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堕ちた守護天使
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しおりを挟むしかし冷静になってみると辻褄が合わない。
ドロマー曰く、守護天使レイディアントは【八英女】のうちで唯一消息が不明だった人物。そんな人物が何故二十年後の今になってギタ村の山林であんな非道な事をしていたのだろうか。考えれば考えるほど訳が分からない。
メロディアは言葉を見つけることができず、成り行きをただ見つめることしかできないでいた。
「何故、貴様がこんなところに」
「それはこっちのセリフですよ。魔界に入って散り散りになってから全く連絡が取れないんですもの。てっきり死んでしまったんだと思ってました」
「舐めるな。我はアレから一人でずっと魔族と戦っていた。」
「え? それなら何でお城にこなかったんですか」
「……貴様やスコアが捕まったと聞いて何度も魔王の居城へ向かおうとしていたさ」
「でしたらどうして…あ」
ドロマーはレイディアントが消息不明になった理由に予想が付いたような声を出した。
メロディアは唯一その理由に見当もついていなかったので二人に問いかけようとした。しかしそのタイミングで再び部屋のドアがノックされた。
「…」
何とも言い難いタイミングで話の腰を折られた三人の間に微妙な沈黙が流れる。メロディアは気まずそうな会釈を一つして、部屋の戸を開けた。
「あ。おかえり」
戸を叩いたのは老人の介抱と兵士団への報告を命令していた分身だった。しかも分身はパンが入った紙袋を抱えている。きっと兵士団の人たちが気を利かせて持たせてくれたのではないかと推測した。
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