15 / 189
黎明編
15 ニーナ、魔法の訓練を積む
しおりを挟む
絵を持ってきてすぐに帰るのも変なので、アリスは数日逗留していくことにした。
で、家族って言ってたから同じ部屋に泊まることになるのはいいとして、なんで同じベッドに寝てるんだ?
いや、別に変なこととかしないよ? さすがに女神様相手にそれはありません。うん、あり得ないです。絶対ウソじゃありません。
アリスがいるので、当然ニーナも遠慮して来ない。なので、とってもプラトニックな俺なのだが、逆にそれは大変なのだ。なのになんで俺のベッドに入ってくるかな? 俺、結構辛いんだけど。
だって、世界一の美女とベッドを共にして手出し無用なんだよ? いや、別に手を出したいとか言ってません。言ってないけど、これ絶対虐めてるよな? 手なんか出したら、絶対その場で神罰下る。たぶん消滅するよな俺。
ああ、でもそれって最高に幸福なのか?
ー 最高に幸福なの?
ー 盗聴禁止!
しかも、頭の中だよっ。どうしろってんだよ~っ。普通なら錯乱状態だよ、まったく~っ。
「だいじょうぶ、そうなったら私が抱きしめて戻してあげます」
「いや、それ全然大丈夫じゃないから。錯乱状態ループしちゃうから」
「まぁ」
「まぁ、じゃありません。あ、ニーナが上がって来たな。もう起きるから」
「残念」
何が、残念なんだろう?
* * *
今日はニーナと魔法の訓練をする約束だ。
さすがに水芸だけじゃニーナも満足しない。なので、また荒地で魔法の訓練をしようと街の外まで出て来たのだが。
「なんで、アリスまでいるんでしょう」
「なんで、ジャマにするんでしょう」
掛け合い漫才か!
「いいじゃないリュウジ。私、アリスさん大好き」
「ありがとう、いい子ねニーナ」
「ちょっと、そこでユリ空間作らないでください」
「あら、なにかしら?」アリスは、まだ知らないらしい。
「あ、タブレット見てたらそのうち分かります」
「師匠、今日は何の魔法を教えてくれるんですか?」
「そうだなぁ、魔力もかなり安定して来たから、一通りやってみるか」
「はい、師匠」
「じゃぁ、まず石を飛ばしてみよう。ちょっと見てな。こうやって浮かせて、ぴっ」
そういって俺は、手をかざし地面に転がっている石を飛ばして見せた。まぁ、手をかざすのは発動のきっかけでしかないんだが。
その様子を固唾を飲んで見つめているニーナは……ともかく。
「なんてアリスまで一緒になって見つめてるんでしょう?」
「えっ? だって、私も、出来るようになりたいもの」
「えっ? 出来るんじゃないの? 飛翔とか出来てたじゃん」
「アリスさんも魔法覚醒してたんですね!」
「そ、そうなのよ」アリス、ちょっと焦る。
「そうそう」
そう言うことにするしかない。まぁ、俺と一緒にいたから不思議ではないが。
「でも、まだまだなのよ。石を飛ばすのはやってないし」
「そうなんだ。まぁ、いいけど。じゃ、まずはニーナやってみて」
「はい、ししょ~っ」
ニーナは緊張した面持ちで狙った石に手をかざした。
「ん~っ」
石が、グラっと動く。
「頑張ってニーナちゃん、今動いたわよ!」アリスが励ます。
「ん~~~っ」
石は、ふわっと浮き上がったが、力尽きたのかポトリと落ちた。
「っっっはぁ~、むつかしい」
「いや、初めてでそれは大したもんだ」
俺は誉めて育てる師匠なんだ。
「そうかな?」
「じゃ、わたしも」
そう言って、今度はアリスが手をかざすと、石はスーッと浮き上がった。
「すごーいっ」
見てたニーナは大はしゃぎ。
ただ、浮いたまま飛ばせずポトリと落ちた。
「意外と、難しいわね」ちょっと戸惑った顔で言う。
「でも、すーって浮きました」とニーナ。
「でも、飛ばないのよ。どうやったら飛ぶのかしら?」
飛ばそうとはしていたらしい。
「ああ、飛ばすイメージか」
「そうそれ」
「ええっと。俺は弾くというか、後ろからハンマーで叩くイメージなんだけど」
「ああ、なるほどね」
「そっかぁ! やってみる!」
ニーナはそう言うともう一度手をかざした。
すると今度はすんなり浮き上がり、ビシッと飛んで行った。
「凄い! ニーナちゃん」
「やった~っ!」
「じゃ、私も」
アリスも調子に乗って石を浮かせると、バシッっと打ち出した。
「やった~っ!」
「やっり~っ!」
女神様、それアニメとかのセリフだよねきっと?
「二人とも、いいセンスしてるな」と俺はちゃんと誉める。
二人は手を叩き合って喜んでいた。だから、そのユリ空間やめい。
「なになに? リュウジ、私たちの仲に嫉妬してるの?」
「なわけあるか」
「ふふふ」
「???」
ニーナには意味不明なようだ。それで良い。
* * *
それから、俺たちは土壁を作ったり、川の水を躍らせたりと色々やってみた。
基本、物体を加速しているだけだから対象物が違うだけで動かすことは出来るのだ。ただ、それぞれの性質が違うから意外とコントロールが難しい。
たとえば、水は塊で動かさないと、すぐに漏れたりするのだ。
「それにしても、ニーナの魔力。前より強くなってないか?」
俺は訓練の様子を見てて、ちょっと不思議に思った。
「うん、なんか私もそんな気がする」
ニーナも自覚しているようだ。
「成長するのかしら?」とアリス。
「うーん、でも共生してる菌なら増えないと思うけど」
「違うのかしら?」
アリスは共生菌説を信じてないのか?
「そろそろ、魔力切れしてもおかしくないんだけど」
「だいじょうぶ……みたい」ニーナは平気な顔だ。
「そうか。まぁでも、今日はこれくらいにしとこう」
「私、飛んでみたいんだけど!」
ニーナは何故か強く言った。
「それは、さすがにマズいだろ。魔力切れしたら墜落するし」
「だから、師匠の前でしか試せないじゃない? ねっ! ちょっとだけ!」
「わかった、ちょっとだけな」
「うん、じゃぁいくよ」
ニーナは、そう言うと目をやや伏せて精神を集中するようにした。そして、地面を見つつ石を持ち上げたようにゆっくり浮き上がった。
「おおっ」
「出来てるわ!」
ニーナは、すーっと浮いたまま目を開けてにっこり笑った。
「師匠、できました」
「おい、危ないから騒ぐなよ」俺は、ちょっと焦る。
「はい、わかってます」
すると、アリスがすーっと上昇してニーナの横についた。
「アリスさん!」
「一緒に飛びましょう」
「はい」
二人は、ゆっくり飛び始めた。だから、その……ま、いっか。
短い時間だったが二人で飛んだあと、ゆっくり着地した。さすがに、ちょっとニーナは疲れたようだ。
「もう、これ以上はだめですね」
汗を拭きつつも笑顔でそう言った。
アリスはというと、何か考え事をしている様子だった。
ともかく、俺達はニーナが倒れないか気を使いながら、夕陽が沈む前に街へと帰っていった。
* * *
その後、俺達は宿の夕食を食べてから部屋に戻った。
「ねぇリュウジ」
窓際にある椅子に座ったアリスが真面目な顔で言った。
「なんだ?」
俺はベッドで枕をクッションにしていた。
「ニーナのことなんだけど」
「うん」
「魔力が強すぎるでしょ?」
「ああ、それか」
「ええ。慣れはともかく、魔力量自体は確か増えないって聞いたと思うけど」
「うん、そんな話だった。まぁ、言い伝えでしかないんだけど」
「でも増えてた。で、ちょっと横で注意して見てたんだけど」
単なるユリじゃなかったらしい。
「うん」
「微かにあんたの神力を感じたのよね」
アリスは、ちょっと小首をかしげながら言った。
「俺の神力? 俺の神力って、アリスの神力だろ?」
俺は起き上がってベッドに座りアリスを見た。
「違うのよ、確かに私の神力が元だけど、あんたに流れた時点であんたの神力になるの」
「そ、そうなのか?」
「と言っても性質が変わるわけじゃないけど。匂いって言うかカラーって言うか、感触が変化するのよ」
「匂いをかぎ分けるのか? 犬みたいだな」
「怒るわよ」
「ごめんなさい」
「で、魔力を使ってるとき、彼女からあなたの神力を微かに感じたの」
「俺からはみ出したってことか?」
「何言ってるの? 神力ははみ出したり漏れたりしないわよ」
「って、ことは?」
「わからないけど、引き出した感じね」
「ニーナと俺が恋仲だからってことはないのか?」
「ううん、それだけでは神力が流れだした理由としては足りないわね」
「そういう例はあるの?」
「そりゃ、夫婦とか恋人とか親密な人間に神力が一時的に強く影響するってことはあるんだけど、流れていくってこととはまた違うのよ。本来、神の眷属にしか流れないものだから」
「そうなんだ」
「まぁ、あんたには神力の流れが見えないから分かりにくいわね。これは普通じゃないことだから、神界の方には報告しておくわね」
そう言うと、ちょっと虚空を見るような表情をした。いま、神界に連絡したのか?
「分かった。そうすると、ニーナの魔力が増えたのは俺のときと同じように神力が関係してるってことか?」
「恐らくね」
「マズいのか?」
「それは分からない。でも、神力自体が人間に悪さすることはないの」
「そうか」
「神力が人間に流れることは普通ないんだけど、あるのはあんたみたいな場合ね」
「うん」
「彼女の場合は眷属じゃないから、やっぱり魔法共生菌がらみなのかも」
「あまり例のない現象かも?」
「そうね」
「まぁ、魔法使いの近くに使徒が居たり、女神が居たりしてるからな」
「この件に関しては神界に報告したから、神界からの回答を待ちましょ」
「うん、わかった」
で、やっぱり俺のベッドに潜り込むんですね女神様。
で、家族って言ってたから同じ部屋に泊まることになるのはいいとして、なんで同じベッドに寝てるんだ?
いや、別に変なこととかしないよ? さすがに女神様相手にそれはありません。うん、あり得ないです。絶対ウソじゃありません。
アリスがいるので、当然ニーナも遠慮して来ない。なので、とってもプラトニックな俺なのだが、逆にそれは大変なのだ。なのになんで俺のベッドに入ってくるかな? 俺、結構辛いんだけど。
だって、世界一の美女とベッドを共にして手出し無用なんだよ? いや、別に手を出したいとか言ってません。言ってないけど、これ絶対虐めてるよな? 手なんか出したら、絶対その場で神罰下る。たぶん消滅するよな俺。
ああ、でもそれって最高に幸福なのか?
ー 最高に幸福なの?
ー 盗聴禁止!
しかも、頭の中だよっ。どうしろってんだよ~っ。普通なら錯乱状態だよ、まったく~っ。
「だいじょうぶ、そうなったら私が抱きしめて戻してあげます」
「いや、それ全然大丈夫じゃないから。錯乱状態ループしちゃうから」
「まぁ」
「まぁ、じゃありません。あ、ニーナが上がって来たな。もう起きるから」
「残念」
何が、残念なんだろう?
* * *
今日はニーナと魔法の訓練をする約束だ。
さすがに水芸だけじゃニーナも満足しない。なので、また荒地で魔法の訓練をしようと街の外まで出て来たのだが。
「なんで、アリスまでいるんでしょう」
「なんで、ジャマにするんでしょう」
掛け合い漫才か!
「いいじゃないリュウジ。私、アリスさん大好き」
「ありがとう、いい子ねニーナ」
「ちょっと、そこでユリ空間作らないでください」
「あら、なにかしら?」アリスは、まだ知らないらしい。
「あ、タブレット見てたらそのうち分かります」
「師匠、今日は何の魔法を教えてくれるんですか?」
「そうだなぁ、魔力もかなり安定して来たから、一通りやってみるか」
「はい、師匠」
「じゃぁ、まず石を飛ばしてみよう。ちょっと見てな。こうやって浮かせて、ぴっ」
そういって俺は、手をかざし地面に転がっている石を飛ばして見せた。まぁ、手をかざすのは発動のきっかけでしかないんだが。
その様子を固唾を飲んで見つめているニーナは……ともかく。
「なんてアリスまで一緒になって見つめてるんでしょう?」
「えっ? だって、私も、出来るようになりたいもの」
「えっ? 出来るんじゃないの? 飛翔とか出来てたじゃん」
「アリスさんも魔法覚醒してたんですね!」
「そ、そうなのよ」アリス、ちょっと焦る。
「そうそう」
そう言うことにするしかない。まぁ、俺と一緒にいたから不思議ではないが。
「でも、まだまだなのよ。石を飛ばすのはやってないし」
「そうなんだ。まぁ、いいけど。じゃ、まずはニーナやってみて」
「はい、ししょ~っ」
ニーナは緊張した面持ちで狙った石に手をかざした。
「ん~っ」
石が、グラっと動く。
「頑張ってニーナちゃん、今動いたわよ!」アリスが励ます。
「ん~~~っ」
石は、ふわっと浮き上がったが、力尽きたのかポトリと落ちた。
「っっっはぁ~、むつかしい」
「いや、初めてでそれは大したもんだ」
俺は誉めて育てる師匠なんだ。
「そうかな?」
「じゃ、わたしも」
そう言って、今度はアリスが手をかざすと、石はスーッと浮き上がった。
「すごーいっ」
見てたニーナは大はしゃぎ。
ただ、浮いたまま飛ばせずポトリと落ちた。
「意外と、難しいわね」ちょっと戸惑った顔で言う。
「でも、すーって浮きました」とニーナ。
「でも、飛ばないのよ。どうやったら飛ぶのかしら?」
飛ばそうとはしていたらしい。
「ああ、飛ばすイメージか」
「そうそれ」
「ええっと。俺は弾くというか、後ろからハンマーで叩くイメージなんだけど」
「ああ、なるほどね」
「そっかぁ! やってみる!」
ニーナはそう言うともう一度手をかざした。
すると今度はすんなり浮き上がり、ビシッと飛んで行った。
「凄い! ニーナちゃん」
「やった~っ!」
「じゃ、私も」
アリスも調子に乗って石を浮かせると、バシッっと打ち出した。
「やった~っ!」
「やっり~っ!」
女神様、それアニメとかのセリフだよねきっと?
「二人とも、いいセンスしてるな」と俺はちゃんと誉める。
二人は手を叩き合って喜んでいた。だから、そのユリ空間やめい。
「なになに? リュウジ、私たちの仲に嫉妬してるの?」
「なわけあるか」
「ふふふ」
「???」
ニーナには意味不明なようだ。それで良い。
* * *
それから、俺たちは土壁を作ったり、川の水を躍らせたりと色々やってみた。
基本、物体を加速しているだけだから対象物が違うだけで動かすことは出来るのだ。ただ、それぞれの性質が違うから意外とコントロールが難しい。
たとえば、水は塊で動かさないと、すぐに漏れたりするのだ。
「それにしても、ニーナの魔力。前より強くなってないか?」
俺は訓練の様子を見てて、ちょっと不思議に思った。
「うん、なんか私もそんな気がする」
ニーナも自覚しているようだ。
「成長するのかしら?」とアリス。
「うーん、でも共生してる菌なら増えないと思うけど」
「違うのかしら?」
アリスは共生菌説を信じてないのか?
「そろそろ、魔力切れしてもおかしくないんだけど」
「だいじょうぶ……みたい」ニーナは平気な顔だ。
「そうか。まぁでも、今日はこれくらいにしとこう」
「私、飛んでみたいんだけど!」
ニーナは何故か強く言った。
「それは、さすがにマズいだろ。魔力切れしたら墜落するし」
「だから、師匠の前でしか試せないじゃない? ねっ! ちょっとだけ!」
「わかった、ちょっとだけな」
「うん、じゃぁいくよ」
ニーナは、そう言うと目をやや伏せて精神を集中するようにした。そして、地面を見つつ石を持ち上げたようにゆっくり浮き上がった。
「おおっ」
「出来てるわ!」
ニーナは、すーっと浮いたまま目を開けてにっこり笑った。
「師匠、できました」
「おい、危ないから騒ぐなよ」俺は、ちょっと焦る。
「はい、わかってます」
すると、アリスがすーっと上昇してニーナの横についた。
「アリスさん!」
「一緒に飛びましょう」
「はい」
二人は、ゆっくり飛び始めた。だから、その……ま、いっか。
短い時間だったが二人で飛んだあと、ゆっくり着地した。さすがに、ちょっとニーナは疲れたようだ。
「もう、これ以上はだめですね」
汗を拭きつつも笑顔でそう言った。
アリスはというと、何か考え事をしている様子だった。
ともかく、俺達はニーナが倒れないか気を使いながら、夕陽が沈む前に街へと帰っていった。
* * *
その後、俺達は宿の夕食を食べてから部屋に戻った。
「ねぇリュウジ」
窓際にある椅子に座ったアリスが真面目な顔で言った。
「なんだ?」
俺はベッドで枕をクッションにしていた。
「ニーナのことなんだけど」
「うん」
「魔力が強すぎるでしょ?」
「ああ、それか」
「ええ。慣れはともかく、魔力量自体は確か増えないって聞いたと思うけど」
「うん、そんな話だった。まぁ、言い伝えでしかないんだけど」
「でも増えてた。で、ちょっと横で注意して見てたんだけど」
単なるユリじゃなかったらしい。
「うん」
「微かにあんたの神力を感じたのよね」
アリスは、ちょっと小首をかしげながら言った。
「俺の神力? 俺の神力って、アリスの神力だろ?」
俺は起き上がってベッドに座りアリスを見た。
「違うのよ、確かに私の神力が元だけど、あんたに流れた時点であんたの神力になるの」
「そ、そうなのか?」
「と言っても性質が変わるわけじゃないけど。匂いって言うかカラーって言うか、感触が変化するのよ」
「匂いをかぎ分けるのか? 犬みたいだな」
「怒るわよ」
「ごめんなさい」
「で、魔力を使ってるとき、彼女からあなたの神力を微かに感じたの」
「俺からはみ出したってことか?」
「何言ってるの? 神力ははみ出したり漏れたりしないわよ」
「って、ことは?」
「わからないけど、引き出した感じね」
「ニーナと俺が恋仲だからってことはないのか?」
「ううん、それだけでは神力が流れだした理由としては足りないわね」
「そういう例はあるの?」
「そりゃ、夫婦とか恋人とか親密な人間に神力が一時的に強く影響するってことはあるんだけど、流れていくってこととはまた違うのよ。本来、神の眷属にしか流れないものだから」
「そうなんだ」
「まぁ、あんたには神力の流れが見えないから分かりにくいわね。これは普通じゃないことだから、神界の方には報告しておくわね」
そう言うと、ちょっと虚空を見るような表情をした。いま、神界に連絡したのか?
「分かった。そうすると、ニーナの魔力が増えたのは俺のときと同じように神力が関係してるってことか?」
「恐らくね」
「マズいのか?」
「それは分からない。でも、神力自体が人間に悪さすることはないの」
「そうか」
「神力が人間に流れることは普通ないんだけど、あるのはあんたみたいな場合ね」
「うん」
「彼女の場合は眷属じゃないから、やっぱり魔法共生菌がらみなのかも」
「あまり例のない現象かも?」
「そうね」
「まぁ、魔法使いの近くに使徒が居たり、女神が居たりしてるからな」
「この件に関しては神界に報告したから、神界からの回答を待ちましょ」
「うん、わかった」
で、やっぱり俺のベッドに潜り込むんですね女神様。
109
お気に入りに追加
582
あなたにおすすめの小説

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!
nineyu
ファンタジー
男は絶望していた。
使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。
しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!
リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、
そんな不幸な男の転機はそこから20年。
累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされ、生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれてしまった、ベテランオッサン冒険者のお話。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる