薄い彼女

 今年、大学四年になる神岡龍一は迷っていた。
 就職先を決められないのだ。
 そんな時、付き合っていた彼女の一言で彼の人生は大きく変わることになった。
 彼女はこう言ったのだ。
「私には予知能力があるの」
 もちろん、この一言で彼の人生は変わるのだが、それよりも驚いたのは彼女の存在確率が極めて低いという事実だった。
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