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南北大陸編
96 神界の鬼教官現る2
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初心者神教育は簡単に終了した。というか終了してしまった。
教育と言っても殆ど自分で学習するってことらしい。それでも便利だけど。
「優秀な生徒で助かったわ」と満足そうな教官ケリス。
「まぁ、訓練とかありませんでしたけど」と不満な俺。
「いいのよ。それより、天馬一号とか乗ってみたいんだけど!」いきなり何言い出すんだか。
「遊ぶ気満々ですね」ちょっと呆れ顔で言う俺。
「だって、折角あんたの所に来たんだもん」何が折角なんだか。
「ここ、アミューズメントパークでもなんでもないからな!」
「まぁまぁ~」
「あの。ホントに教官は教育の女神様なんですか?」
「そうよ。君は第二神だから私が直々に来てあげたのよ!」
ほんとかな? 折角とか言ってたし怪しい。
「そうですか」
「まぁ、普通に出ても来るんだけど」
「へぇ~、意外とマメなんだ」
「うん、ルセ島に来てたしね」
「遊んでたんじゃん!」
「オンとオフは、しっかり区別するのよ」ほんとかなぁ。オフとオフっぽいんだが。
「あ、教育の神様なら、これから子供達の学園とか作るのに相談にのってもらおうかな~っ」
「いいよ。どんとこいよ」
「ほんとかよ。ちょっと心配」
「大丈夫だって。それより、天馬一号よ」
「いや、あれは侍女隊の専用機だからダメです」
「え~っ? 他に無いの~っ?」
「ううん。試作機あったかな?」
「どれでもいいから~っ」
とりあえず、俺は椎名美鈴に連絡を取ってみた。あとは彼女に任せよう。
全く、何しに来たんだか。
* * *
「で、私のところへ来たと」ちょっと呆れ顔の美鈴。
「女神ケリスよ。よろしくね!」
「よろしくね! じゃないです。何してるんですか教官!」
「何って、リュウジ神の初心者神教育よ」
「え? 椎名美鈴の教官もしたの?」ちょっとびっくり。
「いえ、私は使徒なので、一年目にちょっとチェックが入った程度ですけど」
「俺、一年目のチェックとか入らなかったぞ。別件で、神界評議会に呼び出されたけどな」
「あ、そうね。アレがあったからチェックが無かったのよ」
「あれ、思いっきり大勢の神様からカツアゲされた気分なんだけど」
「あはははっ」なぜか美鈴に受けてる。ひどい。
「あははじゃないって。大変だったんだから」
「リュウジらしい展開ね」
「おいおい」
「ふふ、元気そうね。君の女神も元気そうだったけど」と女神ケリス。
「ん? 誰の女神だって?」
「ああ、美鈴さんの女神よ。なんか休暇中みたいで、ここ来る前に南国リゾートで見たわ」ルセ島か。
「マジですか」美鈴愕然としてる。
「なんで知らないのよ」
「美鈴は、俺の眷属になったんですよ」と教えてあげる。
「あらそうなの? それで一人で遊んでたのね」遊んでたんだ。
「女神様って暇なのか? それとも二人が遊び人なのかな?」
「失礼しちゃう。私はちゃんと仕事してます~。でも、人間に比べたら気長かも?」と女神ケリス。
「この女神様たちだけなんじゃ?」
「ねぇ、ちょっとリュウジ。この神様たちにリゾート与えちゃマズかったんじゃない?」と美鈴。
「奇遇だな。俺もいま、そう思った」
「ええ~っ、ちょっとリゾート止めないでよね! 急に暇になるのって辛いのよ!」
「凄い贅沢な悩みを偉そうに言わないでください。これは何か仕事を与えなくちゃいけない気がしてきた」
「そうよね。人間のリソース食ってるわけだし」
「だよな。タダ飯食わせるのは良くない!」
「ちょっと、それ私のせい? 私のせいだと恨まれちゃうんだけど!」いきなり焦りだす女神ケリス。
「でも、地上界の神様に何ができるかなぁ? あ、神石を作って貰おうか!」
「神石?」ケリスは知らなくて当然だ。
「うん、結晶石に神力を溜め込んだもの。エネルギー源として使ってるんだけど、タダ飯の代わりに、これを作って貰おう」
「なるほど。名案ね。神石と貨幣を交換すればいいわね!」美鈴も賛成らしい。
「これに神力溜めてみて」俺は持っていた小さい結晶石を渡した。
「これって魔石に使う石よね? これに、神力を溜めるの? ん~こんな感じ?」
女神ケリス、意外と上手い。簡単ならいいかも。
「そうそう。もう少し真っ白になるまで。うん、それでいい」
「これで、どのくらいの価値?」
「そうだなぁ。まぁ、リゾート使うのは無料として、豪華な食事を一日分くらいかな?」
「あら、ならすぐじゃない」
「いや、作るのは直ぐだろうけど。無駄遣いは出来ないよね?」
「あ、そういえばそうだね。使った神力のチェックは入るからね」
「まぁ、交換レートは別途考えるとして。リゾートを長く続けるためにも、これは制度化しておこう」
* * *
神石なら何個でも作るから天馬一号に乗せろとうるさいので、美鈴用の神魔動二輪に乗せてあげることにした。
「おお~っ、これよ~」何が、これなんだか。
さすがに女神様。
流せる神力は途方もないので、テストコースじゃ収まりきらない。急遽、街の外へ出て超音速に挑戦することになった。
リリー街道とアルテミス街道をつないだ直線コースで競争することになった。
まぁ、競争する相手は俺なんだけど。もう、真空膜フィールドの原理は把握してるので、自分でも展開できる。そう、俺は普通に超音速で飛べてしまうのだ。
「な、な、なんであんた、そんなに早く飛べるのよ~っ」
並んで飛ぶ俺をみてケリスがビビる。
「わははは。考案者なめんなよ~っ」
いや、自分で飛べるなら開発しなくていいじゃんっていう突っ込みは無しで。
後から飛べるようになっただけだし。神力を沢山使うのだが、第二神だし神化リングしてるから全然余裕だ。
このコースを音速で往復すると丁度一時間になる。これを五十分くらいで往復したので、さすがに女神ケリスも満足したようだ。
ま、満足しなくてもとっとと追い返そうと思ってたけど。
* * *
ただ、汗を流したので女神湯に入って帰りたいと言い出した。
普通に神界に帰れば汗は消えると思うけど、もうお約束でいいか。そう思って入れてやったのだが、なぜだか女神様大集合になってしまった。俺の派閥って露天風呂好きだよな~。
それはいいんだが……なんで風呂から上がった時点で女神ケリスまで眷属になってるんだ? ま、元気のいい神様は、うちのグループでは珍しいのでいいのか。
もう、それでいいことにするか。神様だし希望があれば、どんどん入れることにしよう。とりあえず、女神湯に楽しく一緒に入れるんなら問題無しってことで。
って、女神湯がさらに特別な場所になりつつあるような。ただの風呂だよな?
それにしても、そろそろ女神湯を拡張したほうがいいか?
* * *
女神湯の拡張はともかく、俺は聖アリステリアス王国の王様とも話して、ルセ島のリゾートを一部有料化することにした。
施設の利用は無料だけど、レストランの食事は有料だ。これで、王様からもスタッフの手配がやり易くなったと感謝された。そりゃ、そうだよね。俺がもっと注意すべきだった。
ちなみに、まだリゾートで遊んでた椎名美鈴の前の上位神は女神コリスという名前になった。仕事しないの?
<女神コリス>
イラスト:AIアニメジェネレーターにて生成。
https://perchance.org/ai-anime-generator
教育と言っても殆ど自分で学習するってことらしい。それでも便利だけど。
「優秀な生徒で助かったわ」と満足そうな教官ケリス。
「まぁ、訓練とかありませんでしたけど」と不満な俺。
「いいのよ。それより、天馬一号とか乗ってみたいんだけど!」いきなり何言い出すんだか。
「遊ぶ気満々ですね」ちょっと呆れ顔で言う俺。
「だって、折角あんたの所に来たんだもん」何が折角なんだか。
「ここ、アミューズメントパークでもなんでもないからな!」
「まぁまぁ~」
「あの。ホントに教官は教育の女神様なんですか?」
「そうよ。君は第二神だから私が直々に来てあげたのよ!」
ほんとかな? 折角とか言ってたし怪しい。
「そうですか」
「まぁ、普通に出ても来るんだけど」
「へぇ~、意外とマメなんだ」
「うん、ルセ島に来てたしね」
「遊んでたんじゃん!」
「オンとオフは、しっかり区別するのよ」ほんとかなぁ。オフとオフっぽいんだが。
「あ、教育の神様なら、これから子供達の学園とか作るのに相談にのってもらおうかな~っ」
「いいよ。どんとこいよ」
「ほんとかよ。ちょっと心配」
「大丈夫だって。それより、天馬一号よ」
「いや、あれは侍女隊の専用機だからダメです」
「え~っ? 他に無いの~っ?」
「ううん。試作機あったかな?」
「どれでもいいから~っ」
とりあえず、俺は椎名美鈴に連絡を取ってみた。あとは彼女に任せよう。
全く、何しに来たんだか。
* * *
「で、私のところへ来たと」ちょっと呆れ顔の美鈴。
「女神ケリスよ。よろしくね!」
「よろしくね! じゃないです。何してるんですか教官!」
「何って、リュウジ神の初心者神教育よ」
「え? 椎名美鈴の教官もしたの?」ちょっとびっくり。
「いえ、私は使徒なので、一年目にちょっとチェックが入った程度ですけど」
「俺、一年目のチェックとか入らなかったぞ。別件で、神界評議会に呼び出されたけどな」
「あ、そうね。アレがあったからチェックが無かったのよ」
「あれ、思いっきり大勢の神様からカツアゲされた気分なんだけど」
「あはははっ」なぜか美鈴に受けてる。ひどい。
「あははじゃないって。大変だったんだから」
「リュウジらしい展開ね」
「おいおい」
「ふふ、元気そうね。君の女神も元気そうだったけど」と女神ケリス。
「ん? 誰の女神だって?」
「ああ、美鈴さんの女神よ。なんか休暇中みたいで、ここ来る前に南国リゾートで見たわ」ルセ島か。
「マジですか」美鈴愕然としてる。
「なんで知らないのよ」
「美鈴は、俺の眷属になったんですよ」と教えてあげる。
「あらそうなの? それで一人で遊んでたのね」遊んでたんだ。
「女神様って暇なのか? それとも二人が遊び人なのかな?」
「失礼しちゃう。私はちゃんと仕事してます~。でも、人間に比べたら気長かも?」と女神ケリス。
「この女神様たちだけなんじゃ?」
「ねぇ、ちょっとリュウジ。この神様たちにリゾート与えちゃマズかったんじゃない?」と美鈴。
「奇遇だな。俺もいま、そう思った」
「ええ~っ、ちょっとリゾート止めないでよね! 急に暇になるのって辛いのよ!」
「凄い贅沢な悩みを偉そうに言わないでください。これは何か仕事を与えなくちゃいけない気がしてきた」
「そうよね。人間のリソース食ってるわけだし」
「だよな。タダ飯食わせるのは良くない!」
「ちょっと、それ私のせい? 私のせいだと恨まれちゃうんだけど!」いきなり焦りだす女神ケリス。
「でも、地上界の神様に何ができるかなぁ? あ、神石を作って貰おうか!」
「神石?」ケリスは知らなくて当然だ。
「うん、結晶石に神力を溜め込んだもの。エネルギー源として使ってるんだけど、タダ飯の代わりに、これを作って貰おう」
「なるほど。名案ね。神石と貨幣を交換すればいいわね!」美鈴も賛成らしい。
「これに神力溜めてみて」俺は持っていた小さい結晶石を渡した。
「これって魔石に使う石よね? これに、神力を溜めるの? ん~こんな感じ?」
女神ケリス、意外と上手い。簡単ならいいかも。
「そうそう。もう少し真っ白になるまで。うん、それでいい」
「これで、どのくらいの価値?」
「そうだなぁ。まぁ、リゾート使うのは無料として、豪華な食事を一日分くらいかな?」
「あら、ならすぐじゃない」
「いや、作るのは直ぐだろうけど。無駄遣いは出来ないよね?」
「あ、そういえばそうだね。使った神力のチェックは入るからね」
「まぁ、交換レートは別途考えるとして。リゾートを長く続けるためにも、これは制度化しておこう」
* * *
神石なら何個でも作るから天馬一号に乗せろとうるさいので、美鈴用の神魔動二輪に乗せてあげることにした。
「おお~っ、これよ~」何が、これなんだか。
さすがに女神様。
流せる神力は途方もないので、テストコースじゃ収まりきらない。急遽、街の外へ出て超音速に挑戦することになった。
リリー街道とアルテミス街道をつないだ直線コースで競争することになった。
まぁ、競争する相手は俺なんだけど。もう、真空膜フィールドの原理は把握してるので、自分でも展開できる。そう、俺は普通に超音速で飛べてしまうのだ。
「な、な、なんであんた、そんなに早く飛べるのよ~っ」
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いや、自分で飛べるなら開発しなくていいじゃんっていう突っ込みは無しで。
後から飛べるようになっただけだし。神力を沢山使うのだが、第二神だし神化リングしてるから全然余裕だ。
このコースを音速で往復すると丁度一時間になる。これを五十分くらいで往復したので、さすがに女神ケリスも満足したようだ。
ま、満足しなくてもとっとと追い返そうと思ってたけど。
* * *
ただ、汗を流したので女神湯に入って帰りたいと言い出した。
普通に神界に帰れば汗は消えると思うけど、もうお約束でいいか。そう思って入れてやったのだが、なぜだか女神様大集合になってしまった。俺の派閥って露天風呂好きだよな~。
それはいいんだが……なんで風呂から上がった時点で女神ケリスまで眷属になってるんだ? ま、元気のいい神様は、うちのグループでは珍しいのでいいのか。
もう、それでいいことにするか。神様だし希望があれば、どんどん入れることにしよう。とりあえず、女神湯に楽しく一緒に入れるんなら問題無しってことで。
って、女神湯がさらに特別な場所になりつつあるような。ただの風呂だよな?
それにしても、そろそろ女神湯を拡張したほうがいいか?
* * *
女神湯の拡張はともかく、俺は聖アリステリアス王国の王様とも話して、ルセ島のリゾートを一部有料化することにした。
施設の利用は無料だけど、レストランの食事は有料だ。これで、王様からもスタッフの手配がやり易くなったと感謝された。そりゃ、そうだよね。俺がもっと注意すべきだった。
ちなみに、まだリゾートで遊んでた椎名美鈴の前の上位神は女神コリスという名前になった。仕事しないの?
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