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合神!超思重合想!!

ギ バ ド

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 海中の異変から一目散に離脱するアンバーニオン達。
 しかし彼らを猛追して来た濁流の螺旋はアンバーニオンの片足を捉え、その場に容赦無く引き留める。

「「うわっ!!」」

 急停止の衝撃で、抱えていた二体の龍神巫女を離してしまうアンバーニオン。
 そしてそのまま引き吊り去られようとしたその刹那、宇留達は咄嗟の判断を下す。

「···丘越さん!アラワルくんと一緒に離脱してヌシサマ達を!!」
「宇留!?」
「今のヌシサマがた適正化デトックス出来るのはあなただけ!ここはウリュとボクで時間を稼ぐ!」
「ダイジョブです!俺達とアンバーニオンを信じて下さい!!」
「二人とも···く···!」

 慈神の肩書きが名折れに軋む。
 丘越 バジーク 折子アライズは二者択一の懸念に苛まれながらも予感していた。
 目覚めた者は、相手の勇壮を汲んでくれる事すら無い存在かも知れないと···。

〔アンバーニオンッ!!!〕
 NOI Zはアンバーニオンを案じつつも空かさず三体に分裂し、龍神達を抱え直す。一体辺りの体積は減ったが、問題無く龍神達を担ぐ事が出来ているようだ。
 その時、遠ざかるアンバーニオンの輝きが明滅したかと思うと、その光の中から射出された琥珀のロケットがNOI Z達に目掛けて飛んで来た。
「!!」
 琥珀のロケットが三体のNOI Zの中心を突っ切る。
 すると追随した海水の渦は瞬く間に三体を絡め取り、本来の撤退方向へと向かって高速で直進する。
〔と!土地神バジークアライズ殿!?アンバーニオンが!!〕
 NOI Zの一体を直接操るアラワルが叫んだ。琥珀のロケットは毛細程の琥珀の鎖を無数に構築し、NOI Z達と龍神達を優しくホールドしているらしい。

〔急いで!兎に角今は···彼らを、信じましょう···?〕

〔!?、信じる?···信じると言っても···!?〕

 現はもちろん、宇留アンバーニオンを信じたかった。
 だが、あの濁流の中から感じる途方も無い覇気のようなものが、どうしてもその信頼を裏打ちする事を許さないのであった。





 ドゥゴォォォンン!!!!

 引き吊られていたアンバーニオンは、突如消失した渦から投げ出され、海底に墜落した。
 一瞬の沈黙の後、一本残った琥珀柱をトマホークの形に変えて手に取り、立ち上がったアンバーニオンが怒りに任せて咆哮する。
 恩神おんじんを心配させた者の事を、宇留とヒメナ、そしてアンバーニオンも許せなかったからだ。

 ガゥオオオオオオオオオオオオッ!


       ォォォ·····

 声の反響による索敵。
 操玉コックピットのサブディスプレイに様々な情報が表示されては宇留達の認識に定着してゆく。
「···壁?に囲まれてる。捕まえにきた相手の身長おおきさは200メートル前後?、この感じ、てっきりおっちゃんクラスの凄い敵だと思ったけど?」
「体の大きさは強さのイコールじゃない。気をつけてウリュ?この気迫···!」
「うん、そぅだね?」

 宇留とヒメナは、ディスプレイに姿を示し始めた敵の姿を睨む。
 折子がギバドと呼んだ存在。遠くでアンバーニオンを睨み返す二つの目。先程聞こえた雄叫びから察するに生命体、怪獣のようである。
 怪獣はアンバーニオンを取り囲む壁を背に、ただ沈黙を貫いている。
 
 !

 ヒメナが持つ御守りが震える。
 そしてエネルギー反応。
 反応は壁から激しく溢れている。

「!飛んで!ウリュ!」
「!」
 ヒメナは気付いた。周囲を取り囲む壁は全て、ギバドの羽根が変化したものだった。そしてアンバーニオンの回避は間に合わない。

 ッッッズドンッ!!!!


「ガッ!!」
 
 ギバド·サークルプレッシャー

 獲物を円周状にした羽根で取り囲み、その中心に向かって本来飛行に使用する為の斥力波動を集中させて押し潰す技。
 たったこの一撃だけで、アンバーニオンの琥珀の外骨格よろいに多くのヒビが入った。
「むがぁあ!!」

 ッッッッズドンッ!!!
 ッッッッズドドンッ!!!

 宇留は苦痛の中にあっても、宝甲の再結合を急ぐ。しかし何度も暴力的に打ち寄せる猛斥力の波の前には、イタチごっこを繰り返すばかり。全方位に逃れる隙も無い。そんな状況にありながら、宇留アンバーニオンは琥珀の斧のエッジに、水光の跳イウコウス オン エンハを発振させ始めた。






           ッッッッズドンッ!!!!

〔!、土地神殿?アレは一体?〕
 背中で戦闘の音を捉えつつ、現は海中を進む琥珀のロケット、折子に訊ねた。
〔···私でも知っている情報は限られている。かつて、星々を厄介払いされ続け、その度に復活と封印を繰り返したという神世以前の伝説の存在、ソートランサーの一体···〕
思想ソー換者トランサー?〕
〔その無限の羽根は想像力通りに世界を覆い尽くし、やがてオモイの帝王の領域へと飛び去る翼の王、ギバド···!〕
〔···ギバド···!?〕




 サガミの谷の封印解放。

 その頃、ユーラティスのブリッジにも動揺が広がっていた。撃苦うつくしくも緊迫感のある警報が響く中、専用の巨大な艦長席に座ったゴライゴ艦長が競り上がって来るや否や、ハグスファンが報告を開始する。
「艦長!国防隊も日本の政府も大騒ぎです!」
「うぉんのレイ!誰じゃ?エグジガンかぁ?!あの祠壊したんわ!?また会議が延期しのびたじゃろうが!?」
「現地に急行していたナベコノヌシサマ方をNOI Zが救出!撤退中!」
「アンバーニオンはどうじゃ?」
「現地に残り、何者かと交戦中との事です!」
「!!!、いかんぞぉ!!急げ皆の衆!全機発進準備!アンバーニオンのバックアップに宝甲散布ミサイルをマッハで届けい!!」




「今だ!!!」
 連続サークルプレッシャーの隙間を縫い、尚且つ再結合する時間を犠牲にしたアンバーニオンは、琥珀の斧に集中させた水光の跳イウコウス オン エンハを振りかぶって飛ばした。

「ウ! ゴータァァッ!!」
「!!」
 ブーメラン状になって飛ぶ水の刃は瞬時にギバドの左羽根根元に届き、超高圧の嵐が止む。
「、!っっと!止まったッ!!こ、こんな所でこんな技!上で大波でも起きたらどうす···うわっ!!」

 ズドッッッ!!!

 アンバーニオンはギバドの片羽根の先端に背中を押された。斥力波動も手伝い、簡単にギバドの目の前まで運ばれたアンバーニオンは、既に頭角を掴まれてしまっていた。













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