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第5章 戦争
開戦 1
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「クソッ!僕にこんなことをするなんて、帝国が黙ってないぞ!」
海面に浮かんだジェイクは、水夫達によって引き上げられた。
意識を取り戻したジェイクは、周囲を見回すと毒づいたが、私が引っ叩いた左頬はパンパンに腫れ上がっており、その姿を見ていた周囲の野次馬達からは失笑が漏れた。
ジェイクは、駆けつけたニンムスの指示によって後ろ手を縛られると、武器を取り上げられていた。
グラハムからの反論を一蹴したニンムスは、地面に座らされているジェイクの前に仁王立ちとなった。
「こんな、田舎町のギルドマスター風情が!人族の希望である『勇者』を縛り上げるなど、愚かの極みだ!」
ジェイクは怒りに任せて身体をよじった。
「おぅおぅ、威勢はいいもんじゃな。ま、手に嵌めておるのは、ワシ特性の魔力を吸う手枷じゃ。犯罪者には丁度よかろうて」
ニンムスは、私の方に振り向くと軽くウインクすると口元に笑みを作った。
──さすが、エルフ。私の本質がユズキであることを見抜いているみたいだ。
しかし、分かっていながらコンタクトを取ってこないということは、ニンムスなりの考えがあってのことだろう。
私は、ニンムスの様子を見守ることにした。
「誰が犯罪者だ!『勇者』を失うことは、人族にとって大きな損失だぞ!?貴様、まさか魔族と繋がっているんだな?世俗に塗れたエルフなんて、亜人族と同じ蛮族ではないか」
──うーん、ローガン。これは、ちょっと救いようがないのでは。
盲目的な狂言を繰り返すジェイクに、私は内心匙を投げたかった。
「⋯⋯はて、『勇者』という者であれば、もう少し民草の言葉を聞きそうなものじゃが?これではまるで狂人じゃ。少し前までは、悪い噂も聞こえてこんかったのにのぉ──ま、言うて今回の騒動としては、入港の規則を破ろうとしただけでなく、トナミカに入国を許されている魔族に対する、明らかな敵対行動。及び、こちらの職員に対する殺意を伴った攻撃は、立派な犯罪じゃ。よって、その身柄は我々が拘束させてもらうものとする」
「ま、待て!我々の落ち度があったことは認める!だが、ジェイク様を犯罪者として捉えるということこそ、明らかな帝国に対しての敵対行為とみなされるぞ!」
グラハムが顔に怒りを露わにしながら、小柄なニンムスに詰め寄る。
身長差のためか、まるで大人が子供に威圧的に接しているようにしか見えない。
ニンムスは、グラハムに対して冷ややかな視線を送ると、懐から一枚の書類を取り出した。
「ほれ、見てみぃ」
「チッ」
グラハムは舌打ちしながら、ニンムスの手から紙を受け取ると、その書面に眼を落とした。
「なっ、なっ!なんだこれは⋯⋯、トナミカ行政府は、──以上の理由から先のグリドール帝国との覚書を破棄するだと!!」
グラハムの手はワナワナと震え、怒り狂った彼はニンムスの足元に向かって紙を叩きつけた。
しかし、ニンムスは嫌な顔一つせず足元の書状を拾い上げると、埃を払ってまた懐へとしまった。
「ということじゃ、ジェイクとやらは然るべき手続きの後にグリドールに引き渡そう。お主らの船は荷物を積んだら早々と立ち去るがよい」
余裕すら見せる笑みを浮かべると、ニンムスは部下に指示をさせる。
指示を受けた数名の兵士が、ジェイクを立ち上がらせた。
「グラハム!何をしている、僕は勇者だぞ!早く僕を助けろ!!」
ジェイクの言葉に、グラハムは苦々しげに歯ぎしりをすると、サッと右手を上げた。
「イスカ!フーシェ!!」
私は、その行為を見逃さず直ぐ様二人の名前を呼んだ。
──ドムッ!!
地響きの様な音が、周囲を貫いた。
まさか、こんな至近距離で街に向かって砲撃するなんて!
「クッ!氷障壁!」
無詠唱で、氷の雪壁が街を覆う様に形成される。
次の瞬間、障壁と砲弾がぶつかると激しい衝撃音が響き渡った。
水魔法や風魔法では、この至近距離で障壁を作ったところで砲弾は障壁を抜けてくるだろう。
私は、物理攻撃を受け切ることから氷魔法を選択する。何しろ、入港した船の先端から町までは数十メートルもないのだ。目と鼻の先のような距離から放たれる砲弾は、かなりの威力を含んでいた。
ドムッ!ドムッ!!
船の前方から競り出す様に砲塔が覗くと、間髪を入れず砲弾が波状攻撃の様に降り注いだ。
バキンッ!ギンッ!
氷の障壁は持ちこたえているが、熱量を持った砲弾によって、少しずつ障壁が剥がれ落ちていく。
たちまちトナミカの市内は大混乱となり、野次馬で集まって来た人々は散り散りに逃げ始めた。
「トナミカの冒険者共!グリドールの蛮行を許すな!賞金は弾むぞ!街を守るのじゃ!!」
砲撃音に負けぬ甲高いニンムスの声が響いた。
「ウオオオツ!!」
「グリドールの奴らを叩き出せ!!」
集まっていた人混みの中から、エレナを中心に冒険者達が隊列を組む。
砲撃と共に後ろに下がったグラハムと同時に、船の中からは完全武装の兵士たちが雪崩込む様に桟橋へと駆け降りてきた。
次の瞬間、今度は船の甲板から何本もの氷のスロープが形成されると、そこを足場に屈強な兵士たちが滑り降りてきた。
「敵の魔法使いだ!第5、第6桟橋にも降りてくるぞ!分散して迎撃!」
エレナが叫ぶ。
──キュインッ!
涼やかな音を立てて、イスカの『魔法矢』が私達の頭上を飛来する。
ホーミング性能を持った魔力の矢は、ロックオンした船の砲台に向かって飛来する。
──バギンッ!
陸地を向いていた砲台が次々に破壊された。
しかし次の瞬間、コーンと、教会の鐘の音の様な音が周囲に響き渡ると、突如船の全面に魔法障壁が展開し、イスカの『魔法矢』は、障壁によって弾かれてしまった。
「ん。」
今度はフーシェが身を翻して跳躍すると、兵士を運ぶ氷のスロープを支える氷柱を双剣『アースブレイカー』で切り刻んだ。
魔素を込められた『アースブレイカー』は、喜ぶ様に刀身を赤く染めると、いともたやすく氷柱を破壊した。
「わあっ!」
「バカ!降りてくるな!止まれ!」
ポッキリと折れたスロープから、次々に兵士たちが海面へと落下した。
街は混乱を極め、エレナ達は桟橋の上で兵士たちを食い止めていた。
「ほれ、頭の固い行政府のジジイ共に話を通してグリドールに喧嘩を売ったんじゃ、折角だから派手に行こうではないか」
隣に立ったニンムスが、私に向かって笑みを浮かべる。
その顔には、グリドールの派兵に渋々従っていた事から、解放されたという心情が読み取れた。
私は、ニンムスの決断に覚悟を決める。
セラ様の願いに応えてくれたのだ。
だから、私もそれに全力で応えたい。
魔素を体内の中に取り込み、練り上げる。
レベルの譲渡、体力の譲渡。
今までの経験とスキルの『最適化』によって、トナミカを守る冒険者達をどのように強化するか、『略奪者』ではできない、バフの最適化を組み上げる。
『譲渡士』の状態になった今、周囲のトナミカ側の冒険者や兵士たちの魔素の波長を感じることができるようになっていた。
私は、それらの波長を頼りにバフをかけるプランを組み上げる。
旋律の様に組み上げられた術式が、私を中心に光の音階となって浮かび上がった。
私は、その光る譜面に指を走らせる。
軽やかな音と共に光は空へと舞うと、一人の兵士に向かって飛び込んだ。
光を受け取った兵は、一回りも大きなグリドールの兵士に押されていたが、次の瞬間攻撃をいなすように躱すと、側面から一撃を与えると相手の兵士を海面へと叩き落としてしまった。
「よし」
この強化は、厳密に言えばバフではなく、最適化された私の能力の譲渡だ。しかし、その効果が如実に出たことに私は自信を持つことができた。
私は小さく頷くと、譜面へと指を走らせる。
「『女神の調律』」
私は、トナミカを守る人々に向かって音を届けるべく、指を走らせた。
海面に浮かんだジェイクは、水夫達によって引き上げられた。
意識を取り戻したジェイクは、周囲を見回すと毒づいたが、私が引っ叩いた左頬はパンパンに腫れ上がっており、その姿を見ていた周囲の野次馬達からは失笑が漏れた。
ジェイクは、駆けつけたニンムスの指示によって後ろ手を縛られると、武器を取り上げられていた。
グラハムからの反論を一蹴したニンムスは、地面に座らされているジェイクの前に仁王立ちとなった。
「こんな、田舎町のギルドマスター風情が!人族の希望である『勇者』を縛り上げるなど、愚かの極みだ!」
ジェイクは怒りに任せて身体をよじった。
「おぅおぅ、威勢はいいもんじゃな。ま、手に嵌めておるのは、ワシ特性の魔力を吸う手枷じゃ。犯罪者には丁度よかろうて」
ニンムスは、私の方に振り向くと軽くウインクすると口元に笑みを作った。
──さすが、エルフ。私の本質がユズキであることを見抜いているみたいだ。
しかし、分かっていながらコンタクトを取ってこないということは、ニンムスなりの考えがあってのことだろう。
私は、ニンムスの様子を見守ることにした。
「誰が犯罪者だ!『勇者』を失うことは、人族にとって大きな損失だぞ!?貴様、まさか魔族と繋がっているんだな?世俗に塗れたエルフなんて、亜人族と同じ蛮族ではないか」
──うーん、ローガン。これは、ちょっと救いようがないのでは。
盲目的な狂言を繰り返すジェイクに、私は内心匙を投げたかった。
「⋯⋯はて、『勇者』という者であれば、もう少し民草の言葉を聞きそうなものじゃが?これではまるで狂人じゃ。少し前までは、悪い噂も聞こえてこんかったのにのぉ──ま、言うて今回の騒動としては、入港の規則を破ろうとしただけでなく、トナミカに入国を許されている魔族に対する、明らかな敵対行動。及び、こちらの職員に対する殺意を伴った攻撃は、立派な犯罪じゃ。よって、その身柄は我々が拘束させてもらうものとする」
「ま、待て!我々の落ち度があったことは認める!だが、ジェイク様を犯罪者として捉えるということこそ、明らかな帝国に対しての敵対行為とみなされるぞ!」
グラハムが顔に怒りを露わにしながら、小柄なニンムスに詰め寄る。
身長差のためか、まるで大人が子供に威圧的に接しているようにしか見えない。
ニンムスは、グラハムに対して冷ややかな視線を送ると、懐から一枚の書類を取り出した。
「ほれ、見てみぃ」
「チッ」
グラハムは舌打ちしながら、ニンムスの手から紙を受け取ると、その書面に眼を落とした。
「なっ、なっ!なんだこれは⋯⋯、トナミカ行政府は、──以上の理由から先のグリドール帝国との覚書を破棄するだと!!」
グラハムの手はワナワナと震え、怒り狂った彼はニンムスの足元に向かって紙を叩きつけた。
しかし、ニンムスは嫌な顔一つせず足元の書状を拾い上げると、埃を払ってまた懐へとしまった。
「ということじゃ、ジェイクとやらは然るべき手続きの後にグリドールに引き渡そう。お主らの船は荷物を積んだら早々と立ち去るがよい」
余裕すら見せる笑みを浮かべると、ニンムスは部下に指示をさせる。
指示を受けた数名の兵士が、ジェイクを立ち上がらせた。
「グラハム!何をしている、僕は勇者だぞ!早く僕を助けろ!!」
ジェイクの言葉に、グラハムは苦々しげに歯ぎしりをすると、サッと右手を上げた。
「イスカ!フーシェ!!」
私は、その行為を見逃さず直ぐ様二人の名前を呼んだ。
──ドムッ!!
地響きの様な音が、周囲を貫いた。
まさか、こんな至近距離で街に向かって砲撃するなんて!
「クッ!氷障壁!」
無詠唱で、氷の雪壁が街を覆う様に形成される。
次の瞬間、障壁と砲弾がぶつかると激しい衝撃音が響き渡った。
水魔法や風魔法では、この至近距離で障壁を作ったところで砲弾は障壁を抜けてくるだろう。
私は、物理攻撃を受け切ることから氷魔法を選択する。何しろ、入港した船の先端から町までは数十メートルもないのだ。目と鼻の先のような距離から放たれる砲弾は、かなりの威力を含んでいた。
ドムッ!ドムッ!!
船の前方から競り出す様に砲塔が覗くと、間髪を入れず砲弾が波状攻撃の様に降り注いだ。
バキンッ!ギンッ!
氷の障壁は持ちこたえているが、熱量を持った砲弾によって、少しずつ障壁が剥がれ落ちていく。
たちまちトナミカの市内は大混乱となり、野次馬で集まって来た人々は散り散りに逃げ始めた。
「トナミカの冒険者共!グリドールの蛮行を許すな!賞金は弾むぞ!街を守るのじゃ!!」
砲撃音に負けぬ甲高いニンムスの声が響いた。
「ウオオオツ!!」
「グリドールの奴らを叩き出せ!!」
集まっていた人混みの中から、エレナを中心に冒険者達が隊列を組む。
砲撃と共に後ろに下がったグラハムと同時に、船の中からは完全武装の兵士たちが雪崩込む様に桟橋へと駆け降りてきた。
次の瞬間、今度は船の甲板から何本もの氷のスロープが形成されると、そこを足場に屈強な兵士たちが滑り降りてきた。
「敵の魔法使いだ!第5、第6桟橋にも降りてくるぞ!分散して迎撃!」
エレナが叫ぶ。
──キュインッ!
涼やかな音を立てて、イスカの『魔法矢』が私達の頭上を飛来する。
ホーミング性能を持った魔力の矢は、ロックオンした船の砲台に向かって飛来する。
──バギンッ!
陸地を向いていた砲台が次々に破壊された。
しかし次の瞬間、コーンと、教会の鐘の音の様な音が周囲に響き渡ると、突如船の全面に魔法障壁が展開し、イスカの『魔法矢』は、障壁によって弾かれてしまった。
「ん。」
今度はフーシェが身を翻して跳躍すると、兵士を運ぶ氷のスロープを支える氷柱を双剣『アースブレイカー』で切り刻んだ。
魔素を込められた『アースブレイカー』は、喜ぶ様に刀身を赤く染めると、いともたやすく氷柱を破壊した。
「わあっ!」
「バカ!降りてくるな!止まれ!」
ポッキリと折れたスロープから、次々に兵士たちが海面へと落下した。
街は混乱を極め、エレナ達は桟橋の上で兵士たちを食い止めていた。
「ほれ、頭の固い行政府のジジイ共に話を通してグリドールに喧嘩を売ったんじゃ、折角だから派手に行こうではないか」
隣に立ったニンムスが、私に向かって笑みを浮かべる。
その顔には、グリドールの派兵に渋々従っていた事から、解放されたという心情が読み取れた。
私は、ニンムスの決断に覚悟を決める。
セラ様の願いに応えてくれたのだ。
だから、私もそれに全力で応えたい。
魔素を体内の中に取り込み、練り上げる。
レベルの譲渡、体力の譲渡。
今までの経験とスキルの『最適化』によって、トナミカを守る冒険者達をどのように強化するか、『略奪者』ではできない、バフの最適化を組み上げる。
『譲渡士』の状態になった今、周囲のトナミカ側の冒険者や兵士たちの魔素の波長を感じることができるようになっていた。
私は、それらの波長を頼りにバフをかけるプランを組み上げる。
旋律の様に組み上げられた術式が、私を中心に光の音階となって浮かび上がった。
私は、その光る譜面に指を走らせる。
軽やかな音と共に光は空へと舞うと、一人の兵士に向かって飛び込んだ。
光を受け取った兵は、一回りも大きなグリドールの兵士に押されていたが、次の瞬間攻撃をいなすように躱すと、側面から一撃を与えると相手の兵士を海面へと叩き落としてしまった。
「よし」
この強化は、厳密に言えばバフではなく、最適化された私の能力の譲渡だ。しかし、その効果が如実に出たことに私は自信を持つことができた。
私は小さく頷くと、譜面へと指を走らせる。
「『女神の調律』」
私は、トナミカを守る人々に向かって音を届けるべく、指を走らせた。
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