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発(掘)進(行)!超琥珀神艦!
帯びてゆけ
しおりを挟む〔···どうですか?スフィさん?〕
〔気配消えた。逃げられたネ?〕
〔〔ええ!〕〕
フードの怪獣、もといロウズレオウプティットは、ショトベデヘムを押し潰したと思われていた巨大岩石に手を触れ、敵の気配はもう無い事を確認した。
既にアンバーニオン ジェット·ジャック·ジョイントは疑似黒宝甲の鎧を解除し、元の二機であるアンバーニオンとNOI Zに戻っている。
〔あのエビ頭ちゃん、怪獣みたいな体だった!あんなムキムキボディを隠していたなんて···!〕
〔シヅメ···!〕
〔え?〕
ショトベデヘムの印象を語る宇留を遮り、現が何者かの名前を呟く。そして宇留は、顎を引き拳を握るNOI Zのただならぬ雰囲気にハッとした。
〔···あのエビ遣い魔が出てきたという事は、ヤツが···シヅメが幽閉から解き放たれたという事か···!〕
〔アラワルくん···シヅメって?〕
〔アイツはヤバい···危険な雄なんだっ!〕
〔危険?〕
〔そうだ···理由は後で話す。今は琥珀神艦が息を吹き返したハレの日だ。縁起でもない···〕
〔そんなにヤバいの?〕
〔そんな事より!今のヤツを操ってたの誰だったと思ってルの?〕
「「?」」
ロウズレオウプティットは手首から捻った両手の甲を腰に当て、エッヘンのポーズで胸を張り二機に問う。
フードの中から見上げる肉食獣仮面の目線はアンバーニオンの頭よりも低い。どうやって縮小したのか?宇留としては、この女の子体型の機体が、あの巨大なロウズレオウと同機体だとはとても思えなかった。
〔皇帝よ!〕
〔うぇえ!!!〕
〔な!主が操っていたんじゃないのか!?〕
〔直接話したもん!なんか好きみたいヨ?現場〕
それは宇留にも覚えがあった。
ガルンシュタエンと戦ったあの日。
現の怪獣体であるリゲルナイドを操って宇留達の前に立ちはだかったあの時。そしてショトベデヘムのあの眼差し、あの覇気。言われてみれば正直に確信が持てる。
〔そう言えば!以前もそうだったね?アラワルくんの怪獣の体が操つられてたんだっけ?〕
「!」
「?」
明らかにNOI Zが動揺する動きを見せた。宇留は何か禁句にでも触れてしまったのかと、同じく動揺する。
···フェルメプンはあの時、俺の監視とかの機械を分解してくれたと言ったな?なんだこの違和感は?マスターである俺と巨獣体のリンクを担っていた従来の疑似黒宝甲の正体とは一体?
〔アラワルくん?〕
〔···い、いやなんでもない、こっちの事だ〕
「?」
〔それより急ぐぞ!須舞 宇留!よりによって、帝国のトップにここを知られてしまった!こうなれば、ゴライゴ様はもう琥珀神艦を動かすかも知れない!〕
〔え!もう!〕
〔戻るぞ!戻りながら詳細を報告だ!〕
〔うん!···あ!ロウズレオウは···?〕
〔気にしなくてイイヨ!勝手に脱出させてもらうから!サァ!急いで!〕
〔は、はい!共上さんに宜しく!〕
〔同じく!〕
アンバーニオンとNOI Zは、名残惜しそうに元来た道に向かって走り出した。それを見送るロウズレオウプティットは、手を振りながら彼らを激励する、
〔ガンヴァレよ~?名コンビぃ!〕
〔〔コンビじゃないです!!〕〕おっと!···時に須舞 宇留、ウチの博士から提案があったんだ〕
〔?、なんですの?······〕
宇留と現の否定がハモる。相変わらず、言葉とは逆に息はピッタリである。
「フフ、琥珀の静電気よろしく、反発したり引き寄せたり···これから先、色んなものと出会って別れて大きくなりなさいヨ?」
スフィの台詞と共にロウズレオウプティットが指先で印を組むと、機体は突風と共に跡形も無く消えて無くなった。
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