神樹のアンバーニオン (3) 絢爛! 思いの丈!

芋多可 石行

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発(掘)進(行)!超琥珀神艦!

滾る神友

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(ウリュ!)

〔ウルちゃん!聞こえる?〕

 ヒメナからの想文と、コティアーシュからの通信は、ほぼ同時に宇留の元に届く。恐らく今は一緒に居るのだろう。現状を案じていた二人の元気そうな声。宇留の心根で軋んでいた憂鬱の欠片は、瞬く間に溶けて消えていった。

「(ヒメナ!)コティアーシュ!」
〔ウルちゃん!このフネの事がわかるって?〕

 コティアーシュは積もる話もそこそこに、宇留へと解答を促す。

〔ええと···コティアーシュ、おっちゃん、アラワルくん···考え方だけは簡単だよ。このふねも琥珀の巨神。宝甲で出来てる。でも宝甲で出来たエンジンはここには無い。···って事は、宝甲の中に直接ちっちゃいエンジンを載せて繋がってるんじゃないかな?って感じるんだ、···例えるなら、全身の宝甲全部がヒモロギング ドライヴ付きのアンバーニオンみたいなのなんじゃないかなって思って···ヒメナは、どう思う?!〕

 メディカルルームのレミレタとバコナは、スタンドに立て掛けられた疑似黒宝甲ジェッティオン製タブレット端末から聴こえて来た宇留の意見を聞き、お互いにハッとした表情で視線を交わした。レミレタの両手の中に収まっているロルトノクの琥珀アンバー内部のヒメナは、優しげな笑みを浮かべながら宇留の声に応える。
「そうだねウリュ!ボクも同じ意見。これだけの規模の艦を動かすとなると、全部繋げるしか···!」


〔繋げる?!では!〕
 期待に満ちた声で一歩だけアンバーニオンに詰め寄るNOI Z。現もおおよその仕組みが予想出来るようだ。

〔アラワルくん!···琥珀神艦の宝甲内部にある、全てのエンジンを直結させる!···この艦全体そのものが船体であり、装甲であり、武器でありエンジンなんだ!〕

「おおぉ!」
 このやり取りを聞いていた関係者全てに、感嘆が蔓延する。その中には、情報統制ルームで作業していた環巣 束瀬の姿もあった。

〔なるほど···ならばこの黒い残骸は、かつて宝甲制御の力を用いずにこの艦を動かそうとした先達のわざの夢の跡という訳か······しかし須舞 宇留、どうやってこれ程の膨大な宝甲にアクセスして起動させるんだ?〕
〔それはまぁ···、アラワルくん!〕
 アンバーニオンはNOI Zの方へ振り返ると、グッとファイティングポーズを取って顎を引いた。
〔な、なんのつもりだ!〕
 驚きと強がりと切なさの混じった現の声。だが既にアンバーニオンの宝甲の中では闘志オーラが燃えていた。

〔それわねぇ?アラワルくん!思重合想シンクロスコラボイドとかいうコッずかしい事だよ!〕
〔まさか!!〕
〔決着まだだったよね?〕
〔あれはお前の、俺達の勝ちだっただろう!?〕

〔いいや違うよ?、アラワルくんが居なかったら俺···〕


 広いエンジンルームの隅。

 二人の対決を待ちわびるように、半透明な怪獣の子供達が姿を現した。











 


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