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Episode5
狩りをする勇者
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森の終わりはすぐだった。整備が久しくされていないとはいえ商業路もあったのが功を制した。木々の鬱蒼としていた分、開放的に広がっているように思える。また遮るものが極端に少なくなっているのでより強く風を感じられた。
しかもありがたいことに草原に出たのとほぼ同時にシージライノの親子を見つけることが叶ったのだ。
(ついているな。周辺には仲間もいないようだし、絶好の獲物だ)
(どうやって戦うの?)
(やはりオレとアーコが陽動し、ピオンスコがトドメを刺すスタイルは変えずに行こう。ピオンスコの場合、できることを増やして丸くするよりも徹底的に長所を伸ばして、このパーティの隠し武器とての奇襲成功率を上げる努力をすべきだろうからな)
(隠し武器!? カッコいい!)
(その前にシージライノってのはどういう獣なんだ?)
オレはアーコの質問にテレパシーで返した。シージライノについて知っていることを思い浮かべて全員に共有させる。
シージライノは『螺旋の大地』の広域に生息するサイの魔獣だ。基本的には草食性なのだが、他の動物の血液を吸血することでも知られている。頭から生えた硬質のツノは鎧などは簡単に砕く上に相手を突き殺すだけでなく、ツノそのものに相手の血を吸う無数の器官がある。
しかも皮膚は岩のように固く、他の魔獣のように急所が極めて突きにくい身体をしている。
本来であれば魔法と遠距離攻撃を得意とする者がパーティを組み、魔法で外皮を無理やり突破し、そうしてむき出しになった柔らかい内側に物理的な攻撃を加えて倒すのが一般的。
だがその方法は効率こそいいが、加虐性がありあまり勧められた方法とは言い難い。それに肝心のシージライノの損傷が激しくなってしまい、食用や加工品に転用できる部分が少なくなる。
(ひとまずは戦ってみよう。シージライノであればアーコの盾の能力の検証にはうってつけだし、ピオンスコにとってだって奴の堅い外皮は鎧や強力な防御手段を有している場合を想定した仮想敵にぴったりだ)
オレは上からピオンスコに視線を送る。
(どうだ? 仕留められそうか?)
(うーん…どうだろう。尻尾は刺さりそうだけど)
ミラーコートをはためかせて、ピオンスコの尻尾がもぞもぞと動いた。
(それはダメだろ。お前の毒が少しでも入ったら肉が食えなくなる)
(そうだよね~)
(まあ、いいさ。ひとまずはやって見てだ。こういう未知で不足な状況に慣れるのも今回の目的の一つなんだからな)
三人でアイコンタクトを交わす。オレ達は更に二手に分かれてシージライノの親子を挟み撃ちで仕留めるために密かに動き出した。
しかもありがたいことに草原に出たのとほぼ同時にシージライノの親子を見つけることが叶ったのだ。
(ついているな。周辺には仲間もいないようだし、絶好の獲物だ)
(どうやって戦うの?)
(やはりオレとアーコが陽動し、ピオンスコがトドメを刺すスタイルは変えずに行こう。ピオンスコの場合、できることを増やして丸くするよりも徹底的に長所を伸ばして、このパーティの隠し武器とての奇襲成功率を上げる努力をすべきだろうからな)
(隠し武器!? カッコいい!)
(その前にシージライノってのはどういう獣なんだ?)
オレはアーコの質問にテレパシーで返した。シージライノについて知っていることを思い浮かべて全員に共有させる。
シージライノは『螺旋の大地』の広域に生息するサイの魔獣だ。基本的には草食性なのだが、他の動物の血液を吸血することでも知られている。頭から生えた硬質のツノは鎧などは簡単に砕く上に相手を突き殺すだけでなく、ツノそのものに相手の血を吸う無数の器官がある。
しかも皮膚は岩のように固く、他の魔獣のように急所が極めて突きにくい身体をしている。
本来であれば魔法と遠距離攻撃を得意とする者がパーティを組み、魔法で外皮を無理やり突破し、そうしてむき出しになった柔らかい内側に物理的な攻撃を加えて倒すのが一般的。
だがその方法は効率こそいいが、加虐性がありあまり勧められた方法とは言い難い。それに肝心のシージライノの損傷が激しくなってしまい、食用や加工品に転用できる部分が少なくなる。
(ひとまずは戦ってみよう。シージライノであればアーコの盾の能力の検証にはうってつけだし、ピオンスコにとってだって奴の堅い外皮は鎧や強力な防御手段を有している場合を想定した仮想敵にぴったりだ)
オレは上からピオンスコに視線を送る。
(どうだ? 仕留められそうか?)
(うーん…どうだろう。尻尾は刺さりそうだけど)
ミラーコートをはためかせて、ピオンスコの尻尾がもぞもぞと動いた。
(それはダメだろ。お前の毒が少しでも入ったら肉が食えなくなる)
(そうだよね~)
(まあ、いいさ。ひとまずはやって見てだ。こういう未知で不足な状況に慣れるのも今回の目的の一つなんだからな)
三人でアイコンタクトを交わす。オレ達は更に二手に分かれてシージライノの親子を挟み撃ちで仕留めるために密かに動き出した。
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