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堕ちた守護天使
2‐14
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メロディアはあえて意味深に言ってみたのだが、ドロマーは察しが付いたようで別段テンションを変えることもなく淡々と持論を語った。
「戦争が勃発したのでしょうね。領土、食糧、宗教、政治と理由を考え始めたらキリがありません」
「流石ですね」
「その事は私達の時代にも危惧されていました。メロディア君と会う前にもこの世界の情勢は多少見聞きしましたから」
「魔王を倒した勇者という事でどの国も喉から手が出るほど父を欲していました。その立場を利用して自らが交渉役と交渉材料を兼ねてあちこちを周り、大規模な戦争の勃発を食い止めている…それが父が家にいない理由です。あと母さんにこの世界を見せてあげたいという理由もあるみたいですけどね」
そこまで言い切ったところでメロディアは嫌な気配を感じ取った。
実をいうとギタ村を訪れてる前から危惧してた事があった。そしてその嫌な予感がどうやら本当に怒ってしまったらしかった。そう思うと自然とメロディアの口から大きなため息が漏れた。
そして先ほどの話を掘り返す。
「ドロマーさんの指摘がムジカ大陸の全体的な問題です。それに加えて局地的な問題もあるんです」
「というと?」
「魔王軍と戦っていた頃は貴族や町村の自警団たちは魔物と戦うために多くの武器や腕利きを揃えていました。しかしご存じの通り魔物は勢力を大きく失っています。そのせいで武力と腕力を良からぬやり方で使って治安を乱す輩が増えたんです」
「ああ…後ろからついてきているような方々の事ですね」
流石は歴戦の竜騎士だとメロディアは思った。ふざけたことばかり言っているから忘れてしまいそうになるが彼女の実力は本物だ。それがちょっぴりだけ嬉しくもあった。
「けど世界を救った勇者の息子にちょっかいをかけますか?」
「僕は所詮勇者の息子でしかありません。クラッシコ王国を出れば親の七光りなんて消えかけの蝋燭よりも頼りないですよ」
そう言い終えた瞬間、二人は乱暴に呼び止められた。
振り向くと絵に描いたような腕に覚えのありそうなやさぐれた剣士と、映画に出てきそうなくらい分かりやすい悪人面の巨漢が立っていた。
「戦争が勃発したのでしょうね。領土、食糧、宗教、政治と理由を考え始めたらキリがありません」
「流石ですね」
「その事は私達の時代にも危惧されていました。メロディア君と会う前にもこの世界の情勢は多少見聞きしましたから」
「魔王を倒した勇者という事でどの国も喉から手が出るほど父を欲していました。その立場を利用して自らが交渉役と交渉材料を兼ねてあちこちを周り、大規模な戦争の勃発を食い止めている…それが父が家にいない理由です。あと母さんにこの世界を見せてあげたいという理由もあるみたいですけどね」
そこまで言い切ったところでメロディアは嫌な気配を感じ取った。
実をいうとギタ村を訪れてる前から危惧してた事があった。そしてその嫌な予感がどうやら本当に怒ってしまったらしかった。そう思うと自然とメロディアの口から大きなため息が漏れた。
そして先ほどの話を掘り返す。
「ドロマーさんの指摘がムジカ大陸の全体的な問題です。それに加えて局地的な問題もあるんです」
「というと?」
「魔王軍と戦っていた頃は貴族や町村の自警団たちは魔物と戦うために多くの武器や腕利きを揃えていました。しかしご存じの通り魔物は勢力を大きく失っています。そのせいで武力と腕力を良からぬやり方で使って治安を乱す輩が増えたんです」
「ああ…後ろからついてきているような方々の事ですね」
流石は歴戦の竜騎士だとメロディアは思った。ふざけたことばかり言っているから忘れてしまいそうになるが彼女の実力は本物だ。それがちょっぴりだけ嬉しくもあった。
「けど世界を救った勇者の息子にちょっかいをかけますか?」
「僕は所詮勇者の息子でしかありません。クラッシコ王国を出れば親の七光りなんて消えかけの蝋燭よりも頼りないですよ」
そう言い終えた瞬間、二人は乱暴に呼び止められた。
振り向くと絵に描いたような腕に覚えのありそうなやさぐれた剣士と、映画に出てきそうなくらい分かりやすい悪人面の巨漢が立っていた。
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