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Episode3
促す勇者
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バタンッと戸が閉まる音がオレの事を気付てくれた。すぐに頭の中で全員と意識を共有する。
『さあ、かかった魚は大きいかな?』
『釣り針ってよりも投網みたいな量がかかるぜ?』
『町全体が敵ってんならそうなるかもな…とは言え戦う事が目的じゃない。問題は『螺旋の大地』への船がどうなっているのか、早急に確認しておきたいな』
オレは自分でそう言っておいて、ナハメウに聞けばよかったと今になって後悔をした。とは言え、船が出ているかどうかを確認するくらいなら支障はないだろう。問題は、奴の言っていた誘いにどう返事をするかの方が重要だ。
『でしたら散策でよろしいのではないですか? 船について調べてくるように命令されたと装えますし』
『セムヘノの時みたいにあちこち回れるの?』
『あ、遊べるって訳じゃないよ、ピオンスコ』
ピオンスコは逸る気持ちの出鼻をくじかれて、なあんだと残念そうな声を出した。
そんなピオンスコを見て、俺はふと思いつく。
『そんな顔をするな、ピオンスコ。どの道散策はしなけりゃならないんだ。それなら楽しんでいる方がいい』
オレがそう言うと、ピオンスコはコロコロと表情を変えた。そしてルージュが追及するように語りかけてくる。
『ならば相手を誘い出す意味でも私だけが残って、主たちが町に繰り出すか?』
『いや、いくらなんでも単独行動は避けたい。テレパシーでやり取りができるのがルージュとアーコの二人なんだから、お前らを起点に二班に分かれて、声の届く範囲内で街を歩こう』
『ならその分け方はどうすんだ?』
『オレとルージュとトスクルが組む。そっちはアーコとラスキャブとピオンスコでまとまてくれ』
『何か意味ありげな組み合わせだな…』
アーコは流石というべきか、オレの意図の片鱗に気が付いてくれた。
『ああ、理由は二つある。一つはトスクルと話がしたいってところだな』
『ワタシとですか?』
『正気に戻ってから、碌に話も出来ていないからな。パーティの一員となって貰ったかにはもう少し互いの理解を深めておかないと満足に戦闘もできん』
『ならもう一つは?』
『草原でトスクルたちと戦ったとき、かなりの窮地になっただろ? だからお前らももう少し連携が取れるように意識してみてくれ。そっちの班のリーダーはアーコだ。ラスキャブとピオンスコは、まず大局を見て目的を見失わずに行動することを念頭におけるようになれ。こんな子供のお使いのような散策でも、意識が変われば動きも自ずと変わってくる』
神妙な面持ちになった二人は、一度互いに顔を見合わせ頷くと、真っすぐとした瞳をもう一度オレに向けてきた。
『さあ、かかった魚は大きいかな?』
『釣り針ってよりも投網みたいな量がかかるぜ?』
『町全体が敵ってんならそうなるかもな…とは言え戦う事が目的じゃない。問題は『螺旋の大地』への船がどうなっているのか、早急に確認しておきたいな』
オレは自分でそう言っておいて、ナハメウに聞けばよかったと今になって後悔をした。とは言え、船が出ているかどうかを確認するくらいなら支障はないだろう。問題は、奴の言っていた誘いにどう返事をするかの方が重要だ。
『でしたら散策でよろしいのではないですか? 船について調べてくるように命令されたと装えますし』
『セムヘノの時みたいにあちこち回れるの?』
『あ、遊べるって訳じゃないよ、ピオンスコ』
ピオンスコは逸る気持ちの出鼻をくじかれて、なあんだと残念そうな声を出した。
そんなピオンスコを見て、俺はふと思いつく。
『そんな顔をするな、ピオンスコ。どの道散策はしなけりゃならないんだ。それなら楽しんでいる方がいい』
オレがそう言うと、ピオンスコはコロコロと表情を変えた。そしてルージュが追及するように語りかけてくる。
『ならば相手を誘い出す意味でも私だけが残って、主たちが町に繰り出すか?』
『いや、いくらなんでも単独行動は避けたい。テレパシーでやり取りができるのがルージュとアーコの二人なんだから、お前らを起点に二班に分かれて、声の届く範囲内で街を歩こう』
『ならその分け方はどうすんだ?』
『オレとルージュとトスクルが組む。そっちはアーコとラスキャブとピオンスコでまとまてくれ』
『何か意味ありげな組み合わせだな…』
アーコは流石というべきか、オレの意図の片鱗に気が付いてくれた。
『ああ、理由は二つある。一つはトスクルと話がしたいってところだな』
『ワタシとですか?』
『正気に戻ってから、碌に話も出来ていないからな。パーティの一員となって貰ったかにはもう少し互いの理解を深めておかないと満足に戦闘もできん』
『ならもう一つは?』
『草原でトスクルたちと戦ったとき、かなりの窮地になっただろ? だからお前らももう少し連携が取れるように意識してみてくれ。そっちの班のリーダーはアーコだ。ラスキャブとピオンスコは、まず大局を見て目的を見失わずに行動することを念頭におけるようになれ。こんな子供のお使いのような散策でも、意識が変われば動きも自ずと変わってくる』
神妙な面持ちになった二人は、一度互いに顔を見合わせ頷くと、真っすぐとした瞳をもう一度オレに向けてきた。
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