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幻の大陸アトラ編
152 未来に向けて2
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とんでもないことになった。
何これ? 何かのドッキリなの? 俺、こういうこと言われても嬉しくないんだけど? あ、でも第一神様が「神の筈だ」と言ってたのは、こういう訳だったんだな!
地球で輪廻を繰り返していたから外見は全く違うし、それで誰も気づかなかったのか。
って、そんなこと言ってる場合じゃない。メッセージ誘導は、まだ続いていた。
【恐らく、このメッセージで君の疑問も幾つかは解消出来たと思う。出自くらい知る権利がある】
いや、知らないほうが幸せだった気がするんだが。
【最後に、私が知り得たことを少し伝えておこう】
【まず黒青病だが、人間に感染する悪性のものも含めて、これを減らすと神界の神力が減るようだ。まだ、解明されていないが、恐らく神力と魔力にはバランス関係が存在する】
さらに、凄いことを言い出した。神力と魔力がバランスしているって? ふと見ると、女神カリスが興味ありそうな表情をしている。
【魔力については地上界にのみ存在するが全ての世界にあるわけではない。それだけに、魔力が存在するこの世界は重要だと知ってほしい】
【大陸アトラの水没による妖精族の絶滅が神界の神力の激減に繋がったと思われる。このため、僅かに残っている妖精族を保護してもらいたい。妖精族と黒青病との関係は未確認だが、妖精族の減少が黒青病の誕生に関係している可能性がある】
ああ、なるほど。セルー島に行ってたのは、そういうことか。まだ共生菌のことまでは突き止めてなかったんだな。
【最後に、私が開発した『未来視』の技術も残したいと思う。開発途中だが、ぜひ役立ててくれ】
【では、健闘を祈る!】
そう言った後、何か良く分からない情報が流れ込んできた。これ、記憶のない俺が貰っても使えないと思うんだけど。
ふと、女神カリスを見たら頷いた。俺の代わりに女神カリスが受け取ってくれたようだ。
しばらく、静寂が支配した。過去の担当神からのメッセージ誘導は、これで終わりのようだ。
しかし、一連の俺にまつわる出来事は、元々俺が仕込んだことだったのか! 椎名美鈴みたいなことを俺もやってたってことか。参ったな。
それにしても、なぜ今メッセージ誘導が届いたんだろう? 少し前までは滅亡する未来の可能性があったということだろうか? 不安定だった未来が今日から安定したんだろうか?
確か、今まで見えなかったとか言ってたな。滅亡しない未来が確定したからメッセージ誘導が届いたんだろうか?
そもそも、見えない未来じゃ相手を特定するようなメッセージ誘導は送れないだろうからな。それだけ明確な未来として見えた筈だ。
明確に未来が確定した理由は、妖精族の保護区を作ったからだろうか? 最近の出来事で言えば、それしかないと思う。
妖精族の将来が安定したので未来が確定したと思われる。それでメッセージ誘導を送れるようになったという事か。だとしたら、未来は危ういんじゃないかとも思う。
まぁ、無害化した魔法共生菌が優勢になって、魔力を安定して確保出来るようになったからという事も含まれているんだろうが。
それにしても、「私を召喚」とか言ってたけど俺からしたら普通に別人だからな。
前世だから。あっ、前々世かもしれない。前々世の俺の喜びの声を聞いちゃったんだ、正直ビミョー。
てか、前世ってホントにあるんかよ。
「ま、まったく! リュウジらしいわね!」ニーナである。ちょっと呆れ顔。
「そうだね~っ。やっぱリュウジだね~っ」とミルル。
「本当です。どれだけ、驚かせたら気が済むんですか」とセシル。
ごめんなさい。てか、俺自身驚いてるんだが、今回。
「わたくし、まだまだ甘かった気がしますわ」とセレーネ。やや、目がきつい。
「ほんとうですわね、姉さま」とアルテミス。
「いいかげん、ネタ切れだと思ったんじゃが、甘かったのぉ」とリリーの目は爛々としてて楽しそう。期待通りだよな?
しかし、そんなこと言われても今回は俺じゃないんだが? いや俺なんだけど! 記憶がない場合って同一人物認定されるんだろうか? だって前々世だよ? 知らん!
「もう、リュウジにしてやられたわね! でも、お帰りなさい竜神!」とアリスに抱き付かれた。
えっ? 何これ? アリス? 竜神? 前々世って『竜神』なのか?
「ほんとうね。お帰りなさい!」そう言って、イリス様にも抱き付かれた。ええっ?
「ああ、確率をいじり難かったのはこのせいか! お帰り!」とウリス様も抱き付いてきた! しかも、どさくさに紛れて、やばいことを口走ってるんだけど? アア、タシカニシテマシタネ。
「うん、やっぱりリュウジ怖い。竜神も怖い!」エリス様にも抱き付かれた。
あれ~っ? 俺達、知り合いだったのか?
けど、記憶にない俺にそんなことされても単純に嬉しいだけなんだけど? こういう場合どうすれば良いんだ?
「こほん。なんにしても、うまく行ったのなら、ここは祝杯を上げる時なんじゃない?」戸惑う俺を見て、女神サリスが言った。
「祝杯用の酒なら、いくらでもあるよ!」うん、思いっきり作ったよね。
「ああ、そうか。そうだよな。うまく行ったんだから、お祝いだな!」
「そうね。大成功よ! ぱぁ~っとパジャマパーティーしましょ~っ」とアリス。
「…「さんせ~いっ」…」
アリスの一声でパジャマパーティー決定! ああ、もうそういうことでいいか。未来視でオッケーなら大丈夫……なんだよな?
* * *
酒が入っても、メッセージ誘導の話は尽きない。
「感染症が、ああいった必然性で生まれるという考え方は新機軸です。これはわたしのテーマにもなりそうです」酔ってても真面目な女神オリス。
まぁ、あれって言ってみただけかもよ?
「私も、とっても興味あります。ひっく。『神力と魔力の関係』とか、『未来視』とか!」と女神カリス。
やっぱり、研究者って酔っても研究者なんだな。てか、寄ってる女神カリスを初めて見た。ちょっと色っぽいです。とか思ったら、アリスに睨まれた。
それはともかく、確かに面白そうだ。
まぁ、全然理解できなかった俺だけど。基礎知識のない俺に残しても意味ないよな? あとで女神カリスに教えてもらおう。
「この入れ子構造のような仕込み方がシビレます」女神キリスは、なんだか良く分からないこと言ってる。
「変異の生まれる訳かぁ。確かに、そういう視点は無かったな~っ」と女神クリス。
「あれ? 担当神ってことは、私が初心者教育したのかなぁ? って私ってば、二度担当してるじゃん! 返してよ!」と女神ケリス。
何を返したらいいんだろう? てか、俺も返せるものなら返したいぞ!
「なんか私、凄い神様からこの世界渡されたのね。うまく出来なくて当然なのね!」と変に納得しているコリス。いやいや。
「リュウジ、リュウジ。もう、リュウジが竜神だなんて嘘みたい!」とアリス。
それ、俺もまだ信じられないんだけど。てか、知らないんだけど。
「でも、なんとなく、納得しちゃったわ」とイリス様。そうなんだ。
「あ、リュウジ! なに難しい顔してるのら! あれ竜神? あれリュウジ?」ウリス様、飲み過ぎです!
「リュウジ~っ。ひっく。わらしきれい? ね~っ、きれい?」エリス様は、ちょっと悪酔いしてるっぽい。
* * *
とりあえず、過去の俺からのメッセージ誘導騒ぎは収まった。
しかし、俺自身はわけわからない状況に陥っていることがわかった。
過去の俺は難問を解決したつもりのようだが、今の俺にとっては難問を山積みされただけだ。
そもそも考えてみてみれば、確定したのはこれまでの百年でしかない。
これからの百年、いや、未来は未定なままなのだ。過去の俺は安心出来たのだろうが今の俺は全く安心できていない。
もちろん安定な世界になったというのも事実なのだろう。
その意味では、ひとまず気を緩めてもいいのかも知れない。過去のことは忘れてしまってもいいのかも知れない。
だが、これでは終わりそうもないというのが俺の正直な気持ちだった。
何これ? 何かのドッキリなの? 俺、こういうこと言われても嬉しくないんだけど? あ、でも第一神様が「神の筈だ」と言ってたのは、こういう訳だったんだな!
地球で輪廻を繰り返していたから外見は全く違うし、それで誰も気づかなかったのか。
って、そんなこと言ってる場合じゃない。メッセージ誘導は、まだ続いていた。
【恐らく、このメッセージで君の疑問も幾つかは解消出来たと思う。出自くらい知る権利がある】
いや、知らないほうが幸せだった気がするんだが。
【最後に、私が知り得たことを少し伝えておこう】
【まず黒青病だが、人間に感染する悪性のものも含めて、これを減らすと神界の神力が減るようだ。まだ、解明されていないが、恐らく神力と魔力にはバランス関係が存在する】
さらに、凄いことを言い出した。神力と魔力がバランスしているって? ふと見ると、女神カリスが興味ありそうな表情をしている。
【魔力については地上界にのみ存在するが全ての世界にあるわけではない。それだけに、魔力が存在するこの世界は重要だと知ってほしい】
【大陸アトラの水没による妖精族の絶滅が神界の神力の激減に繋がったと思われる。このため、僅かに残っている妖精族を保護してもらいたい。妖精族と黒青病との関係は未確認だが、妖精族の減少が黒青病の誕生に関係している可能性がある】
ああ、なるほど。セルー島に行ってたのは、そういうことか。まだ共生菌のことまでは突き止めてなかったんだな。
【最後に、私が開発した『未来視』の技術も残したいと思う。開発途中だが、ぜひ役立ててくれ】
【では、健闘を祈る!】
そう言った後、何か良く分からない情報が流れ込んできた。これ、記憶のない俺が貰っても使えないと思うんだけど。
ふと、女神カリスを見たら頷いた。俺の代わりに女神カリスが受け取ってくれたようだ。
しばらく、静寂が支配した。過去の担当神からのメッセージ誘導は、これで終わりのようだ。
しかし、一連の俺にまつわる出来事は、元々俺が仕込んだことだったのか! 椎名美鈴みたいなことを俺もやってたってことか。参ったな。
それにしても、なぜ今メッセージ誘導が届いたんだろう? 少し前までは滅亡する未来の可能性があったということだろうか? 不安定だった未来が今日から安定したんだろうか?
確か、今まで見えなかったとか言ってたな。滅亡しない未来が確定したからメッセージ誘導が届いたんだろうか?
そもそも、見えない未来じゃ相手を特定するようなメッセージ誘導は送れないだろうからな。それだけ明確な未来として見えた筈だ。
明確に未来が確定した理由は、妖精族の保護区を作ったからだろうか? 最近の出来事で言えば、それしかないと思う。
妖精族の将来が安定したので未来が確定したと思われる。それでメッセージ誘導を送れるようになったという事か。だとしたら、未来は危ういんじゃないかとも思う。
まぁ、無害化した魔法共生菌が優勢になって、魔力を安定して確保出来るようになったからという事も含まれているんだろうが。
それにしても、「私を召喚」とか言ってたけど俺からしたら普通に別人だからな。
前世だから。あっ、前々世かもしれない。前々世の俺の喜びの声を聞いちゃったんだ、正直ビミョー。
てか、前世ってホントにあるんかよ。
「ま、まったく! リュウジらしいわね!」ニーナである。ちょっと呆れ顔。
「そうだね~っ。やっぱリュウジだね~っ」とミルル。
「本当です。どれだけ、驚かせたら気が済むんですか」とセシル。
ごめんなさい。てか、俺自身驚いてるんだが、今回。
「わたくし、まだまだ甘かった気がしますわ」とセレーネ。やや、目がきつい。
「ほんとうですわね、姉さま」とアルテミス。
「いいかげん、ネタ切れだと思ったんじゃが、甘かったのぉ」とリリーの目は爛々としてて楽しそう。期待通りだよな?
しかし、そんなこと言われても今回は俺じゃないんだが? いや俺なんだけど! 記憶がない場合って同一人物認定されるんだろうか? だって前々世だよ? 知らん!
「もう、リュウジにしてやられたわね! でも、お帰りなさい竜神!」とアリスに抱き付かれた。
えっ? 何これ? アリス? 竜神? 前々世って『竜神』なのか?
「ほんとうね。お帰りなさい!」そう言って、イリス様にも抱き付かれた。ええっ?
「ああ、確率をいじり難かったのはこのせいか! お帰り!」とウリス様も抱き付いてきた! しかも、どさくさに紛れて、やばいことを口走ってるんだけど? アア、タシカニシテマシタネ。
「うん、やっぱりリュウジ怖い。竜神も怖い!」エリス様にも抱き付かれた。
あれ~っ? 俺達、知り合いだったのか?
けど、記憶にない俺にそんなことされても単純に嬉しいだけなんだけど? こういう場合どうすれば良いんだ?
「こほん。なんにしても、うまく行ったのなら、ここは祝杯を上げる時なんじゃない?」戸惑う俺を見て、女神サリスが言った。
「祝杯用の酒なら、いくらでもあるよ!」うん、思いっきり作ったよね。
「ああ、そうか。そうだよな。うまく行ったんだから、お祝いだな!」
「そうね。大成功よ! ぱぁ~っとパジャマパーティーしましょ~っ」とアリス。
「…「さんせ~いっ」…」
アリスの一声でパジャマパーティー決定! ああ、もうそういうことでいいか。未来視でオッケーなら大丈夫……なんだよな?
* * *
酒が入っても、メッセージ誘導の話は尽きない。
「感染症が、ああいった必然性で生まれるという考え方は新機軸です。これはわたしのテーマにもなりそうです」酔ってても真面目な女神オリス。
まぁ、あれって言ってみただけかもよ?
「私も、とっても興味あります。ひっく。『神力と魔力の関係』とか、『未来視』とか!」と女神カリス。
やっぱり、研究者って酔っても研究者なんだな。てか、寄ってる女神カリスを初めて見た。ちょっと色っぽいです。とか思ったら、アリスに睨まれた。
それはともかく、確かに面白そうだ。
まぁ、全然理解できなかった俺だけど。基礎知識のない俺に残しても意味ないよな? あとで女神カリスに教えてもらおう。
「この入れ子構造のような仕込み方がシビレます」女神キリスは、なんだか良く分からないこと言ってる。
「変異の生まれる訳かぁ。確かに、そういう視点は無かったな~っ」と女神クリス。
「あれ? 担当神ってことは、私が初心者教育したのかなぁ? って私ってば、二度担当してるじゃん! 返してよ!」と女神ケリス。
何を返したらいいんだろう? てか、俺も返せるものなら返したいぞ!
「なんか私、凄い神様からこの世界渡されたのね。うまく出来なくて当然なのね!」と変に納得しているコリス。いやいや。
「リュウジ、リュウジ。もう、リュウジが竜神だなんて嘘みたい!」とアリス。
それ、俺もまだ信じられないんだけど。てか、知らないんだけど。
「でも、なんとなく、納得しちゃったわ」とイリス様。そうなんだ。
「あ、リュウジ! なに難しい顔してるのら! あれ竜神? あれリュウジ?」ウリス様、飲み過ぎです!
「リュウジ~っ。ひっく。わらしきれい? ね~っ、きれい?」エリス様は、ちょっと悪酔いしてるっぽい。
* * *
とりあえず、過去の俺からのメッセージ誘導騒ぎは収まった。
しかし、俺自身はわけわからない状況に陥っていることがわかった。
過去の俺は難問を解決したつもりのようだが、今の俺にとっては難問を山積みされただけだ。
そもそも考えてみてみれば、確定したのはこれまでの百年でしかない。
これからの百年、いや、未来は未定なままなのだ。過去の俺は安心出来たのだろうが今の俺は全く安心できていない。
もちろん安定な世界になったというのも事実なのだろう。
その意味では、ひとまず気を緩めてもいいのかも知れない。過去のことは忘れてしまってもいいのかも知れない。
だが、これでは終わりそうもないというのが俺の正直な気持ちだった。
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