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18 もう一つの空間転移研究所
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俺たちは空間転移研究所の接客用の部屋に通された。
少なくとも世界ゼロではそうだった。俺が最初にホワンと話した部屋でもある。そして今回もやって来たのはホワンだった。
「ホワンか」
思わず言ってしまった。違う世界だと分かっているのに。
「何故知っている?」
「聞いてないのか? 俺たちはこことは違う別世界の空間転移研究所から来た。そこにもホワンがいる」
すぐ後からレジンが入って来た。こいつは微妙にルジンと違うから話がややこしい。
「ほう。時間は空けた。ゆっくり話を聞かせて貰おうか」
* * *
俺たち三人はホワンとレジンの二人を相手にざっと経緯を説明した。
「どう思う? レジン」
俺の話が終わると、しばらく考えてからホワンはレジンに意見を求めた。
「ちょっと信じ難い話ですね。ただ、今の話にはこの研究所の機密事項も多く含まれてますし、なにより登場の仕方がめちゃくちゃでした。諜報員ならあんなことはしませんね。信じていいと思います」
どうも、諜報員だと思われているらしい。ちょっとかっこいいと思ってしまったじゃないか!
「ああ、それか」
「はい。さすがに、防護スーツの会話を傍受したとき位置を確認してびっくりしました。西之島の上空五千メートルですからね」
「そうだったな。で、どうやって降りてきたんだ?」
ホワンは俺に振り向くと言った。まぁ、普通疑問に思うよな、降りてきた俺も信じられないけど。飛行石とか言ったほうが信じてもらえそう。
「防護スーツの滑空モードです」
「滑空モード?」
聞きなれないワードに眉を吊り上げるホワン。
「そんなモードあったか?」
ちょっと思案したあとレジンを見て言った。
「ありませんね」
どや顔で俺を見るホワン。いやいや。
「ないだろうな。俺たちの世界の開発担当ルジンが最近追加してくれた機能だからな」
「ほう。そっちの世界ではレジンではなく、ルジンと言うのか」
「ちょっと、怪しいですね」
いや、お前のほうが怪しいと思うぞ。
「だが、向こうのルジンのほうが優秀だな。そんな機能は俺たちのスーツにはない」
ホワンの言葉に、レジンはちょっと悔しそうな顔をした。素直な奴だな。
「それは、リュウが提案したからじゃない?」
横からメリスが突っ込みを入れた。
「そうね。世界ゼロにはリュウが転移して来たからね」ユリもか。
まぁ、お前が俺を贔屓にするのは分かる。てか、その言い方だと、俺が自分から転移して来たみたいじゃないか! 俺が一番怪しくなるだろ!
「まぁ、スーツについてはそうかもしれない」仕方なく俺は認めた。
「ふむ。そういえば君は世界ゼロじゃなくて世界……Rの住人でしたね」
レジンは納得がいったような顔をした。そんなに気にしなくていいのに。
「そういう人間の登場で、変化が生じた……というわけか」
この世界のホワンも理解が早い。
「君たちからすると、この世界は何て言う名なんだ?」
ホワンは世界の認識のほうが気になるようだ。
「この世界の名前は、まだありません」
「そうか。どうやって名付けるんだ?」
「決まってません。俺たちもまだ二十個ほどの世界を確認したばかりなので」
二十個と聞いて、ホワンはちょっと驚いた顔をする。
「そうか。じゃ、ファーストコンタクトした人間の名前を使うか。レジンで世界R……は、もうあるか」
ホワンも結構アバウトな奴だな。いいのか?
「失礼。私の名は『R』ではなく『L』です。何度も言ってますが正しくは『レディン』なので」
レジンが速攻で突っ込みを入れた。
「そうか、じゃぁ、レジンから名前を取って世界Lとしよう」
ファーストコンタクトって、宇宙人扱いかよ。てか、レジンのままでいいのか? レディンが期待を込めて見ているぞ。
「それにしても、我々が研究している空間転移装置が別世界に繋がる転移装置だったとはな」
ホワンは、俺たちを見渡しつつ言った。
「だがこれだけ証拠を提示されたら信じるしかないだろうな。いや、研究はちょうど袋小路に入っていたところだ。君たちの登場はむしろ有り難い。出来れば一緒に研究してほしいところだ」
どうやら、やっとホワンの信頼を得られたようだ。ちなみにレジンは諦めたっぽい。
「ただ、一応手順は踏まなければならない。こちらと同等の保護スーツを着ている以上、あまり検査は必要ないだろうが、こちらにも事情がある。しばらく、検査に協力してもらいたい。その後で研究員に紹介しよう」
「了解した」
もう二度目だしな。慣れたもんだ。
少なくとも世界ゼロではそうだった。俺が最初にホワンと話した部屋でもある。そして今回もやって来たのはホワンだった。
「ホワンか」
思わず言ってしまった。違う世界だと分かっているのに。
「何故知っている?」
「聞いてないのか? 俺たちはこことは違う別世界の空間転移研究所から来た。そこにもホワンがいる」
すぐ後からレジンが入って来た。こいつは微妙にルジンと違うから話がややこしい。
「ほう。時間は空けた。ゆっくり話を聞かせて貰おうか」
* * *
俺たち三人はホワンとレジンの二人を相手にざっと経緯を説明した。
「どう思う? レジン」
俺の話が終わると、しばらく考えてからホワンはレジンに意見を求めた。
「ちょっと信じ難い話ですね。ただ、今の話にはこの研究所の機密事項も多く含まれてますし、なにより登場の仕方がめちゃくちゃでした。諜報員ならあんなことはしませんね。信じていいと思います」
どうも、諜報員だと思われているらしい。ちょっとかっこいいと思ってしまったじゃないか!
「ああ、それか」
「はい。さすがに、防護スーツの会話を傍受したとき位置を確認してびっくりしました。西之島の上空五千メートルですからね」
「そうだったな。で、どうやって降りてきたんだ?」
ホワンは俺に振り向くと言った。まぁ、普通疑問に思うよな、降りてきた俺も信じられないけど。飛行石とか言ったほうが信じてもらえそう。
「防護スーツの滑空モードです」
「滑空モード?」
聞きなれないワードに眉を吊り上げるホワン。
「そんなモードあったか?」
ちょっと思案したあとレジンを見て言った。
「ありませんね」
どや顔で俺を見るホワン。いやいや。
「ないだろうな。俺たちの世界の開発担当ルジンが最近追加してくれた機能だからな」
「ほう。そっちの世界ではレジンではなく、ルジンと言うのか」
「ちょっと、怪しいですね」
いや、お前のほうが怪しいと思うぞ。
「だが、向こうのルジンのほうが優秀だな。そんな機能は俺たちのスーツにはない」
ホワンの言葉に、レジンはちょっと悔しそうな顔をした。素直な奴だな。
「それは、リュウが提案したからじゃない?」
横からメリスが突っ込みを入れた。
「そうね。世界ゼロにはリュウが転移して来たからね」ユリもか。
まぁ、お前が俺を贔屓にするのは分かる。てか、その言い方だと、俺が自分から転移して来たみたいじゃないか! 俺が一番怪しくなるだろ!
「まぁ、スーツについてはそうかもしれない」仕方なく俺は認めた。
「ふむ。そういえば君は世界ゼロじゃなくて世界……Rの住人でしたね」
レジンは納得がいったような顔をした。そんなに気にしなくていいのに。
「そういう人間の登場で、変化が生じた……というわけか」
この世界のホワンも理解が早い。
「君たちからすると、この世界は何て言う名なんだ?」
ホワンは世界の認識のほうが気になるようだ。
「この世界の名前は、まだありません」
「そうか。どうやって名付けるんだ?」
「決まってません。俺たちもまだ二十個ほどの世界を確認したばかりなので」
二十個と聞いて、ホワンはちょっと驚いた顔をする。
「そうか。じゃ、ファーストコンタクトした人間の名前を使うか。レジンで世界R……は、もうあるか」
ホワンも結構アバウトな奴だな。いいのか?
「失礼。私の名は『R』ではなく『L』です。何度も言ってますが正しくは『レディン』なので」
レジンが速攻で突っ込みを入れた。
「そうか、じゃぁ、レジンから名前を取って世界Lとしよう」
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「だがこれだけ証拠を提示されたら信じるしかないだろうな。いや、研究はちょうど袋小路に入っていたところだ。君たちの登場はむしろ有り難い。出来れば一緒に研究してほしいところだ」
どうやら、やっとホワンの信頼を得られたようだ。ちなみにレジンは諦めたっぽい。
「ただ、一応手順は踏まなければならない。こちらと同等の保護スーツを着ている以上、あまり検査は必要ないだろうが、こちらにも事情がある。しばらく、検査に協力してもらいたい。その後で研究員に紹介しよう」
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