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Episode5
盾を構える勇者
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アーコは行動開始と同時にブレスレットに変じた。レイク・サーペントと戦った時と同じような魔力による高揚感が体の中を駆け巡る。改めてルージュとアーコの潜在的な魔力の大きさに感嘆の息が漏れた。するとアーコがオレに向かって尋ねてきた。
(考えはあるのかい?)
(ない。戦力的には若干不利と踏んでいる。強いて言えばいつでも逃走できるように計算して動くくらいか)
(なんだよ。弱腰だな)
(今回はピオンスコとの相性は最悪だし、お前の能力だって本来は戦闘向きではないだろう。器用だから卒なくこなしてはいるが盾の魔法だって無理しているんじゃないか?)
オレがそう言うとアーコは白けたように言う。
(ふーん。そうかいそうかい)
(何だその反応は?)
(ルージュは武器としては頼りになるけど、俺は頼りにならないと)
(そ、そうは言っていないだろ)
(言っているようなもんだろう)
その時オレは、漠然とアーコが何かを言ってほしいのではないかという直感を得た。頭で理解したことではなかったので、頭で考えずに言葉を出した。
(何か策があるのか?)
(あたりめーよ)
(わかった、それを教えてくれ。可能な限り実践してやる)
(ふふふ)
アーコは不敵に笑う。
それが何やらとても不気味なものに思えて、オレはつい身震いした。
(ど、どうした?)
(何だか嬉しくなってな。俺もひょっとしたら、ルージュみたいになんかの器物の化身だったのもかもしれない。もう記憶ははるか昔になくなっちまってるが、お前の腕にくっついて振り回されるのが嫌いじゃない)
(なら剣と盾で仲良くしてくれ)
(バッカ。俺じゃなくてあいつが喧嘩売ってきてんだろうが)
アーコはオレの脳内に自分が思いついた盾としての運用法のアイデアを送り込んでくる。流石にこの全てを一度の戦闘で賄う事は無理だが、新たな戦法の確立に心は躍った。
その高揚感を保ちながらオレはアーコの盾を顕現させてシージライノに向かって駆け寄る。ピオンスコもオレの動きを把握して風下に回り込み、理想的な挟み撃ちの構図が出来上がった。
シージライノはこちらの想定通り、急に駆け寄ってきたオレに向かって突進の構えを見せた。あるいは向こうにしても格好の餌が現れたと思っているのかも知れない。オレはアーコのブレスレットが付けられた左腕に力を込める。
盾を突き出して正面からシージライノを受ける構えだ。まずはお互いに小細工なしの攻防で相手の力量とアーコの性能を見定める。
(考えはあるのかい?)
(ない。戦力的には若干不利と踏んでいる。強いて言えばいつでも逃走できるように計算して動くくらいか)
(なんだよ。弱腰だな)
(今回はピオンスコとの相性は最悪だし、お前の能力だって本来は戦闘向きではないだろう。器用だから卒なくこなしてはいるが盾の魔法だって無理しているんじゃないか?)
オレがそう言うとアーコは白けたように言う。
(ふーん。そうかいそうかい)
(何だその反応は?)
(ルージュは武器としては頼りになるけど、俺は頼りにならないと)
(そ、そうは言っていないだろ)
(言っているようなもんだろう)
その時オレは、漠然とアーコが何かを言ってほしいのではないかという直感を得た。頭で理解したことではなかったので、頭で考えずに言葉を出した。
(何か策があるのか?)
(あたりめーよ)
(わかった、それを教えてくれ。可能な限り実践してやる)
(ふふふ)
アーコは不敵に笑う。
それが何やらとても不気味なものに思えて、オレはつい身震いした。
(ど、どうした?)
(何だか嬉しくなってな。俺もひょっとしたら、ルージュみたいになんかの器物の化身だったのもかもしれない。もう記憶ははるか昔になくなっちまってるが、お前の腕にくっついて振り回されるのが嫌いじゃない)
(なら剣と盾で仲良くしてくれ)
(バッカ。俺じゃなくてあいつが喧嘩売ってきてんだろうが)
アーコはオレの脳内に自分が思いついた盾としての運用法のアイデアを送り込んでくる。流石にこの全てを一度の戦闘で賄う事は無理だが、新たな戦法の確立に心は躍った。
その高揚感を保ちながらオレはアーコの盾を顕現させてシージライノに向かって駆け寄る。ピオンスコもオレの動きを把握して風下に回り込み、理想的な挟み撃ちの構図が出来上がった。
シージライノはこちらの想定通り、急に駆け寄ってきたオレに向かって突進の構えを見せた。あるいは向こうにしても格好の餌が現れたと思っているのかも知れない。オレはアーコのブレスレットが付けられた左腕に力を込める。
盾を突き出して正面からシージライノを受ける構えだ。まずはお互いに小細工なしの攻防で相手の力量とアーコの性能を見定める。
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