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二十五章 本番
一
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「百合絵、どう?」
「まあまあー」
この日も、もう明後日に迫った本命の小論文の二次試験に向けて私は自分の住処で机に向かっていた。ドアの隙間から声をかける母に適当に相槌を打って私は再び目の前のノートの方へ視線を飛ばした。まだ白紙のページが半分ほど残った真新しいノート。それは、私が新たな本命を決めたその日に急遽誕生した小論文専用ノートだ。
予備校での英数国の授業もすっかりやめてしまい、学校での二次試験対策の授業の最中も小論文のことばかり考えて勉強していたおかげもあって、数千文字程度の文章の構成を考え書き続けることなど難なくできてしまうほどになっていた。ただでさえ国語の現代文以外の活字にはほとんど触れず、長文すらまともに書くこともなかったこれまでの私からすればそれだけでも革新的なことだった。まあその一方で、これまで一生懸命に勉強していた数学や英語の数々に関しての知識がじわじわと抜けてきてしまっているということも否めなかったのではあるけれど。
う~ん。とりあえず……。小論文というもの自体は何とかかけるようにはなってきたけれど……、なんというかこう……ありきたりというか……面白みがないというか……。
文章がまともに書けるようになってきた今の私には新たな悩み事が生じていた。買って数週間ほどしかお世話になっていなかった小論文の参考書と対策問題集のおかげである程度は模範解答通りの文章が書けるようにはなってはいたものの、それはどれもほとんど模範解答そのままで、なぜだか本当の私の文章という感じがしなかったのだ。
なんか……なんかないのか……?
「百合絵。あんたは勉強ができないバカなんだから、こういう得意分野で勝負するのよ」
ふいに、母のあの時の声が脳裏に浮かんだ。
私の得意分野……。得意分野って言っても、よくよく考えたら他の受験生たちも私と同じように家庭科部の出身かもしれないし……それにやっぱり私なんかとは違ってもっと何ヶ月も、いや、何年も前からここを志望校として勉強してきているかもしれない。そんな人たちの中に混じって……う~ん。
考えれば考えるほどだんだんと詰んでしまうような感じがしてきた。すかさず私は視線をそらし、勉強机の左後方のクローゼットの方へ視線を飛ばした。
もうすぐ、こいつともお別れか……。
壁に掛けてあった制服のブレザーを見つめながら私はぼうっと思いをはせていた。そしてなんだか視界に映るのその服に触れたくなってしまい、私は椅子から立ち上がりクローゼットの方へ向かった。
袖口から身ごろまでを手のひらでなでるように滑らした。つやつやとした肌触りと質感。まだこの先何年も着れそうなその生地はほぼ黒に近い紺色ながらも淡い光沢を放っていた。
そして、背中の所に触れた瞬間、異様な感触を感じた私の頭の中に、あの時の記憶がみるみるうちによみがえった。
そうか……琴姉の……。こいつのおかげで私は無傷で済んだのか……。はあ……おまえもよくやったよ。
ブレザーがかけてあるハンガーの柄を持ち、それを裏返す。その背中の部分には長さ三センチほどの裂け目とほつれがあった。艶めいた生地の光沢がその周辺だけくすみ、異様な光を反射している。
忘れることもないその傷をしばらく見ていた私は、とっさにあることをひらめいた。
そうだ! 私の得意分野! 得意分野とはちょっと違うかもしれないけれど……模範解答じゃない。私だけの、本当の意味でこの私が、この私が書いた文章!
急いで手に持っていたブレザーがかかったハンガーをもとの場所へ戻すと、すぐに机の前へ戻り目の前の真っ白のノートに思いつくまま文字を書き綴った。
この前予備校のホームページで見た感じだと合格倍率は一・五倍。頑張れば、いける!
なんたって大切な真妃ちゃんをこの手で守ったんだ。こんな小論文くらいどうにかなるはず! それにお参りだって二回も行ったんだし! きっと神様も味方してくれてるに違いない!
異様なまでの自信とひらめきに満ちていた私は、シャーペンを握りしめる手に力を入れながらもすらすらとそれを走らせていた。
ピピピピッ、ピピピピッ……。カチャッ。
バサッ。
ついにか……。
この日の朝、私は目覚まし時計が鳴る前にすでに目が覚めてしまった。そしてその音を聞いた瞬間、すぐにボタンを押して音を止め、ゆっくりと起き上がった。
この日は覚悟が違っていた。そう、今日は二月二十五日。ついに本命の国立大学の試験日だ。ベッドから起き上がるとすぐに服を着替え、そしてすぐに一階のリビングへ降りた。
「百合絵、おはよう。いよいよね」
「うん」
私は言葉を聞かずともその視線で何を言いたいのかということをすべて察した。普段はちゃらちゃらしているような母も今日に限っては少しだけ真剣な、だけど励ましてくれているような雰囲気を醸し出していた。
「ん、なんだ?」
少し寝ぼけた感じで父が言った。
「まったく、しょうがない人ね……。この前言ったでしょ。今日、百合絵の本命の大学の受験日なんだから。少しくらいシャキッとしなさいよね」
「なっ! そ、そうだったのか⁉ そ、それならもっと早く」
「一週間くらい前から言ってましたけど?」
「あ~そうか……。で、どこ受けるんだっけ?」
「えっ……あっ、あー東京……」
「あー、それは受かってからのお楽しみ。変に緊張させちゃ悪いから。ねっ」
「う、うん……」
「ん~? まあいいや……。とにかく百合絵、お父さんも陰ながら応援してるんだから、頑張ってくれ」
「あなたなんかに言われなくてもちゃんとやりますよ。なんたって私の娘ですから。ねー」
「あ、ああ……まあ。頑張ってくるわ」
母の少しだけ強引なトークに押され少しだけ緊張がほぐれたような気がした。おかげで異様なまでに入れていた肩の力がちょうどよいくらいに抜けてきた感じがしたのだった。
「いってらっしゃい」
歩きなれた駅までの道を歩いている途中、私は不意にポケットの中のスマートフォンに手が伸びた。
そういえば、朝起きてから見てなかったっけ……。えーと……。
最近になっても相変わらず連絡が乏しい真妃や琴乃からのLINEを期待していたのだが、その小さい画面の中に表示されていたのは意外なものだった。
えっ⁉ 何これ? 『萌ちゃんの誕生日』って……? あっ、そうなんだ……。的場さんの誕生日今日なの。ふ~ん……まあどうでもいいや。
予想だにしなかった通知に意表を突かれてしまったものの、それをタップしてすぐに消し去り、なかったことにした。
でもなんで的場さんの誕生日なんてカレンダーに登録してあるんだろう? 的場さんなんて国語とか日本史とか、少しだけ勉強を教えてもらっただけの仲なのに……。
普段なら横浜まで乗る電車を途中で降り、数回の乗り換えを経た後で初めて訪れることとなる試験会場の大学の最寄駅まで。乗りなれない路線に乗りながら、もし受かったら、これが新しい通学ルートになるのかとか、案外乗り換えが多くて面倒だなとかそんなたわいもないことを考えていたが、気づけば試験会場となる大学の最寄り駅のホームに降り立ち、そこから先の長い道のりを歩いていた。
「こ、ここか」
やっとのことで辿り着いた大学。それはこの前共通テストで受験した大学とは打って変わって少しだけ地味だけど、それでいてどこか歴史を感じられるようなたたずまいだった。
辺りを見回す。しかし、やはり知っている人は誰一人としていなかった。
正門の守衛さんに受験票を見せてその敷地に足を踏み入れる。都心からは少しだけ離れた場所にあるということもあって、それはどことなく開放的なものだった。
は~っ……。
その空気感を味わい、少しだけぼうっとしてしまった私はふとポケットの中のスマートフォンを見た。
「やばっ! もうこんな時間!」
想像以上にゆっくりと時を過ごしてしまった私は、パンフレットの構内案内図を片手にその場から駆け出していった。
「解答、はじめ」
パララッ……。
少しだけ古風な教室の教壇に座る先生の掛け声で目の前の問題冊子を開く。そしてすぐに模範解答ではない、昨日まで練りに練った私だけの得意分野を生かせられるような文章のネタの数々をメモとして書き出した。そしてそれらをうまい具合に設問と絡められるような形で整え、本当の意味で私だけが書くことのできる文章を頭の中で紡いでいった。
よし……これでいいかな。そろそろ、書いていくか。
そう思うと、なぜだかシャーペンを握りしめる手に自然と力が入っていく。そして私は、勢いに任せて先ほどまで頭の中で紡いできた文章たちを目の前の解答用紙に刻み始めた。
――私の制服の背中には、包丁の刺し傷があります。それは、つい一週間前に私の大切な親友が刺してできてしまったものです。
「まあまあー」
この日も、もう明後日に迫った本命の小論文の二次試験に向けて私は自分の住処で机に向かっていた。ドアの隙間から声をかける母に適当に相槌を打って私は再び目の前のノートの方へ視線を飛ばした。まだ白紙のページが半分ほど残った真新しいノート。それは、私が新たな本命を決めたその日に急遽誕生した小論文専用ノートだ。
予備校での英数国の授業もすっかりやめてしまい、学校での二次試験対策の授業の最中も小論文のことばかり考えて勉強していたおかげもあって、数千文字程度の文章の構成を考え書き続けることなど難なくできてしまうほどになっていた。ただでさえ国語の現代文以外の活字にはほとんど触れず、長文すらまともに書くこともなかったこれまでの私からすればそれだけでも革新的なことだった。まあその一方で、これまで一生懸命に勉強していた数学や英語の数々に関しての知識がじわじわと抜けてきてしまっているということも否めなかったのではあるけれど。
う~ん。とりあえず……。小論文というもの自体は何とかかけるようにはなってきたけれど……、なんというかこう……ありきたりというか……面白みがないというか……。
文章がまともに書けるようになってきた今の私には新たな悩み事が生じていた。買って数週間ほどしかお世話になっていなかった小論文の参考書と対策問題集のおかげである程度は模範解答通りの文章が書けるようにはなってはいたものの、それはどれもほとんど模範解答そのままで、なぜだか本当の私の文章という感じがしなかったのだ。
なんか……なんかないのか……?
「百合絵。あんたは勉強ができないバカなんだから、こういう得意分野で勝負するのよ」
ふいに、母のあの時の声が脳裏に浮かんだ。
私の得意分野……。得意分野って言っても、よくよく考えたら他の受験生たちも私と同じように家庭科部の出身かもしれないし……それにやっぱり私なんかとは違ってもっと何ヶ月も、いや、何年も前からここを志望校として勉強してきているかもしれない。そんな人たちの中に混じって……う~ん。
考えれば考えるほどだんだんと詰んでしまうような感じがしてきた。すかさず私は視線をそらし、勉強机の左後方のクローゼットの方へ視線を飛ばした。
もうすぐ、こいつともお別れか……。
壁に掛けてあった制服のブレザーを見つめながら私はぼうっと思いをはせていた。そしてなんだか視界に映るのその服に触れたくなってしまい、私は椅子から立ち上がりクローゼットの方へ向かった。
袖口から身ごろまでを手のひらでなでるように滑らした。つやつやとした肌触りと質感。まだこの先何年も着れそうなその生地はほぼ黒に近い紺色ながらも淡い光沢を放っていた。
そして、背中の所に触れた瞬間、異様な感触を感じた私の頭の中に、あの時の記憶がみるみるうちによみがえった。
そうか……琴姉の……。こいつのおかげで私は無傷で済んだのか……。はあ……おまえもよくやったよ。
ブレザーがかけてあるハンガーの柄を持ち、それを裏返す。その背中の部分には長さ三センチほどの裂け目とほつれがあった。艶めいた生地の光沢がその周辺だけくすみ、異様な光を反射している。
忘れることもないその傷をしばらく見ていた私は、とっさにあることをひらめいた。
そうだ! 私の得意分野! 得意分野とはちょっと違うかもしれないけれど……模範解答じゃない。私だけの、本当の意味でこの私が、この私が書いた文章!
急いで手に持っていたブレザーがかかったハンガーをもとの場所へ戻すと、すぐに机の前へ戻り目の前の真っ白のノートに思いつくまま文字を書き綴った。
この前予備校のホームページで見た感じだと合格倍率は一・五倍。頑張れば、いける!
なんたって大切な真妃ちゃんをこの手で守ったんだ。こんな小論文くらいどうにかなるはず! それにお参りだって二回も行ったんだし! きっと神様も味方してくれてるに違いない!
異様なまでの自信とひらめきに満ちていた私は、シャーペンを握りしめる手に力を入れながらもすらすらとそれを走らせていた。
ピピピピッ、ピピピピッ……。カチャッ。
バサッ。
ついにか……。
この日の朝、私は目覚まし時計が鳴る前にすでに目が覚めてしまった。そしてその音を聞いた瞬間、すぐにボタンを押して音を止め、ゆっくりと起き上がった。
この日は覚悟が違っていた。そう、今日は二月二十五日。ついに本命の国立大学の試験日だ。ベッドから起き上がるとすぐに服を着替え、そしてすぐに一階のリビングへ降りた。
「百合絵、おはよう。いよいよね」
「うん」
私は言葉を聞かずともその視線で何を言いたいのかということをすべて察した。普段はちゃらちゃらしているような母も今日に限っては少しだけ真剣な、だけど励ましてくれているような雰囲気を醸し出していた。
「ん、なんだ?」
少し寝ぼけた感じで父が言った。
「まったく、しょうがない人ね……。この前言ったでしょ。今日、百合絵の本命の大学の受験日なんだから。少しくらいシャキッとしなさいよね」
「なっ! そ、そうだったのか⁉ そ、それならもっと早く」
「一週間くらい前から言ってましたけど?」
「あ~そうか……。で、どこ受けるんだっけ?」
「えっ……あっ、あー東京……」
「あー、それは受かってからのお楽しみ。変に緊張させちゃ悪いから。ねっ」
「う、うん……」
「ん~? まあいいや……。とにかく百合絵、お父さんも陰ながら応援してるんだから、頑張ってくれ」
「あなたなんかに言われなくてもちゃんとやりますよ。なんたって私の娘ですから。ねー」
「あ、ああ……まあ。頑張ってくるわ」
母の少しだけ強引なトークに押され少しだけ緊張がほぐれたような気がした。おかげで異様なまでに入れていた肩の力がちょうどよいくらいに抜けてきた感じがしたのだった。
「いってらっしゃい」
歩きなれた駅までの道を歩いている途中、私は不意にポケットの中のスマートフォンに手が伸びた。
そういえば、朝起きてから見てなかったっけ……。えーと……。
最近になっても相変わらず連絡が乏しい真妃や琴乃からのLINEを期待していたのだが、その小さい画面の中に表示されていたのは意外なものだった。
えっ⁉ 何これ? 『萌ちゃんの誕生日』って……? あっ、そうなんだ……。的場さんの誕生日今日なの。ふ~ん……まあどうでもいいや。
予想だにしなかった通知に意表を突かれてしまったものの、それをタップしてすぐに消し去り、なかったことにした。
でもなんで的場さんの誕生日なんてカレンダーに登録してあるんだろう? 的場さんなんて国語とか日本史とか、少しだけ勉強を教えてもらっただけの仲なのに……。
普段なら横浜まで乗る電車を途中で降り、数回の乗り換えを経た後で初めて訪れることとなる試験会場の大学の最寄駅まで。乗りなれない路線に乗りながら、もし受かったら、これが新しい通学ルートになるのかとか、案外乗り換えが多くて面倒だなとかそんなたわいもないことを考えていたが、気づけば試験会場となる大学の最寄り駅のホームに降り立ち、そこから先の長い道のりを歩いていた。
「こ、ここか」
やっとのことで辿り着いた大学。それはこの前共通テストで受験した大学とは打って変わって少しだけ地味だけど、それでいてどこか歴史を感じられるようなたたずまいだった。
辺りを見回す。しかし、やはり知っている人は誰一人としていなかった。
正門の守衛さんに受験票を見せてその敷地に足を踏み入れる。都心からは少しだけ離れた場所にあるということもあって、それはどことなく開放的なものだった。
は~っ……。
その空気感を味わい、少しだけぼうっとしてしまった私はふとポケットの中のスマートフォンを見た。
「やばっ! もうこんな時間!」
想像以上にゆっくりと時を過ごしてしまった私は、パンフレットの構内案内図を片手にその場から駆け出していった。
「解答、はじめ」
パララッ……。
少しだけ古風な教室の教壇に座る先生の掛け声で目の前の問題冊子を開く。そしてすぐに模範解答ではない、昨日まで練りに練った私だけの得意分野を生かせられるような文章のネタの数々をメモとして書き出した。そしてそれらをうまい具合に設問と絡められるような形で整え、本当の意味で私だけが書くことのできる文章を頭の中で紡いでいった。
よし……これでいいかな。そろそろ、書いていくか。
そう思うと、なぜだかシャーペンを握りしめる手に自然と力が入っていく。そして私は、勢いに任せて先ほどまで頭の中で紡いできた文章たちを目の前の解答用紙に刻み始めた。
――私の制服の背中には、包丁の刺し傷があります。それは、つい一週間前に私の大切な親友が刺してできてしまったものです。
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