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堕ちた守護天使
2‐3
しおりを挟む「ひょっとして…」
「…何ですか?」
「私のこと、結構調べてたりするんですか? そう言えばさっきも憧れの竜騎士なんて嬉しい事言ってくれましたし」
「…」
「沈黙は肯定と見なす!」
叫んだドロマーは慣れて付きで鎧を外し始めた。
「何で脱いでんだ!」
「メロディア君は小さいからスコアとはできなかったおねショタプレイも…うへへ」
「おい止めろ。父親の性の話をちらつかせるな。14歳だぞ、思春期だぞ」
「思春期なら脱いで迫れば堕ちるっしょ! ほうら、憧れのドロマーお姉さんですよ」
イカれた表情で迫ってくる淫乱なゾンビのような女を目の当たりにするとメロディアの幼少の頃からの幻想は完全に崩れ落ちてしまった。
そして、母親直伝の魔法を披露する。
『服を着ろ』
「はうっ!」
ドロマーは全身に電気が走ったかのようにビクっと体をのけ反らす。
今使ったのは言霊という古代魔法の一つ。声に魔法を乗せてそれを聞いた者に命令を強制させる。特に相手が闇の眷属だと効果はより強くなる。
そしてドロマーは魔王に洗脳を施され、魔力と快楽によって堕ちている。その魔王の素養を受け継いだメロディアの言霊は、何よりも強くドロマーの脳に響き渡った。
するとドロマーは半べそを掻きながら自らの意に反して脱いだ鎧をもう一度つけ始めた。
「うう…言霊で服を着せられるなんて屈辱です。それをエロ目的で使わないなんて…」
「ごちゃごちゃ言ってないでさっさと服を着てください。午前中には城下町に行きたいんですから」
「はぁい…」
やがて出かける支度が整った二人は一路クラッシコ王国の城下町を目指して歩き始めた。
屋台が潰れてしまったのがメロディアにとっては少なからず痛手だ。しかし彼はそれをあまり気にしている様子はない。他の街ならいざ知らずここはクラッシコ王国の領地。世界を救ったクラッシコ出身の英雄の息子として親の七光りを十分に使える立場にいるのだから。
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