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黎明編
35 再び神界へ
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女神の湯でセレーネ達が突入してくる少し前。アリスはリュウジとその使徒たちに神界で審議された神界特別措置法について詳しく話していた。大方の予想通り、危険な魔法共生菌は即刻殲滅すべしとの事で意見が一致したようだ。
「詳しくは、後で話すけど神界特別措置法の適用が正式に決定したわ。これは、覆ることがない決定よ。ただし、その方法については担当神である私と神界で協議して決めることになったの。最悪、星自体が消滅する覚悟が必要。だから、神界が納得するような別の対処方法を見つけなきゃならない。協力してくれるかしら?」
「当然だ」
「勿論よ」とニーナ。
「やるよ~」とミルル。
「身命を賭して」とセシル。いや君、子供作るのなら命は大切に。
* * *
翌朝、俺と俺の嫁全員つまり女神アリスの使徒は執務室のアリスの下に集められた。
「おおよそは、昨夜言った通り。神界特別措置法が正式に適用されました。これは管理世界をどのように消去するかを規定しています。同時に、この決定は覆りません。」
アリスはそこまで言って皆を見た。
「通常、神界は各世界の個別の事柄については対応しません。対応するとすれば、このような皆さんから見たら大変大雑把な対応になります。ですから、私達がやるべき事は、この世界を守り、しかも神界を納得させる方法を探し出すことになります。それが出来なければ、この星は消されてしまいます」
改めて聞くと凄いことになっているんだよな。ただ、こんなことに携わっていても、生きている以上普通の生活も続けていかなければならない。このギャップは結構負担に感じる。
俺たちは勇者の旅をしている訳ではないのだ。誰かに明かすことも出来ない。たとえ明かせたとしても、力になれる者はいない。ここにいる者達だけで対処する必要があった。
一同が静かになるのを待って、アリスは再び話を続けた。
「神界特別措置法の消去方法をお話する前に、まず通常の神界リセットの話をしておきます」
「神界リセットとは担当神からの報告をもとに神界が決定するもので、地上の生命を全て殲滅するものです。細菌から大型生物まで、全て痕跡を残さず消し去ります。この措置は非常に強力で、七日間継続されます。地上が一週間、業火に包まれると思ってください」
「神界リセット」とニーナ。
「おお、恐ろしい」とセレーネ。
「ひっ」とセシル。
想像すると、思わずそんな声がでてしまう。無理もない。
「そして、今回の神界特別措置法の消去方法ですが、最低でも「惑星リセット」になります。これは惑星に随伴する月または相当する星間物質を惑星に落とすことで徹底的に破壊する方法です」
俺の嫁さんたちは、固まってしまった。多分、理解できていない。
「さらに、この上には星系リセットがあります。これは太陽を爆発させて星系を丸ごと消滅させる方法です。今回は、ここまで行う必要はないと思います」
みんなもう、放心状態です。というか、宇宙の概念がないので何を言っているのか分かってないと思う。しきりに俺を見てくるので、うんと頷いてやる。
「つまり、神界特別措置法の通常の方法はどれも、実行させるわけにはいかないのです」
うん、うん。良く分からなくても、激しくうなずく嫁達。
「じゃぁ、対策を。リュウジ」アリスは、話を俺に渡した。
「分かった」俺は、アリスに変わって、椅子から立ち上がって話始めた。
「俺は、お前たちを死なせない」
もちろん完全に使徒になれば死なないのだが知り合った人たち全てだ。
「そのための案を考えたので聞いてほしい」
「まず、俺はこの世界よりもずっと優れた文明を持つ世界からやって来た」
嫁達は頷いているが、知らない世界のことなので漠然と聞いているだけだ。ただ、期待しているのは分かる。
「その世界の技術を以ってしても、魔法共生菌に打ち勝つことが出来るかどうかは分からない。神の力で滅ぼせなかったものを人間の力で滅ぼそうという話だから、当然と言えば当然だ」
それを聞いた嫁達は、さすがに残念そうな顔をした。
これは仕方ない。俺は俺の世界のほんの一部の情報しか持って来ていないからだ。
「だが、ここには俺が元居た世界よりも優れたものがあることに気が付いた」
嫁達、ぱっと明るい顔になる。
「それは、お前達だ!」
嫁達、一気に不安そうになる。
「わ、わたくし達ですか」とセレーネ。
「私たちなの?」とニーナ。
「え~っ、わたしたち~?」とミルル。
「そして、もちろん俺もだ。俺とお前達だ。俺達には魔法共生菌を殲滅する薬を作るための素晴らしい能力が備わっている」
俺は、そう言い放った。嫁達は、怪訝そうな顔で聞き耳を立てる。
「既に、使徒になってる者は知っているが、俺達には千里眼という遥か遠くを見る能力がある。これは、別に覗きのための能力ではない」ま、覗いたりもするんだけどね。
「あっ」ミルルは何か気が付いたのか?
「この千里眼だが、近づいて顔などをアップにしたとこで終わりにしないで、さらにズームアップすることが出来る。拡大を続けると、産毛が大木のように見え、さらにズームすると細菌が見えるようになるんだ」
「えええっ、そんなに接近できるんですか?」思わず、声を出すセシル。
そう。つまり、この千里眼は超望遠鏡であると同時に超顕微鏡だったのだ。神力顕微鏡だ。これを使えば細胞や細菌。そして免疫細胞まで見ることが可能なのだ。さすがは神の能力。果てしない。
「確かに素晴らしいですけど、それをどのように使うんですの?」セレーネが言った。
「そこだ」
「この能力があれば、魔法共生菌を発見でき、その性質を調べることができる。体の一部だけに居るということは、他の部分には居られないことを意味している。何を好み何を嫌うのか。どうすれば死滅するのかが分かれば、殲滅させる薬が作れるだろう」
俺に医学的知識があれば良かったんだが無いものは無い。まぁ、その辺は医学の神様に頼るしかないだろう。神様ならどうとでも出来るよな?
「なんだか、よくわかりませんが、使徒の能力を使えば薬が作れるということですね?」
セレーネはまだ使徒の能力を使ったことがないからな。でも、さすがの理解力だ。
「そういうことだ。ただし、簡単にはいかないだろう。神界の協力も仰ぎたい。だから、これを専門に研究する機関を設立するつもりだ。俺はこれを魔法共生菌を殲滅する方法として神界に提案する。神界は個別に手を下すことはしないが使徒と人間が協力することは否定しないと思う。みんなには、その中心となって働いてもらいたい。協力してくれるか?」
「当然よ」とニーナ。
「協力する~」とミルル。
「はい、協力致します」とセシル。
「「「もちろん」」」とセレーネ達。
俺は、言ったことが皆に理解されるのを待った。
「ただ、かなりの資金と時間が必要になる。単に薬を作るだけじゃなく、世界中に配らなくちゃならない。一国の問題じゃなくて、世界全体星全体の問題だからな。」
「確かに」とニーナ。
「そだね」とミルル。
「ええ」とセシル。
「幸い、俺たちには自動荷車があるから迅速に配る方法はある。だが、世界中へ効率よく配るには組織化する必要があるだろう。今までにない組織を立ち上げるのだから大変だろうが街の協力は約束して貰った」
「ちょっと宜しいでしょうか?」
少し考えたあと、セレーネがおもむろに言った。
「わたくし、リュウジ様と結婚した暁には、リュウジ様を焚きつけて国王にしようとしていたんですの」
「姉さま、それは……」とアルテミス。
「そうではありませんの。当初の目的とは些か異なりますが、リュウジ様がこの地で立国すれば、研究機関の資金など、いかようにも用立て出来るのではありませんか?」
「ほう」確かに。
「いえ、いちから作らなくても、今あるものを使えばよろしいのです。リュウジ様が統治したくないのであれば、今の町長以下の顔役たちを元老院議員に任命すればよろしいのです。そこは今と同じ議会制です。そうすれば、現在アリステリアスに納めている税金をそのまま研究機関に使うことが出来ますわ」
なるほど、ここにセレーネという優秀な人間がいたか。
このセレーネを俺の補佐官にすれば、確かに国を作れるのかもしれない。それなら、俺のやることはそれほど多くないのかもしれない。
「ということは、『君主は君臨すれど統治せず』ということを国の基本的な法とすればいいわけだな」
俺は持っていた僅かな知識で言った。
「……まぁ! はい、そうです! 驚きましたわ。わたくしの考えを即座に理解された殿方は初めてですわ。さすがです、リュウジ様!」
そんな、キラキラした目で見られても困る。すまん、俺の世界じゃ、これ中学生でも知ってる……とは言えない。というか、そんなことを考えてたお前こそ凄い。王族でこんな考えを持つとは恐れ入った。
「分かりました、それで行きましょう」セレーネも納得したようだ。
「それから、これは直ぐにというわけではありませんが、私たち聖アリステリアス王国の王女全員がリュウジ様に嫁ぎますので、近い将来に聖アリステリアス王国とリュウジ様が作る国の統合について話し合う必要があります。これも考慮に入れて建国を行う必要があります」
「あっ。気付かなかった」
「国一つ貰い受けて、気付かないなんてリュウジ様くらいですわ」
セレーネちょっと溜息をつく仕草をする。が、満足そうだ。そんな様子を他の嫁達も好ましく思っているようだった。
「纏まったようですね。神の力だけで滅ぼせなかったなら、神と使徒と人間とで協力しましょうという提案です。これで、神界へ行くことが出来るでしょう」
アリスも神界を説得する自信が付いたのか明るい顔で言った。素案だけだが、これでどう動けばいいのか見えてきたからだ。
* * *
その後、俺達が神界へ持って行った提案は概ね了承された。
さらに、特別措置法の適用猶予が十年と決まった。この期間内に魔法共生菌が根絶またはこれと同等と見做されなければ惑星リセットが実行されることになる。
そう、あまり時間があるとは言えない。
「詳しくは、後で話すけど神界特別措置法の適用が正式に決定したわ。これは、覆ることがない決定よ。ただし、その方法については担当神である私と神界で協議して決めることになったの。最悪、星自体が消滅する覚悟が必要。だから、神界が納得するような別の対処方法を見つけなきゃならない。協力してくれるかしら?」
「当然だ」
「勿論よ」とニーナ。
「やるよ~」とミルル。
「身命を賭して」とセシル。いや君、子供作るのなら命は大切に。
* * *
翌朝、俺と俺の嫁全員つまり女神アリスの使徒は執務室のアリスの下に集められた。
「おおよそは、昨夜言った通り。神界特別措置法が正式に適用されました。これは管理世界をどのように消去するかを規定しています。同時に、この決定は覆りません。」
アリスはそこまで言って皆を見た。
「通常、神界は各世界の個別の事柄については対応しません。対応するとすれば、このような皆さんから見たら大変大雑把な対応になります。ですから、私達がやるべき事は、この世界を守り、しかも神界を納得させる方法を探し出すことになります。それが出来なければ、この星は消されてしまいます」
改めて聞くと凄いことになっているんだよな。ただ、こんなことに携わっていても、生きている以上普通の生活も続けていかなければならない。このギャップは結構負担に感じる。
俺たちは勇者の旅をしている訳ではないのだ。誰かに明かすことも出来ない。たとえ明かせたとしても、力になれる者はいない。ここにいる者達だけで対処する必要があった。
一同が静かになるのを待って、アリスは再び話を続けた。
「神界特別措置法の消去方法をお話する前に、まず通常の神界リセットの話をしておきます」
「神界リセットとは担当神からの報告をもとに神界が決定するもので、地上の生命を全て殲滅するものです。細菌から大型生物まで、全て痕跡を残さず消し去ります。この措置は非常に強力で、七日間継続されます。地上が一週間、業火に包まれると思ってください」
「神界リセット」とニーナ。
「おお、恐ろしい」とセレーネ。
「ひっ」とセシル。
想像すると、思わずそんな声がでてしまう。無理もない。
「そして、今回の神界特別措置法の消去方法ですが、最低でも「惑星リセット」になります。これは惑星に随伴する月または相当する星間物質を惑星に落とすことで徹底的に破壊する方法です」
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みんなもう、放心状態です。というか、宇宙の概念がないので何を言っているのか分かってないと思う。しきりに俺を見てくるので、うんと頷いてやる。
「つまり、神界特別措置法の通常の方法はどれも、実行させるわけにはいかないのです」
うん、うん。良く分からなくても、激しくうなずく嫁達。
「じゃぁ、対策を。リュウジ」アリスは、話を俺に渡した。
「分かった」俺は、アリスに変わって、椅子から立ち上がって話始めた。
「俺は、お前たちを死なせない」
もちろん完全に使徒になれば死なないのだが知り合った人たち全てだ。
「そのための案を考えたので聞いてほしい」
「まず、俺はこの世界よりもずっと優れた文明を持つ世界からやって来た」
嫁達は頷いているが、知らない世界のことなので漠然と聞いているだけだ。ただ、期待しているのは分かる。
「その世界の技術を以ってしても、魔法共生菌に打ち勝つことが出来るかどうかは分からない。神の力で滅ぼせなかったものを人間の力で滅ぼそうという話だから、当然と言えば当然だ」
それを聞いた嫁達は、さすがに残念そうな顔をした。
これは仕方ない。俺は俺の世界のほんの一部の情報しか持って来ていないからだ。
「だが、ここには俺が元居た世界よりも優れたものがあることに気が付いた」
嫁達、ぱっと明るい顔になる。
「それは、お前達だ!」
嫁達、一気に不安そうになる。
「わ、わたくし達ですか」とセレーネ。
「私たちなの?」とニーナ。
「え~っ、わたしたち~?」とミルル。
「そして、もちろん俺もだ。俺とお前達だ。俺達には魔法共生菌を殲滅する薬を作るための素晴らしい能力が備わっている」
俺は、そう言い放った。嫁達は、怪訝そうな顔で聞き耳を立てる。
「既に、使徒になってる者は知っているが、俺達には千里眼という遥か遠くを見る能力がある。これは、別に覗きのための能力ではない」ま、覗いたりもするんだけどね。
「あっ」ミルルは何か気が付いたのか?
「この千里眼だが、近づいて顔などをアップにしたとこで終わりにしないで、さらにズームアップすることが出来る。拡大を続けると、産毛が大木のように見え、さらにズームすると細菌が見えるようになるんだ」
「えええっ、そんなに接近できるんですか?」思わず、声を出すセシル。
そう。つまり、この千里眼は超望遠鏡であると同時に超顕微鏡だったのだ。神力顕微鏡だ。これを使えば細胞や細菌。そして免疫細胞まで見ることが可能なのだ。さすがは神の能力。果てしない。
「確かに素晴らしいですけど、それをどのように使うんですの?」セレーネが言った。
「そこだ」
「この能力があれば、魔法共生菌を発見でき、その性質を調べることができる。体の一部だけに居るということは、他の部分には居られないことを意味している。何を好み何を嫌うのか。どうすれば死滅するのかが分かれば、殲滅させる薬が作れるだろう」
俺に医学的知識があれば良かったんだが無いものは無い。まぁ、その辺は医学の神様に頼るしかないだろう。神様ならどうとでも出来るよな?
「なんだか、よくわかりませんが、使徒の能力を使えば薬が作れるということですね?」
セレーネはまだ使徒の能力を使ったことがないからな。でも、さすがの理解力だ。
「そういうことだ。ただし、簡単にはいかないだろう。神界の協力も仰ぎたい。だから、これを専門に研究する機関を設立するつもりだ。俺はこれを魔法共生菌を殲滅する方法として神界に提案する。神界は個別に手を下すことはしないが使徒と人間が協力することは否定しないと思う。みんなには、その中心となって働いてもらいたい。協力してくれるか?」
「当然よ」とニーナ。
「協力する~」とミルル。
「はい、協力致します」とセシル。
「「「もちろん」」」とセレーネ達。
俺は、言ったことが皆に理解されるのを待った。
「ただ、かなりの資金と時間が必要になる。単に薬を作るだけじゃなく、世界中に配らなくちゃならない。一国の問題じゃなくて、世界全体星全体の問題だからな。」
「確かに」とニーナ。
「そだね」とミルル。
「ええ」とセシル。
「幸い、俺たちには自動荷車があるから迅速に配る方法はある。だが、世界中へ効率よく配るには組織化する必要があるだろう。今までにない組織を立ち上げるのだから大変だろうが街の協力は約束して貰った」
「ちょっと宜しいでしょうか?」
少し考えたあと、セレーネがおもむろに言った。
「わたくし、リュウジ様と結婚した暁には、リュウジ様を焚きつけて国王にしようとしていたんですの」
「姉さま、それは……」とアルテミス。
「そうではありませんの。当初の目的とは些か異なりますが、リュウジ様がこの地で立国すれば、研究機関の資金など、いかようにも用立て出来るのではありませんか?」
「ほう」確かに。
「いえ、いちから作らなくても、今あるものを使えばよろしいのです。リュウジ様が統治したくないのであれば、今の町長以下の顔役たちを元老院議員に任命すればよろしいのです。そこは今と同じ議会制です。そうすれば、現在アリステリアスに納めている税金をそのまま研究機関に使うことが出来ますわ」
なるほど、ここにセレーネという優秀な人間がいたか。
このセレーネを俺の補佐官にすれば、確かに国を作れるのかもしれない。それなら、俺のやることはそれほど多くないのかもしれない。
「ということは、『君主は君臨すれど統治せず』ということを国の基本的な法とすればいいわけだな」
俺は持っていた僅かな知識で言った。
「……まぁ! はい、そうです! 驚きましたわ。わたくしの考えを即座に理解された殿方は初めてですわ。さすがです、リュウジ様!」
そんな、キラキラした目で見られても困る。すまん、俺の世界じゃ、これ中学生でも知ってる……とは言えない。というか、そんなことを考えてたお前こそ凄い。王族でこんな考えを持つとは恐れ入った。
「分かりました、それで行きましょう」セレーネも納得したようだ。
「それから、これは直ぐにというわけではありませんが、私たち聖アリステリアス王国の王女全員がリュウジ様に嫁ぎますので、近い将来に聖アリステリアス王国とリュウジ様が作る国の統合について話し合う必要があります。これも考慮に入れて建国を行う必要があります」
「あっ。気付かなかった」
「国一つ貰い受けて、気付かないなんてリュウジ様くらいですわ」
セレーネちょっと溜息をつく仕草をする。が、満足そうだ。そんな様子を他の嫁達も好ましく思っているようだった。
「纏まったようですね。神の力だけで滅ぼせなかったなら、神と使徒と人間とで協力しましょうという提案です。これで、神界へ行くことが出来るでしょう」
アリスも神界を説得する自信が付いたのか明るい顔で言った。素案だけだが、これでどう動けばいいのか見えてきたからだ。
* * *
その後、俺達が神界へ持って行った提案は概ね了承された。
さらに、特別措置法の適用猶予が十年と決まった。この期間内に魔法共生菌が根絶またはこれと同等と見做されなければ惑星リセットが実行されることになる。
そう、あまり時間があるとは言えない。
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