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神界派閥抗争編
66 惑星リセット先行実施の請願出される1
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その日、俺は一人露天風呂に入っていた。
ここが中二階にあることもあり、最近の嫁達は後宮にあるシャワー室を使うことのほうが多くなっているためだ。
このところ神聖アリス教国の建国がらみで動き回っていたので、久しぶりのゆったり露天風呂を堪能していた。
ぽしゃっ
「うん?」
見るとアリスが来ていた。
「どうしたんだ。そんな顔して」
見たことない表情なので聞いてみた。
「リュウジ、ちょっと変なのよ」
「俺は変じゃないぞ」
「私も変じゃないわよ。そうじゃなくて、神界の雰囲気がよ」
「神界の? どういうことだ?」
「なんていうのかな。ちょっと私達、注目を浴びちゃったじゃない? 神化リング関係で」
「ああ、そのことか」
「それで上位神から睨まれてるというか、要注意神みたいな感じになっちゃってるのよ」
「アリスがか? なんだよそれ。上位神に嫌われてるのか?」
「直接上の神様じゃないけどね。ずっと上の上位神たちに注目されてるのよ」
「ふうん。神界も、いろいろあるんだな」
「そうね。力関係とかね」
「力? エネルギー革命が気に入らなかった?」
「そんなこともないと思うんだけど? 喜んでる神はいっぱい居たし」
ぽちゃっ
そんな話をしていたら、さらに降りてきた。イリス様が。
「はぁ。もう何かしら。疲れちゃったわ」
「お姉さま!」
「イリス様、お久しぶりです」
「リュウジ、ちょっとここでゆっくりさせてね」
「はい、イリス様ならいつでも、いつまでも」
「ふふっ。嬉しい」イリス様がぐっと接近してきて、もう俺ドキドキです。
「リュウジの間抜けな顔見てるだけで、和みますよね。お姉さま」とアリス。
「ひどい」と言いつつ否定はしない。我ながらそういう顔してるに違いないと思う。
「まぁ、アリスったら」
「私もリュウジもお姉さまにメロメロなので仕方ないわね。私の使徒だし」
「そういう系統なのかな」
「そうね。これは、そういう神力つながりよ、運命よきっと」と、アリスは澄まして言う。
「うふふ」
ぽちゃ
「も~、やってられないのである!」ウリス様登場。あれ、ここ風呂だけどいいのかな?
「まったく、あいつら。神化リングが欲しいなら欲しいって言えばいいのだ」腕を組んで言う。
「ウリス様、こんばんは!」一応、俺いますけど?
「聞くのだ、リュウジ! 神化リング使ってたら上位神が横で嫌み言うなんてあり得ないのだ。お前のためにやってるのに、ばかばかしいので出てきたのだ」ウリス様、全然気にしていない。
「えっ? ウリス様、上位神に頼まれた仕事を放って来ちゃったんですか?」
「構わないのだっ」
「「「えええ~~っ」」」
いや、うるうるしてるウリス様初めて見た。意外と可愛い。
「おい人間、我をなぐさめるのだ」
「あ、はい。よく分かんないですけど、ウリス様は悪くありません」
「そうだろう、そうだろう。お前は、良く出来た人間だな。よしよし」あれ? 俺、なんで慰められてるんだ?
ぽちゃ
今度は誰だ?
「リュウジぃ」エリス様登場。
「えっ。エリス様まで、どうなってんだ?」
「知らない。もう、知らない。このまま家出しちゃう」
「家あったんですか?」
「そんな。浮浪者じゃあるまいし。もう、ここに住む」女神湯に? 歓迎しますけど。
「絵~」
「それ、ギャグのつもりなの?」と突っ込むエリス様。
「ええ~っ」なんで、分かるんだよ?
「もう」
とか言いながら、やっぱり恥ずかしいのかウリス様の後ろに隠れるエリス様。
「なんだか、本当におかしなことになってますね」
「でしょ~?」とアリス。
「そうね」イリス様も。
「これって、やっぱ俺が知ってる女神様だけに神化リングを配っちゃったせいなんでしょうか?」
「そんな、子供じみたことはないと思うんだけど。面白くないと思ってる神様がいるようね」とイリス様。
「言ってもらえば提供しますけど」
「『言えば』というのも問題なんでしょうね」とイリス様。
「でも神界のエネルギーが増えることは歓迎してたハズ」とアリス。
「そうね。神界のことだけだったら良かったんだと思う」とイリス様。
「あ、魔石の大量生産で、地上もエネルギー革命起こしちゃったからまずかったのか」
「ええ、おそらく。地上の信仰に依存しているのに力を持っているのは神界だったでしょ? それが、信仰に関係のない力が増してパワーバランスが崩れてきたのが問題なんでしょうね」そうイリス様は神界の事情を説明してくれた。
「つまり、下界のくせに神界と同等のパワーを持つなってことか」
「まぁ、平たく言えば」
「不干渉主義なのに」
「そうよね! まぁ、可能性があるだけで問題なのかもね」とアリス。
「しかしなぁ、そんなこと言われても」
さすがに、神界や神様の事は分からないぞ。
「あっ」
いきなりアリスがびっくりした顔で声を上げた。
「アリス?」
「いま、連絡があった。リュウジ、神界評議会に緊急招集が掛かったわ」
なに!
「神界評議会って、あの?」
「そう、神界特別措置法を審査するところ。『惑星リセット先行実施の請願』が出されたわ」
「まずいわね」困惑気味にイリス様が言った。
「ヤバイ雰囲気なのだ」とウリス様。
「先行実施?」エリス様は知らない模様。
「神界特別措置法の適用は十年後ってことになってたでしょ? それを早めろって話。これが通ると予備審査を実施して早めに実行されちゃう」とアリス。
「なんだって~っ」
「かなり急進的な一派がいるようね」とイリス様。
身重の嫁を巻き込むわけにはいかないので、湯から上がった俺達は本館の俺の部屋で話を続けることにした。
* * *
「これが、請願の内容」
そう言って、アリスが届いた内容を神力経由で俺に見せてくれた。他の女神様にも到着しているようだ。
『神界特別措置法の適用について、以下の理由により先行実施を請願する。
・魔法共生菌の危険性は全く減少していない。
・魔法共生菌に依存する魔石作成は反神界である。
・魔力は使徒の神格化を抑制する。これも反神界である。
・神界と下界のパワーバランスが崩れ、下界が神界と対等になりつつある。
・一連の事態を引き起こしている使徒「リュウジ」は魔王化の危険性がある。
以上、速やかな調査の上、惑星リセットを実施されたし』
なにこれ、俺が目の敵にされてるのか?
ここが中二階にあることもあり、最近の嫁達は後宮にあるシャワー室を使うことのほうが多くなっているためだ。
このところ神聖アリス教国の建国がらみで動き回っていたので、久しぶりのゆったり露天風呂を堪能していた。
ぽしゃっ
「うん?」
見るとアリスが来ていた。
「どうしたんだ。そんな顔して」
見たことない表情なので聞いてみた。
「リュウジ、ちょっと変なのよ」
「俺は変じゃないぞ」
「私も変じゃないわよ。そうじゃなくて、神界の雰囲気がよ」
「神界の? どういうことだ?」
「なんていうのかな。ちょっと私達、注目を浴びちゃったじゃない? 神化リング関係で」
「ああ、そのことか」
「それで上位神から睨まれてるというか、要注意神みたいな感じになっちゃってるのよ」
「アリスがか? なんだよそれ。上位神に嫌われてるのか?」
「直接上の神様じゃないけどね。ずっと上の上位神たちに注目されてるのよ」
「ふうん。神界も、いろいろあるんだな」
「そうね。力関係とかね」
「力? エネルギー革命が気に入らなかった?」
「そんなこともないと思うんだけど? 喜んでる神はいっぱい居たし」
ぽちゃっ
そんな話をしていたら、さらに降りてきた。イリス様が。
「はぁ。もう何かしら。疲れちゃったわ」
「お姉さま!」
「イリス様、お久しぶりです」
「リュウジ、ちょっとここでゆっくりさせてね」
「はい、イリス様ならいつでも、いつまでも」
「ふふっ。嬉しい」イリス様がぐっと接近してきて、もう俺ドキドキです。
「リュウジの間抜けな顔見てるだけで、和みますよね。お姉さま」とアリス。
「ひどい」と言いつつ否定はしない。我ながらそういう顔してるに違いないと思う。
「まぁ、アリスったら」
「私もリュウジもお姉さまにメロメロなので仕方ないわね。私の使徒だし」
「そういう系統なのかな」
「そうね。これは、そういう神力つながりよ、運命よきっと」と、アリスは澄まして言う。
「うふふ」
ぽちゃ
「も~、やってられないのである!」ウリス様登場。あれ、ここ風呂だけどいいのかな?
「まったく、あいつら。神化リングが欲しいなら欲しいって言えばいいのだ」腕を組んで言う。
「ウリス様、こんばんは!」一応、俺いますけど?
「聞くのだ、リュウジ! 神化リング使ってたら上位神が横で嫌み言うなんてあり得ないのだ。お前のためにやってるのに、ばかばかしいので出てきたのだ」ウリス様、全然気にしていない。
「えっ? ウリス様、上位神に頼まれた仕事を放って来ちゃったんですか?」
「構わないのだっ」
「「「えええ~~っ」」」
いや、うるうるしてるウリス様初めて見た。意外と可愛い。
「おい人間、我をなぐさめるのだ」
「あ、はい。よく分かんないですけど、ウリス様は悪くありません」
「そうだろう、そうだろう。お前は、良く出来た人間だな。よしよし」あれ? 俺、なんで慰められてるんだ?
ぽちゃ
今度は誰だ?
「リュウジぃ」エリス様登場。
「えっ。エリス様まで、どうなってんだ?」
「知らない。もう、知らない。このまま家出しちゃう」
「家あったんですか?」
「そんな。浮浪者じゃあるまいし。もう、ここに住む」女神湯に? 歓迎しますけど。
「絵~」
「それ、ギャグのつもりなの?」と突っ込むエリス様。
「ええ~っ」なんで、分かるんだよ?
「もう」
とか言いながら、やっぱり恥ずかしいのかウリス様の後ろに隠れるエリス様。
「なんだか、本当におかしなことになってますね」
「でしょ~?」とアリス。
「そうね」イリス様も。
「これって、やっぱ俺が知ってる女神様だけに神化リングを配っちゃったせいなんでしょうか?」
「そんな、子供じみたことはないと思うんだけど。面白くないと思ってる神様がいるようね」とイリス様。
「言ってもらえば提供しますけど」
「『言えば』というのも問題なんでしょうね」とイリス様。
「でも神界のエネルギーが増えることは歓迎してたハズ」とアリス。
「そうね。神界のことだけだったら良かったんだと思う」とイリス様。
「あ、魔石の大量生産で、地上もエネルギー革命起こしちゃったからまずかったのか」
「ええ、おそらく。地上の信仰に依存しているのに力を持っているのは神界だったでしょ? それが、信仰に関係のない力が増してパワーバランスが崩れてきたのが問題なんでしょうね」そうイリス様は神界の事情を説明してくれた。
「つまり、下界のくせに神界と同等のパワーを持つなってことか」
「まぁ、平たく言えば」
「不干渉主義なのに」
「そうよね! まぁ、可能性があるだけで問題なのかもね」とアリス。
「しかしなぁ、そんなこと言われても」
さすがに、神界や神様の事は分からないぞ。
「あっ」
いきなりアリスがびっくりした顔で声を上げた。
「アリス?」
「いま、連絡があった。リュウジ、神界評議会に緊急招集が掛かったわ」
なに!
「神界評議会って、あの?」
「そう、神界特別措置法を審査するところ。『惑星リセット先行実施の請願』が出されたわ」
「まずいわね」困惑気味にイリス様が言った。
「ヤバイ雰囲気なのだ」とウリス様。
「先行実施?」エリス様は知らない模様。
「神界特別措置法の適用は十年後ってことになってたでしょ? それを早めろって話。これが通ると予備審査を実施して早めに実行されちゃう」とアリス。
「なんだって~っ」
「かなり急進的な一派がいるようね」とイリス様。
身重の嫁を巻き込むわけにはいかないので、湯から上がった俺達は本館の俺の部屋で話を続けることにした。
* * *
「これが、請願の内容」
そう言って、アリスが届いた内容を神力経由で俺に見せてくれた。他の女神様にも到着しているようだ。
『神界特別措置法の適用について、以下の理由により先行実施を請願する。
・魔法共生菌の危険性は全く減少していない。
・魔法共生菌に依存する魔石作成は反神界である。
・魔力は使徒の神格化を抑制する。これも反神界である。
・神界と下界のパワーバランスが崩れ、下界が神界と対等になりつつある。
・一連の事態を引き起こしている使徒「リュウジ」は魔王化の危険性がある。
以上、速やかな調査の上、惑星リセットを実施されたし』
なにこれ、俺が目の敵にされてるのか?
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