ちゃんも本当は、私のこと気遣ってお守りを渡してくれたのかもしれない……。
琴乃のメモに書かれていた、お守りを手放すと恋愛感情が消えるということと恋愛感情が消えるときにはお守りの記憶も消えてしまうということをふと思い出してしまった。私は一人、真妃のことが頭から離れられないまま長い長い夜を過ごしていた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
毎日告白
モト
ライト文芸
高校映画研究部の撮影にかこつけて、憧れの先輩に告白できることになった主人公。
同級生の監督に命じられてあの手この手で告白に挑むのだが、だんだんと監督が気になってきてしまい……
高校青春ラブコメストーリー
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ピントグラス越しの反転された日常
マツモトマサル
ライト文芸
地元を離れて働く30歳の主人公「詩織」。
フリーライターと言えば聞こえは良いけど、表に自分の名前が出るわけでもない文章を量産してる毎日。悲観するほど酷くはないけれど充実しているとは言い難い。そんな詩織の心に引っかかる、カメラ好きだったおじいちゃんがカメラを辞めてしまうきっかけとなった”プチトラウマ“。
祖父にカメラを辞めさせてしまったのは自分かも知れないという罪悪感と小さなトラウマから写真を撮られるのは苦手だ。祖父とは違って、詩織にとってはカメラは仕事で必要な時に使うツールでしかない。でも、時々思い出す、祖父の膝の上から覗かせてもらったカメラから見える「反転した世界」。祖父が隠していた二眼レフカメラが繋ぐ、どこにでも居る女性と当たり前な日常の物語。
大好きだった祖父との、心に残ったわだかまりを解くことで、なんとなく過ぎていく毎日を変えることができたなら。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
【7】父の肖像【完結】
ホズミロザスケ
ライト文芸
大学進学のため、この春に一人暮らしを始めた娘が正月に帰って来ない。その上、いつの間にか彼氏まで出来たと知る。
人見知りの娘になにがあったのか、居ても立っても居られなくなった父・仁志(ひとし)は、妻に内緒で娘の元へ行く。
短編(全七話)。
「いずれ、キミに繋がる物語」シリーズ七作目(登場する人物が共通しています)。単品でも問題なく読んでいただけます。
※当作品は「カクヨム」「小説家になろう」にも同時掲載しております。(過去に「エブリスタ」にも掲載)
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる