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タイムリープ編(完結編)
183 イリス様に呼ばれた
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二十回ほどのタイムリープが完了して、目の前が明るくなった。
やはり、意識ははっきりしていない。タイムリープ中は、ずっとこんな感じだ。これは、改良の余地があると思った。短期記憶を確認する余裕もない。
次第に意識がはっきりして来た。今回は、ちょっと長めだなと思った。でも、すぐに過去に飛ぶだろうと待っていたが、何も起こらなかった。
機能拡張に問題があったんだろうか?
目の前には、輝くように美しい女神様がいた。
ああ、この美しい女神様と話してみたいなぁ。もう少し時間があればなぁと思う。
「初めまして。私は女神「;あlsdf」。あなたをこの世界に召喚した、この世界の主神……」
「イリス様!」
「えっ?」
「あっ、声掛けちゃった」過去には干渉しないようにしてたのに。不味い!
「はい、イリスとも言われていましたが、何故あなたがその名前を?」
「あれっ?」
「どうかしましたか?」
タイムリープ中に、会話をすることなど想定していなかった。
こういう場合どうすればいいんだ? 何かが起こったことは分かるが、何が起こったのかは分からない。しばらく、俺は会話出来なかった。
「おかしいな。なんで飛ばないんだろう?」
「いえ、ちゃんと、地球から飛んで来ましたよ?」イリス様は不思議そうに言った。
「地球? ああ、もういいか。実は俺、未来から来ました」
タイムリープがうまく機能していないなら、会話するしかないだろう。
「召喚に失敗したのかしら。場所を間違えた?」と言って怪訝な顔で考え込むイリス様。
「えっ? 召喚? 俺を地球から召喚したんですか?」
「えっ? あ、はい。今、そのことを説明しようかと思ったんですけど? 何故だか詳しいですね?」
「はい。だって、未来から来ましたから」
「ミライなんて名前の星あったかしら?」
「いえ、星の名前ではなく将来の未来です」
どうも、互いの認識に齟齬があるようだ。
イリス様はしばらく考えていた。
「おかしいわね? あなた、何者ですか?」
「俺、リュウジと言います」
「えっ? 竜神?」
「いえ、リュウジです」
「ああ良かった」
「???」
「それでは、間違えると困るから……そうね、リュウって呼んでいいかしら?」
「あ、はい結構です」なぜか名付けされる俺。ちょっと新鮮だ。
「えっと、豊穣の女神イリス様ですよね?」まずは、確認だ。
「いえいえ、とんでもない。私は、この世界の担当神イリスです」
うん? ああそうか、二千年前だった!
「専門神になる前ですか!」
「……」って、知らないよな。
「あれ? やばいかな。こんな会話しちゃって」
「あなた、いったい……」
さすがに、ちょっと混乱しているようだ。俺も混乱しているが。
「おかしい。なんで、機能拡張が動かないんだろう? もしかしてミッション・コンプリートなのか? でも、帰る筈だけど」
「どこへ帰るのですか?」
「もちろん、未来です」
「未来の地球?」
「いいえ。地球では無く、惑星モトスです。その世界から、時間をさかのぼって来ました。ですが、帰れなくなってしまったようです。機能拡張が使えない。神力が無い」
「それはそうでしょう。あなたは人間ですから」とイリス様。確信した表情で言う。
「あっ」
ヤバイ感じがした。これたぶん、想定外の事態だ。
「嘘を言っているわけではないようですね」
「嘘なんて言ってませんよ。まずったな。機能拡張にバグがあったってことか」
「よく分かりませんが、あなたは未来から……その、何のために来たのですか?」
「それは、記憶を取り戻す為です。記憶管理領域の記憶を消されてしまったので、時代をさかのぼって回収してたんです。それで、ほとんど成功したんですけど。最後に戻る機能にバグがあったようです」
まだ怪訝な表情で見るイリス様。
「記憶管理領域の記憶……ということは、あなたは使徒または神ということでしょうか?」
「はい。正確には神だった、いや、未来の神かな。だから、今の神リストにはありません」
「そうですか。それで、未来へ戻れないと? それは大変なことでは?」
「ああ、そうですね。未来の俺は困ってるかも」接続が切れたからな。
「それはそうでしょう」
「眠ったままなので」
「それは大変」
どうだろう? 未来の俺は安全だとは思う。
「たぶん、女神カリスがなんとかしてくれるでしょう」
「女神カリスですか?」
「ええ、一緒に研究している女神様です。ああ、そういえば、標準語名聞いてなかったな。神魔科学の女神様です」
「そうですか。今の神界にも神魔科学の女神はおりますが。連絡してみましょうか? 同一神かどうかは分かりませんが、専門は同じですので助けになるでしょう」
「あ、はい。そうですね。出来ればお願いします」
その後、落ち着いてよく考えてみたのだが、どうも召喚の儀式の最中にタイムリープしてしまったのが、この事態を引き起こした原因のようだった。
召喚後、使徒になってからなら機能拡張は動いた筈だが、使徒に任命される前の僅かな時間にタイムリープしてしまったので機能拡張が働かなかったわけだ。
こんなことがあるんだな!
ってか、俺って何度も召喚されてたのかよ。
しかも、イリス様に呼ばれていたとは! それはそれで、嬉しいことだけど。
やはり、意識ははっきりしていない。タイムリープ中は、ずっとこんな感じだ。これは、改良の余地があると思った。短期記憶を確認する余裕もない。
次第に意識がはっきりして来た。今回は、ちょっと長めだなと思った。でも、すぐに過去に飛ぶだろうと待っていたが、何も起こらなかった。
機能拡張に問題があったんだろうか?
目の前には、輝くように美しい女神様がいた。
ああ、この美しい女神様と話してみたいなぁ。もう少し時間があればなぁと思う。
「初めまして。私は女神「;あlsdf」。あなたをこの世界に召喚した、この世界の主神……」
「イリス様!」
「えっ?」
「あっ、声掛けちゃった」過去には干渉しないようにしてたのに。不味い!
「はい、イリスとも言われていましたが、何故あなたがその名前を?」
「あれっ?」
「どうかしましたか?」
タイムリープ中に、会話をすることなど想定していなかった。
こういう場合どうすればいいんだ? 何かが起こったことは分かるが、何が起こったのかは分からない。しばらく、俺は会話出来なかった。
「おかしいな。なんで飛ばないんだろう?」
「いえ、ちゃんと、地球から飛んで来ましたよ?」イリス様は不思議そうに言った。
「地球? ああ、もういいか。実は俺、未来から来ました」
タイムリープがうまく機能していないなら、会話するしかないだろう。
「召喚に失敗したのかしら。場所を間違えた?」と言って怪訝な顔で考え込むイリス様。
「えっ? 召喚? 俺を地球から召喚したんですか?」
「えっ? あ、はい。今、そのことを説明しようかと思ったんですけど? 何故だか詳しいですね?」
「はい。だって、未来から来ましたから」
「ミライなんて名前の星あったかしら?」
「いえ、星の名前ではなく将来の未来です」
どうも、互いの認識に齟齬があるようだ。
イリス様はしばらく考えていた。
「おかしいわね? あなた、何者ですか?」
「俺、リュウジと言います」
「えっ? 竜神?」
「いえ、リュウジです」
「ああ良かった」
「???」
「それでは、間違えると困るから……そうね、リュウって呼んでいいかしら?」
「あ、はい結構です」なぜか名付けされる俺。ちょっと新鮮だ。
「えっと、豊穣の女神イリス様ですよね?」まずは、確認だ。
「いえいえ、とんでもない。私は、この世界の担当神イリスです」
うん? ああそうか、二千年前だった!
「専門神になる前ですか!」
「……」って、知らないよな。
「あれ? やばいかな。こんな会話しちゃって」
「あなた、いったい……」
さすがに、ちょっと混乱しているようだ。俺も混乱しているが。
「おかしい。なんで、機能拡張が動かないんだろう? もしかしてミッション・コンプリートなのか? でも、帰る筈だけど」
「どこへ帰るのですか?」
「もちろん、未来です」
「未来の地球?」
「いいえ。地球では無く、惑星モトスです。その世界から、時間をさかのぼって来ました。ですが、帰れなくなってしまったようです。機能拡張が使えない。神力が無い」
「それはそうでしょう。あなたは人間ですから」とイリス様。確信した表情で言う。
「あっ」
ヤバイ感じがした。これたぶん、想定外の事態だ。
「嘘を言っているわけではないようですね」
「嘘なんて言ってませんよ。まずったな。機能拡張にバグがあったってことか」
「よく分かりませんが、あなたは未来から……その、何のために来たのですか?」
「それは、記憶を取り戻す為です。記憶管理領域の記憶を消されてしまったので、時代をさかのぼって回収してたんです。それで、ほとんど成功したんですけど。最後に戻る機能にバグがあったようです」
まだ怪訝な表情で見るイリス様。
「記憶管理領域の記憶……ということは、あなたは使徒または神ということでしょうか?」
「はい。正確には神だった、いや、未来の神かな。だから、今の神リストにはありません」
「そうですか。それで、未来へ戻れないと? それは大変なことでは?」
「ああ、そうですね。未来の俺は困ってるかも」接続が切れたからな。
「それはそうでしょう」
「眠ったままなので」
「それは大変」
どうだろう? 未来の俺は安全だとは思う。
「たぶん、女神カリスがなんとかしてくれるでしょう」
「女神カリスですか?」
「ええ、一緒に研究している女神様です。ああ、そういえば、標準語名聞いてなかったな。神魔科学の女神様です」
「そうですか。今の神界にも神魔科学の女神はおりますが。連絡してみましょうか? 同一神かどうかは分かりませんが、専門は同じですので助けになるでしょう」
「あ、はい。そうですね。出来ればお願いします」
その後、落ち着いてよく考えてみたのだが、どうも召喚の儀式の最中にタイムリープしてしまったのが、この事態を引き起こした原因のようだった。
召喚後、使徒になってからなら機能拡張は動いた筈だが、使徒に任命される前の僅かな時間にタイムリープしてしまったので機能拡張が働かなかったわけだ。
こんなことがあるんだな!
ってか、俺って何度も召喚されてたのかよ。
しかも、イリス様に呼ばれていたとは! それはそれで、嬉しいことだけど。
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