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第4章 魔導都市レーヴァテイン
ミッションは一人ぼっちのようです
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「え?ほんとに私一人で行くの⋯⋯」
なんとなーく嫌な予感はしていた。
理由は分かっている。
そして、それが必要なことであることも理解していたのだが⋯⋯
「本当はユズキ一人に行かせたくはないけど。私達はドルトンに顔が割れてしまってるから──」
ハァ。
やっぱりそうなるのね。
リズの説明を聞いて私は深いため息をついた。
レーヴァテインの宿屋で一晩明かした私達は、ゴフルの館に潜入するべく準備をしていた。
ただ昨晩宿屋で話し合われた作戦は、当初の予定とは大きく異なってしまっていた。
「ドルトンクラスになると、私のかけている認識阻害魔法は、見た目は騙せても近くだと魔力の残滓から見破られる可能性が高いわ」
当初はローガンを除いた皆でゴフルの館へ行く予定だった。
しかし、ゴフルの館からレーヴァテイン城内に入る時に、容姿を変える魔法をかけられているメンバーは、ドルトンにバレてしまう可能性が高いという理由から、計画の変更が余儀なくされた。
私はイスカによって、服装のチェックをされるがままにぼやいた。
流石にドレスともなると着こなしが難しい。
「その点、確かに私は顔を誰にも見られていないけどさぁ⋯⋯」
ドルトンにも勇者パーティーにも顔を見られていないのは、私とイスカとローガンの3人。
しかし、認識阻害魔法をかけなければローガンは人族だとバレるし、イスカもエルフクォーターだということは一目で分かってしまう。
「でも、私だって見た目人族だよ」
クルリとターンをしてみる。
イスカが服を整えてくれたお陰で、華やかな水色のドレスの着心地は悪くない。
正面の鏡の中で、青い髪の少女が軽やかに回る。
まぁ、私なんだけど。
「その髪色は、氷魔法を得意とする氷人族に似ているわ。その他の見た目は人族と似ているから怪しまれないはずよ」
リズの説明に私はガックリと肩を落とす。
つまりは、私しか適任はいないということだ。
「よし、これで大丈夫ですよ」
イスカが背中側につけられたリボンの位置を整えて、一仕事をやり遂げたように額を拭った。
「ありがとう、イスカ」
「準備できましたかな?ユズキ殿」
扉がノックされる音がして、外からローガンが声をかける。
覚悟を決めるしかない。
私は軽く頬を叩くと気合いを入れた。
「ユズキ、レベルは?」
「1800は超えたけど、皆にもレベルは50ずつ分け与えてるよ。戻したら2000は超えるかな?」
セライの言葉通り、レベルの回復は加速している。
最早敵地のど真ん中であるため、私は仲間たちに今渡すことができる最大限のレベルを譲渡していた。
「それだけレベルがあると、ゴフルの催眠魔法も効かないわね」
さらりと恐ろしい言葉をリズが放つ。
「どういうこと?」
きっと私の嫌な予感は当たるだろう。
「ゴフルは女の子が自分に逆らわないように、催眠魔法をかけているのよ。でも、ユズキ程のレベルがあれば正気を保ったままでいられるわ」
それって、女の子を自分の思い通りにしたいだけでは。
女性の身体になっているためか、生理的な嫌悪感が背筋をゾワゾワと駆け上った。
「だけど、明らかにかかっていないと怪しまれるから、少しはかかったふりをしながら、なおかつ貞操も守らなきゃいけないってことだよね?」
なんて繊細なミッションなのか。
いきなり難易度が跳ね上がった気がしてしまった気がした。
「ふふ、流石に私だってそんな面倒なことはさせられないわ。フォローするわよ」
そう言うと、リズは任せなさいといったふうに私にウインクをした。
せっかくのリズの励ましも、これから出会うであろうゴフルのことを考えると、私の気持ちは一向に紛れることはなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「さて着きましたぞ」
ローガンの言葉に、私は馬車の中から外の様子を伺う。
馬車はスピードを落とし、ゆっくりと停車した。
「止まれ。何用だ?」
館に近付いたためか、立派な門の左右に立つ衛兵の一人が近付いてきた。
見た目は黒豹のような顔立ちの衛兵は、ローガンに対して手にしていた槍を油断なく構える。
「おはようございます。私は、ロームという商売人でございます。この度は、ゴフル卿に是非献上したい至高の女性を連れて来ましたので、何卒お目通りをしたい次第でございます」
衛兵とローガンがやり取りをしている中、私はリズの言っていた言葉を思い出していた。
ゴフルは、守ってあげたくなるような儚い雰囲気を持つ女性が好き。
しかし、その女性を自分好みに変えたいという屈折した欲望を持っている。そして、催眠療法で女性を自分の虜にさせると、外出の際に侍らすことで周囲に自慢することを趣味としている。
「ほんと、いい趣味だこと」
私は呆れるように呟いた。
だが、これがゴフル卿に近付いた一番の理由だ。
ゴフルなら、レーヴァテイン城内に入る時に女性を侍らせる。それは、リズも見てきたことだから間違いない。
その座を射止めることで、私が城内に潜入して内部からリズの作った結界を破壊するのだ。
「中身を確認しても?」
衛兵の言葉が聞こえてくる。
私は少し俯くと、馬車の幌がめくられるのを待つ。
バサッという音と共に幌がめくられた。
私はなるべくしおらしく見えるように、小首を傾げるとなるべく自然な笑顔を衛兵に向けた。
「──む、むむっ。確かにゴフル様の好みを突いておる!しかも、かなりの上玉ではないか!」
実際は中身25の男性と考えれば、素直に嬉しいとは思えないが。とりあえず、ゴフルの嗜好に合致したのなら、中に入ることは可能だろう。
ただ、ゴフルの見た目が醜悪とリズから聞かされている私にとっては、恐怖の度合いが更に高まっただけなのだが。
本当に貞操は守りたい。
ほんと頼むからね、リズ。
私は胸元に隠した、リズから託されたお守りに服の上から触れると、一人心の中で呟いた。
「通れ」
衛兵の言葉に馬車が動き出す。
ゆっくりと、衛兵の手によって分厚い扉が左右に割れるように開いた。
その奥に見えるのは、退廃した街とは対象的に豪華絢爛な館だ。
間違いなく、このような館に住んでいる当主は性格が悪い。
直感的に、これから待ち受ける試練に身震いをしながら、私は門をくぐった。
馬車を降りると、案内された館の正面玄関が使用人達によって開かれる。
「うわ、綺麗」
私は、館の中を歩く使用人達の美貌に軽く衝撃を受けた。
スラリとした手足、整った風貌。
様々な種族の女性達が、皆精気のない表情で働いている。
これが、リズの話していたゴフルの催眠魔法?
まるでゾンビの様に働く女性達に、私は血の気が引いた。
「しっかりですぞ」
ローガンの言葉に、私はグッと力を込める。
「貴方様がローム殿ですかな?」
声のした方向を見ると、青白い顔の執事が恭しく頭を下げると私達へと挨拶をした。
「えぇ、その通りでございます」
ロームも堂に入った礼を返す。
執事は頭を上げると、その切れ長の視線を鋭く光らせた。
「ふむ、確かに衛兵の言葉に偽りのない美貌。この度は、このような女性を如何にして我が主に献上されるお心積もりで」
まるで真意を見透かすような執事の視線に、ローガンは一分の隙を見せることがない。
「勿論、商談でございますよ。私の様な新参がゴフル卿とお目通りになるには、相応に相応しい手土産がなければありますまい」
そう言うと、ローガンはニヤリと笑った。
「ふむ、その顔。なかなかに遣り手の商人とお見受けする。──ですが、我が主はなかなかに強者でございます。商談は、またこれとは別の話。ローム殿のご健闘をお祈り申し上げます。──では、こちらでお待ち下さい」
軽やかな手付きで、執事が豪華な扉へと私達を誘う。
ゆっくりと開かれる金細工で装飾された重々しい扉。
それは私にとって、まるで獲物を前に大きく口を開けた、獣の口の様に見えるのだった。
なんとなーく嫌な予感はしていた。
理由は分かっている。
そして、それが必要なことであることも理解していたのだが⋯⋯
「本当はユズキ一人に行かせたくはないけど。私達はドルトンに顔が割れてしまってるから──」
ハァ。
やっぱりそうなるのね。
リズの説明を聞いて私は深いため息をついた。
レーヴァテインの宿屋で一晩明かした私達は、ゴフルの館に潜入するべく準備をしていた。
ただ昨晩宿屋で話し合われた作戦は、当初の予定とは大きく異なってしまっていた。
「ドルトンクラスになると、私のかけている認識阻害魔法は、見た目は騙せても近くだと魔力の残滓から見破られる可能性が高いわ」
当初はローガンを除いた皆でゴフルの館へ行く予定だった。
しかし、ゴフルの館からレーヴァテイン城内に入る時に、容姿を変える魔法をかけられているメンバーは、ドルトンにバレてしまう可能性が高いという理由から、計画の変更が余儀なくされた。
私はイスカによって、服装のチェックをされるがままにぼやいた。
流石にドレスともなると着こなしが難しい。
「その点、確かに私は顔を誰にも見られていないけどさぁ⋯⋯」
ドルトンにも勇者パーティーにも顔を見られていないのは、私とイスカとローガンの3人。
しかし、認識阻害魔法をかけなければローガンは人族だとバレるし、イスカもエルフクォーターだということは一目で分かってしまう。
「でも、私だって見た目人族だよ」
クルリとターンをしてみる。
イスカが服を整えてくれたお陰で、華やかな水色のドレスの着心地は悪くない。
正面の鏡の中で、青い髪の少女が軽やかに回る。
まぁ、私なんだけど。
「その髪色は、氷魔法を得意とする氷人族に似ているわ。その他の見た目は人族と似ているから怪しまれないはずよ」
リズの説明に私はガックリと肩を落とす。
つまりは、私しか適任はいないということだ。
「よし、これで大丈夫ですよ」
イスカが背中側につけられたリボンの位置を整えて、一仕事をやり遂げたように額を拭った。
「ありがとう、イスカ」
「準備できましたかな?ユズキ殿」
扉がノックされる音がして、外からローガンが声をかける。
覚悟を決めるしかない。
私は軽く頬を叩くと気合いを入れた。
「ユズキ、レベルは?」
「1800は超えたけど、皆にもレベルは50ずつ分け与えてるよ。戻したら2000は超えるかな?」
セライの言葉通り、レベルの回復は加速している。
最早敵地のど真ん中であるため、私は仲間たちに今渡すことができる最大限のレベルを譲渡していた。
「それだけレベルがあると、ゴフルの催眠魔法も効かないわね」
さらりと恐ろしい言葉をリズが放つ。
「どういうこと?」
きっと私の嫌な予感は当たるだろう。
「ゴフルは女の子が自分に逆らわないように、催眠魔法をかけているのよ。でも、ユズキ程のレベルがあれば正気を保ったままでいられるわ」
それって、女の子を自分の思い通りにしたいだけでは。
女性の身体になっているためか、生理的な嫌悪感が背筋をゾワゾワと駆け上った。
「だけど、明らかにかかっていないと怪しまれるから、少しはかかったふりをしながら、なおかつ貞操も守らなきゃいけないってことだよね?」
なんて繊細なミッションなのか。
いきなり難易度が跳ね上がった気がしてしまった気がした。
「ふふ、流石に私だってそんな面倒なことはさせられないわ。フォローするわよ」
そう言うと、リズは任せなさいといったふうに私にウインクをした。
せっかくのリズの励ましも、これから出会うであろうゴフルのことを考えると、私の気持ちは一向に紛れることはなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「さて着きましたぞ」
ローガンの言葉に、私は馬車の中から外の様子を伺う。
馬車はスピードを落とし、ゆっくりと停車した。
「止まれ。何用だ?」
館に近付いたためか、立派な門の左右に立つ衛兵の一人が近付いてきた。
見た目は黒豹のような顔立ちの衛兵は、ローガンに対して手にしていた槍を油断なく構える。
「おはようございます。私は、ロームという商売人でございます。この度は、ゴフル卿に是非献上したい至高の女性を連れて来ましたので、何卒お目通りをしたい次第でございます」
衛兵とローガンがやり取りをしている中、私はリズの言っていた言葉を思い出していた。
ゴフルは、守ってあげたくなるような儚い雰囲気を持つ女性が好き。
しかし、その女性を自分好みに変えたいという屈折した欲望を持っている。そして、催眠療法で女性を自分の虜にさせると、外出の際に侍らすことで周囲に自慢することを趣味としている。
「ほんと、いい趣味だこと」
私は呆れるように呟いた。
だが、これがゴフル卿に近付いた一番の理由だ。
ゴフルなら、レーヴァテイン城内に入る時に女性を侍らせる。それは、リズも見てきたことだから間違いない。
その座を射止めることで、私が城内に潜入して内部からリズの作った結界を破壊するのだ。
「中身を確認しても?」
衛兵の言葉が聞こえてくる。
私は少し俯くと、馬車の幌がめくられるのを待つ。
バサッという音と共に幌がめくられた。
私はなるべくしおらしく見えるように、小首を傾げるとなるべく自然な笑顔を衛兵に向けた。
「──む、むむっ。確かにゴフル様の好みを突いておる!しかも、かなりの上玉ではないか!」
実際は中身25の男性と考えれば、素直に嬉しいとは思えないが。とりあえず、ゴフルの嗜好に合致したのなら、中に入ることは可能だろう。
ただ、ゴフルの見た目が醜悪とリズから聞かされている私にとっては、恐怖の度合いが更に高まっただけなのだが。
本当に貞操は守りたい。
ほんと頼むからね、リズ。
私は胸元に隠した、リズから託されたお守りに服の上から触れると、一人心の中で呟いた。
「通れ」
衛兵の言葉に馬車が動き出す。
ゆっくりと、衛兵の手によって分厚い扉が左右に割れるように開いた。
その奥に見えるのは、退廃した街とは対象的に豪華絢爛な館だ。
間違いなく、このような館に住んでいる当主は性格が悪い。
直感的に、これから待ち受ける試練に身震いをしながら、私は門をくぐった。
馬車を降りると、案内された館の正面玄関が使用人達によって開かれる。
「うわ、綺麗」
私は、館の中を歩く使用人達の美貌に軽く衝撃を受けた。
スラリとした手足、整った風貌。
様々な種族の女性達が、皆精気のない表情で働いている。
これが、リズの話していたゴフルの催眠魔法?
まるでゾンビの様に働く女性達に、私は血の気が引いた。
「しっかりですぞ」
ローガンの言葉に、私はグッと力を込める。
「貴方様がローム殿ですかな?」
声のした方向を見ると、青白い顔の執事が恭しく頭を下げると私達へと挨拶をした。
「えぇ、その通りでございます」
ロームも堂に入った礼を返す。
執事は頭を上げると、その切れ長の視線を鋭く光らせた。
「ふむ、確かに衛兵の言葉に偽りのない美貌。この度は、このような女性を如何にして我が主に献上されるお心積もりで」
まるで真意を見透かすような執事の視線に、ローガンは一分の隙を見せることがない。
「勿論、商談でございますよ。私の様な新参がゴフル卿とお目通りになるには、相応に相応しい手土産がなければありますまい」
そう言うと、ローガンはニヤリと笑った。
「ふむ、その顔。なかなかに遣り手の商人とお見受けする。──ですが、我が主はなかなかに強者でございます。商談は、またこれとは別の話。ローム殿のご健闘をお祈り申し上げます。──では、こちらでお待ち下さい」
軽やかな手付きで、執事が豪華な扉へと私達を誘う。
ゆっくりと開かれる金細工で装飾された重々しい扉。
それは私にとって、まるで獲物を前に大きく口を開けた、獣の口の様に見えるのだった。
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