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Episode5
探る勇者
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ピオンスコはとうとう堪えきれないように立ち上がると纏っていたミラーコートごと服を脱ぎ捨て始めた。
「何してるの!?」
「アツイ…」
朦朧としながら一言呟き返す。
尋常ではない様子にオレ達はただ見守ることしかできなかった。やがてピオンスコはふらふらとした様子でベースを抜け出して徘徊し始めた。
「ピオンスコの奴、一体どうしたんだ?」
「わかんねえ。アイツの毒素と体質のせいで頭の中も覗けねえし」
そしてピオンスコはとうとう最悪な形で暴れ始めてしまった。自慢の尻尾を振り回しては息を荒げながら毒液をまき散らし始めたのである。
「ううううう!」
それでも理性的な部分がピオンスコの中には残っているのか、自分で自分の尻尾を掴み何かとか堪えようとしている様子も垣間見えた。しかし先端からはやはり止めどなく毒を出している。
ピオンスコの毒の威力はオレが知る中でも最強クラスだ。ある意味でルージュよりも頼りになることもある。だからこそそれを無作為に、そして制御しきれていない彼女に近づくことができない。
唯一できる事と言えば懸命に声を掛けるくらいしかない。それが何とももどかしかった。
「ピオンスコ、何でもいい! どうなっているのか教えてくれ!」
「分かんない! 何だか力が有り余って、毒がいつもよりいっぱいできちゃう。出さないとおかしくなりそう」
「力が有り余る…?」
どういう事だ? さっきの模擬戦での活躍がなかったから体力が残っているのか。いやそんな次元の話じゃない。それにルージュの攻撃を防ぎきっただけでも相当な気力を使っているはずだ。
オレがそう思った時、ルージュとアーコの二人が何かに気が付いたような声を出した。
「「あ!」」
オレとラスキャブとトスクルの視線が自然に二人に集まる。何がに気が付いたのかを問いただす前にルージュは叫んでいた。
「ピオンスコ! ベルトと一緒に短剣を捨てろ! そしてそこから距離を取れ!」
「うう」
どうにかこうにかガチャガチャと必死にベルトを外したピオンスコは短剣を投げ捨て、転がるようにそこから離れた。四つん這いになりながら必死に息を整える。すると目に見えて普段通りの彼女に戻っていくのが分かった。
ピオンスコの喘ぐような息遣いが静寂の中にこだまする。
「はあはあ…」
尻尾の様子も含めて大分落ち着いたようだ。オレ達は急いで駆けつけ、彼女の事を抱え起こすとベースに戻り横にさせた。そして改めてオレ達はルージュとアーコにピオンスコに起こった異変の心あたりを尋ねたのだった。
「何してるの!?」
「アツイ…」
朦朧としながら一言呟き返す。
尋常ではない様子にオレ達はただ見守ることしかできなかった。やがてピオンスコはふらふらとした様子でベースを抜け出して徘徊し始めた。
「ピオンスコの奴、一体どうしたんだ?」
「わかんねえ。アイツの毒素と体質のせいで頭の中も覗けねえし」
そしてピオンスコはとうとう最悪な形で暴れ始めてしまった。自慢の尻尾を振り回しては息を荒げながら毒液をまき散らし始めたのである。
「ううううう!」
それでも理性的な部分がピオンスコの中には残っているのか、自分で自分の尻尾を掴み何かとか堪えようとしている様子も垣間見えた。しかし先端からはやはり止めどなく毒を出している。
ピオンスコの毒の威力はオレが知る中でも最強クラスだ。ある意味でルージュよりも頼りになることもある。だからこそそれを無作為に、そして制御しきれていない彼女に近づくことができない。
唯一できる事と言えば懸命に声を掛けるくらいしかない。それが何とももどかしかった。
「ピオンスコ、何でもいい! どうなっているのか教えてくれ!」
「分かんない! 何だか力が有り余って、毒がいつもよりいっぱいできちゃう。出さないとおかしくなりそう」
「力が有り余る…?」
どういう事だ? さっきの模擬戦での活躍がなかったから体力が残っているのか。いやそんな次元の話じゃない。それにルージュの攻撃を防ぎきっただけでも相当な気力を使っているはずだ。
オレがそう思った時、ルージュとアーコの二人が何かに気が付いたような声を出した。
「「あ!」」
オレとラスキャブとトスクルの視線が自然に二人に集まる。何がに気が付いたのかを問いただす前にルージュは叫んでいた。
「ピオンスコ! ベルトと一緒に短剣を捨てろ! そしてそこから距離を取れ!」
「うう」
どうにかこうにかガチャガチャと必死にベルトを外したピオンスコは短剣を投げ捨て、転がるようにそこから離れた。四つん這いになりながら必死に息を整える。すると目に見えて普段通りの彼女に戻っていくのが分かった。
ピオンスコの喘ぐような息遣いが静寂の中にこだまする。
「はあはあ…」
尻尾の様子も含めて大分落ち着いたようだ。オレ達は急いで駆けつけ、彼女の事を抱え起こすとベースに戻り横にさせた。そして改めてオレ達はルージュとアーコにピオンスコに起こった異変の心あたりを尋ねたのだった。
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