神樹のアンバーニオン (3) 絢爛! 思いの丈!

芋多可 石行

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発(掘)進(行)!超琥珀神艦!

瞬 く 間

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 ギミィン!ヴジィィィィィィィィンッッッッ!!!

 アンバーニオンは両手をかざし、周囲を取り囲む巨大な琥珀の腕型マシン、コハクジュウケン部隊と共に掌から雷撃レイを全開で放出する。
 すさぶ神が厳しくガナリ立てるかのようにスパークを掻き鳴らし、熾烈に炸裂する電撃のシャワー。
 ユーラティスの天獣像フィギュアヘッド広場に明滅が籠り、否が応にもブリッジに緊迫感を主張する。
 白無貌のっぺらぼうは一見、凄まじい雷撃に身体を削られるかのようにその体積を減らしている。
 だがその様子からは、ダメージを与えているという手応えを感じ取れない。損なって当然とでも主張するかのような白無貌のっぺらぼうの棒立ち。宇留と同じくコハクジュウケン達も焦ったのか、アンバーニオン共々雷撃レイの放出量を増やした。

「ウリュ!ガルンからの敵性対策マニュアルを着想ちゃくしん。解説は後回し!緊急実行するよ!?」
「うん!よろしくっ!」
 ガルンから届いた関心流出保護場エモプロテクション強化推奨に関する想文。ヒメナがアンバーニオンにアクセスする為に若干威力が落ちた雷撃レイのタイミングに合わせ、コハクジュウケン部隊の雷撃集中砲火も一度治まる。

 ギョバッッ!!

 白い枯れ枝に見えるまで削られた白無貌のっぺらぼうを、後ろから抱きしめるように再生した新しい身体が覆い囲む。

 !!

 クルゾ? コワクカンジルダケノ シュウハスウヲ オウヨウシタ タダノ エンシュツダ キニスルナ セッカク ニンゲンレベルニ ウマレタンダカラ タダシクマナンデ タダシク オソレナイトナ?

 想文?誰?
 
 宇留に届いた差出人不明の想文。
 だが宇留には覚えのある、やけにモラモラした雰囲気。

 マネージャー?

 人生を一時停止したかのような想文の閲覧状態が明けると、その想文は予言となって宇留の意識を支える事になった。

「ンンンンンンンッッッッ!!」
 口の無い無言。声という音が白無貌のっぺらぼうの頭部を小刻みにシェイクする。

「!」
 一瞬たじろぐ宇留だったが、ネタばらしを知っているといないのでは天と地ほど動揺に違いがある。その中身はシンプルな威嚇でしかない。
 アンバーニオンに向かって歩み出そうとする白無貌のっぺらぼうにコハクジュウケンの一機が突進する。
 掌を極限まで広げ、鷲掴みにしようとした瞬間発動するお家芸。瞬間移動。
 白無貌のっぺらぼうは時間という名のフィルムをトリミングしたのでは?と思わせる動きでそのコハクジュウケンの背後に現れ、悠然と無視を決め込み歩を進める。次の鷲掴み、次のパンチ、次の手刀、彼らのアプローチをことごとく躱して進む白無貌のっぺらぼう
 その光景を、アンバーニオンが只黙って顎を引いて睨み付けているのは、あえて次の一手の為に気を引いていたからである。

 ヴぁッ!!

 ズダァアアア──────ン!

 
 吹き飛ぶ白無貌のっぺらぼうの左半身、遅れて響く銃声。白無貌のっぺらぼうの頭が「?」と周囲を見渡すのも許さず、今度は残った上半身全てが吹き飛ぶと同時に白無貌のっぺらぼうは何処かに姿を消した。


 ユーラティスから遠く離れた空中に立ち、構えた電磁狙撃銃イガトゥアーガをスチャと下ろすガルンシュタエン ティアザ。琥珀の銃身が太陽光を照り返し、宇留達に合図が届く。


〔気を付けろ宇留!あのヤロウ、まだ何処かに潜んでるぞ?!〕
〔ゼレクトロン?藍罠ヨキトさん!〕
 続けてアンバーニオンの傍らにギョインと着艦するゼレクトロン。心なしか、ユーラティスが微妙に揺れた気がする。

〔そうだな?アイツぁヤバいぜ?〕
 今度はいつの間にか背後に立っていたロウズレオウが、アンバーニオンの左肩にポンと手を沿える。

〔やれやれ···もうちょいと、サボりたいけど···〕
アラワルくんNOI Z!!。よかった!!起きないからどうしようかと!〕
〔フ!〕
 何事か愚痴りながら、シャキシャキと通常形態に再構築していくNOI Z。
 そして彼らの背後に背中合わせで着艦するガルンシュタエン ティアザ。
 コハクジュウケン達もそれにならい、フォーメーションを変えて琥珀の巨神達の周囲を取り囲む。

〔みんな、もう分かってると思うが?〕
 全機が白無貌のっぺらぼうを探す中、ロウズレオウの共上がレクチャーを始めた。



「あのノッペラボーは必ず必滅する。これはエグジガン打倒の演習と思え!!」









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