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40 生活棟からの救出
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なんとか生活棟にたどり着いた。
驚いたことにユメノは本当に玉露を淹れて待っていた。
流石、生活班だ。作り置きの水出し玉露とは思えない味だった。
「うん。旨いな」
「これは、なかなか」とユリ。
「そうじゃないでしょ! あら、美味しい」とメリス。
「美味しいね」とセリー。
「ほんと、お上手ね」とメリス。
「いい嫁になれるね」
「いい嫁って、照れるのじゃ」とツウ姫。なんでお前が照れるんだ。
「とりあえず、そろそろ停止しそうなんで外に出るか」
「そうですね」
ユメノも流石に外を見てびっくりしていた。
まぁ、宇宙に出るくらいだから肝は据わっている。おまけにスペーススーツも着てるしな。慌てた様子はなかった。
= あ~、マクガイ聞こえるか? こちらリュウ。ユメノを無事確保。これから戻る。
= こちらマクガイ。了解。感謝する。
さすがにマクガイは安心したという声で応えた。
= それで、この生活棟はどうする? このまま地表に落下させていいのか?
俺は生活棟の処理が気になった。宇宙では設備は貴重だろう。
= ん? なんとかなるのか? 出来ればなんとか修理したいが、無理はするな。
= そうか。ちょっと試してダメならユメノを連れて戻る。
= 分かった。よろしく頼む。
「リュウ、何とか出来るの?」
ユメノが期待を込めた目で聞いて来た。
「いや。知らん」
「えええっ!」
ユメノ、思わず残念な顔をする。
「なぁ、レジン?」
「聞いてくると思いました」
「すまん」
「いえ。どうぞ」
「パワードスーツモードで全員で支えながら降りるのと、生体フィルムをロープ状にして牽引しながら降りるのと、どっちが楽だろう?」
俺は本気で聞いたのだが、レジンはニヤニヤしている。
「そうですねぇ。回転型の重力加速器なのでバランスは取れている筈ですから、みんなで牽引してもいいんでしょうけど。ここはこの防護スーツの加速器でゆっくり降下するよう調整してみましょう」
レジンは予想外の提案をしてきた。
「おお、さすがレジンだ。そんなことも可能なのか」
何をするのかよく分からないが。
「はい。お任せください。あ、玉露のお代わりを頂いても? はい、ありがとうございます」
レジンがこれだけ余裕なので俺たちもお茶を貰うことにした。
これは、なかなか出来ない体験だしな。
って、危機感全くないな。
* * *
「おお、流石にこのエネルギーモジュールはパワーがありますね」
全員の防護スーツの加速器を調整していたレジンが、楽しそうに言った。
「全員分の加速だと余裕です」余裕かよ。
レジンがそう言うと、既に落ち始めていた生活棟がガクッと減速した。
俺たちはやることもないので、ゆっくりと降下する生活棟からお茶を飲みながら外を眺めていた。
もちろん外ではマクガイが大騒ぎしている。
君、君。落ち着き給え。玉露がうまい。
* * *
「お前ら、どっから突っ込んでいいか分からんぞ」
「ほほほ。お構いなく」とシナノ。
俺たちは生活棟を無事に下して安全を確保した後、無事だった汎用棟に戻った。
「これが、このチームの普通ですので気にしないでください」
レジンがすまして言う。
「そうよね。確かに」とメリス。
「そうそう」とユリ。
「ですよね」とユメノ。
「うん」とセリー。
「のじゃ」ツウ姫、省略し過ぎ!
「ああ、もう。とにかく、仲間を救ってくれてありがとう。恩に着る」
マクガイは改めて頭を下げた。
「お互い様だ。とりあえず全員無事で良かったよ。被害はデカそうだが」
生活棟がどうなってるのかはよく分からない。修理できるのか?
「生活棟の修理は大変だが、それでも補修部品で何とかなるだろう。日程にも余裕があるしな」
マクガイも案外楽観的だな。まぁ、宇宙に出てくる人間は楽観的でないとやっていけないんだろうが。
「あら、じゃぁ、生活棟が修理できるまで私、リュウさんのベッドでお世話になりますね」
いきなりユメノが変なこと言い出した。
「意味が分からん。だから、一緒には寝れないって。それに、新しい生活棟があるだろ」
「生活棟が変わると寝れないの」
枕が変わると寝れないみたいなことを言ってる。いや、汎用棟はいいのかよ。
「お前、そんなこと言ってると、ツウ姫みたいに世界から弾きだされるぞ」
「そうなのじゃ。狙い通り!」
あっ、こいつを引き合いにしちゃダメだった。
「ああ、防護スーツじゃないと多分死ぬことになる」
「確かに、わらわもこれが無かったら、危なかったのぉ。今頃、地の底じゃ」
「わ、わかったわ。冗談よ。ほほほっ」
ほほほって笑うやつは信用しないことにしよう。
* * *
噴き出した温泉は既に止まっていた。
この星は気圧がゼロだから、すぐに凍結してしまう。間欠泉こそ珍しい。
「温泉はもったいない気もするな」
「そうか? 成分がヤバいことが多いんだが」とマクガイ。
「うまく引けたら、無限にシャワーが使えるじゃないか」
「引きましょう! 是非温泉を引きましょう」生活担当のユウナが食いついた。
「温泉があれば健康管理にも役立ちます」
確かにそうだ。貴重な水を他に回せるしな。
「そうよね。もしかすると飲めるかも知れないし」
ユメノも大賛成だ。やっぱり循環リサイクルは気分良くないからな。
「いいね」とメリス。
「温泉かぁ、懐かしい」とユリ。
「温泉って? お風呂ですよね?」とシナノ。
「温泉! 実家にあった!」とセリー。うん? そんな訳は……あるのか?
「びばのんのん」ツウ姫、なんで知ってるんだよ?
驚いたことにユメノは本当に玉露を淹れて待っていた。
流石、生活班だ。作り置きの水出し玉露とは思えない味だった。
「うん。旨いな」
「これは、なかなか」とユリ。
「そうじゃないでしょ! あら、美味しい」とメリス。
「美味しいね」とセリー。
「ほんと、お上手ね」とメリス。
「いい嫁になれるね」
「いい嫁って、照れるのじゃ」とツウ姫。なんでお前が照れるんだ。
「とりあえず、そろそろ停止しそうなんで外に出るか」
「そうですね」
ユメノも流石に外を見てびっくりしていた。
まぁ、宇宙に出るくらいだから肝は据わっている。おまけにスペーススーツも着てるしな。慌てた様子はなかった。
= あ~、マクガイ聞こえるか? こちらリュウ。ユメノを無事確保。これから戻る。
= こちらマクガイ。了解。感謝する。
さすがにマクガイは安心したという声で応えた。
= それで、この生活棟はどうする? このまま地表に落下させていいのか?
俺は生活棟の処理が気になった。宇宙では設備は貴重だろう。
= ん? なんとかなるのか? 出来ればなんとか修理したいが、無理はするな。
= そうか。ちょっと試してダメならユメノを連れて戻る。
= 分かった。よろしく頼む。
「リュウ、何とか出来るの?」
ユメノが期待を込めた目で聞いて来た。
「いや。知らん」
「えええっ!」
ユメノ、思わず残念な顔をする。
「なぁ、レジン?」
「聞いてくると思いました」
「すまん」
「いえ。どうぞ」
「パワードスーツモードで全員で支えながら降りるのと、生体フィルムをロープ状にして牽引しながら降りるのと、どっちが楽だろう?」
俺は本気で聞いたのだが、レジンはニヤニヤしている。
「そうですねぇ。回転型の重力加速器なのでバランスは取れている筈ですから、みんなで牽引してもいいんでしょうけど。ここはこの防護スーツの加速器でゆっくり降下するよう調整してみましょう」
レジンは予想外の提案をしてきた。
「おお、さすがレジンだ。そんなことも可能なのか」
何をするのかよく分からないが。
「はい。お任せください。あ、玉露のお代わりを頂いても? はい、ありがとうございます」
レジンがこれだけ余裕なので俺たちもお茶を貰うことにした。
これは、なかなか出来ない体験だしな。
って、危機感全くないな。
* * *
「おお、流石にこのエネルギーモジュールはパワーがありますね」
全員の防護スーツの加速器を調整していたレジンが、楽しそうに言った。
「全員分の加速だと余裕です」余裕かよ。
レジンがそう言うと、既に落ち始めていた生活棟がガクッと減速した。
俺たちはやることもないので、ゆっくりと降下する生活棟からお茶を飲みながら外を眺めていた。
もちろん外ではマクガイが大騒ぎしている。
君、君。落ち着き給え。玉露がうまい。
* * *
「お前ら、どっから突っ込んでいいか分からんぞ」
「ほほほ。お構いなく」とシナノ。
俺たちは生活棟を無事に下して安全を確保した後、無事だった汎用棟に戻った。
「これが、このチームの普通ですので気にしないでください」
レジンがすまして言う。
「そうよね。確かに」とメリス。
「そうそう」とユリ。
「ですよね」とユメノ。
「うん」とセリー。
「のじゃ」ツウ姫、省略し過ぎ!
「ああ、もう。とにかく、仲間を救ってくれてありがとう。恩に着る」
マクガイは改めて頭を下げた。
「お互い様だ。とりあえず全員無事で良かったよ。被害はデカそうだが」
生活棟がどうなってるのかはよく分からない。修理できるのか?
「生活棟の修理は大変だが、それでも補修部品で何とかなるだろう。日程にも余裕があるしな」
マクガイも案外楽観的だな。まぁ、宇宙に出てくる人間は楽観的でないとやっていけないんだろうが。
「あら、じゃぁ、生活棟が修理できるまで私、リュウさんのベッドでお世話になりますね」
いきなりユメノが変なこと言い出した。
「意味が分からん。だから、一緒には寝れないって。それに、新しい生活棟があるだろ」
「生活棟が変わると寝れないの」
枕が変わると寝れないみたいなことを言ってる。いや、汎用棟はいいのかよ。
「お前、そんなこと言ってると、ツウ姫みたいに世界から弾きだされるぞ」
「そうなのじゃ。狙い通り!」
あっ、こいつを引き合いにしちゃダメだった。
「ああ、防護スーツじゃないと多分死ぬことになる」
「確かに、わらわもこれが無かったら、危なかったのぉ。今頃、地の底じゃ」
「わ、わかったわ。冗談よ。ほほほっ」
ほほほって笑うやつは信用しないことにしよう。
* * *
噴き出した温泉は既に止まっていた。
この星は気圧がゼロだから、すぐに凍結してしまう。間欠泉こそ珍しい。
「温泉はもったいない気もするな」
「そうか? 成分がヤバいことが多いんだが」とマクガイ。
「うまく引けたら、無限にシャワーが使えるじゃないか」
「引きましょう! 是非温泉を引きましょう」生活担当のユウナが食いついた。
「温泉があれば健康管理にも役立ちます」
確かにそうだ。貴重な水を他に回せるしな。
「そうよね。もしかすると飲めるかも知れないし」
ユメノも大賛成だ。やっぱり循環リサイクルは気分良くないからな。
「いいね」とメリス。
「温泉かぁ、懐かしい」とユリ。
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