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18話

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投稿時間の予約を爆睡して、忘れていました…(^_^;)

次の更新は、明後日になるかもですm(_ _)m


ーーーーーーーーーーーーーー


 あー…。把握。俺、凄くわかっちゃったよ。
 団長様、友だちいないんだな…その歳でぼっちはそりゃ寂しいだろう。うんうん。
 ホント凄くわかるよ。俺、もう人間の友だちなんていないしさぁ。
 使用人の立場からだと家族同然の扱いでも団長様はやっぱご主人様だもんな。
 それに貴族社会にいたら腹を割って話せる付き合いが出来る人なんてそうそういないもんな。
 そう考えると、団長様が気の毒になってきた…。


「友ですか…それは構いませんが、本当に私でよろしいので?」

「君がいいんだ」

「わかりました。グティエレス様のお話をお受けしますが…お願いが2つあります。1つ、私が今後どのような行動を取ったとしても詮索と口出しはご遠慮下さい。グティエレス様にご迷惑をおかけする真似は致しませんので、ご安心下さい。2つ、住まいとなる場所には私の許可無しには無断で入らないで下さい。随分と勝手な事とは重々承知しておりますが、この2つだけはお願いしたいのです」


 や、だってさ…もう色々やらかしてる事多いじゃん?更にやらかさない事は無いとは言い切れないもんな。
 住むって言っても、実際に寝起きするのは移動魔法陣で連結したセーフハウスになる。
 移動魔法陣に俺だけ~ってロックかけれないから、勝手に入って来られるのってヒジョーにマズイ。
 てか、このアップル・ブランデー…マジウマ。何杯でもいけるわ。


「いいだろう。なら、俺も君にお願いがある。肩苦しい呼び方はやめて名前で呼んで欲しいのと、君の名前を呼ばさせて欲しい」


 俺に対して雇用主という立場より友人って立場の方が、団長様には比重が大きいのか…なるほど。相当ぼっちが寂しかったんだな。
 てか、団長様の名前ってなんだっけ?家名は流石に覚えてるんだけど…あー、忘れたわ。どうでも良すぎてマジ忘れてるわ。
 うーん…思い出せぬ。


「名前ですか?それは構いませんが…流石にグティエレス様を名前でお呼びするのは他の皆さんの手前もあるので気が引けます…」

「駄目なのか…」

 駄目っちゅーか、覚えてねぇってちゅーのな。
 あぁーなーんか段々めんどくさくなってきたー。

「えーと…ですね…グティエレス様…」

「アルベルトだ」

 あぁ、アルベルトさんか…んー、うん。確かにそんな名前だった気がする。

「ですから、グティエレス様。お名前をお呼びするのは…」

「アルベルト」

 何が何でも名前で呼ばせたいんでしょー。もういいやぁ。名前で呼べばいいんでしょー?

「仕方ないですね…わかりました。アルベルト様」

「敬称など要らないが、まぁ…それは譲歩しよう」

 うー。なんか、ねむい…。
 調子こいて結構飲んだぽいー。頭がちょっとふらふらするようなしないような。
 何杯飲んだかなぁー?団長様…じゃない、アルベルトさんが2杯ぐらい注いでくれてぇ…あとは自分で…うー…わかんね。
 こりゃ、あかん。よし、帰って寝ねよっ!
 
「役所には明日フリオに付き添ってもらう、手続きして来るといい。本当なら俺が付き添いたいんだが…」

 手続きの付き添い?
 俺、だーれでもいいんだけど…それより、毛布モフりながら寝たいわ。

「お気遣いありがとうございます。夜も更けて来ましたので、そろそろお暇します。改めて明日の昼にはお伺いさせて頂きます」

 はよ、帰ろ。
 外出るのが面倒だなぁー。あ、窓開いてる。あっちから外出れそう。

「どこへ行くんだ…泊まる部屋も用意している。あ、おいっ!スルジュ、そっちはベランダだぞ…酔っているのか?こ、こら、待てっ!飛び降りる気かっ!?」
 
 そりゃベランダだから来たに決まってるしー。
 はーい、ちぃーとばかし酔ってまーす。
 夜風が涼しくて気持ちいいー。

「では、また明日。失礼します」

 さらばじゃ!とうっ!
 着地、成功!からのBダッシュ!!めっちゃ風が気持ちいいー。
 で、ここどこだー。てきとーに走ってたからわかんねーわ。
 あー、やべ。走ったら余計に回ってきたぁー。目がチラチラして転移魔法陣、書けねーわ。
 そーいうときはー、てれぽすくろーるっ!
 ただいまー!
 ベッドに、だーいぶっ!!
 おやすみ~。むにゃ。



 頭、いてぇ…。
 
 目が覚めたら半分崩れたレンガ造りの廃家のぼろぼろのベッドらしきもの上にいました…。
 二日酔いでズキズキ痛むこめかみを親指で指圧しながら廃家の外に出ると、世界樹がそびえ立つのが目に入る。そして、ここが『名も無き村』である事に気づいた。
 現世の俺の育った村であり、前世では初期村…すなわちゲームの始まりの場所。
 まさかの500年オーバー振りの里帰り。
 流石に時の流れもあって、廃村になってしまったようだった。
 なーんでこんな場所にいるのか、痛む頭で記憶を辿ってみる。
 

 あぁ、そうか…。酔っ払って魔法陣書けなくてスクロール使ったんだっけ…。
 でも、なんで?


 崩れた石垣の上に腰を下ろし、アイテムボックスのスクロールの一覧をしょぼしょぼする目で見ると原因が直ぐにわかってがっくりと項垂れた。
 俺はセーフハウステレポートスクロールと初期村テレポートスクロールを間違えて使っていた。スクロールの色が似たような色で隣あっていたから間違えて使ったみたいだった。
 前世でもよくやっていた凡ミスに、あー、こんな事よくやって血盟のメンバーに笑われたなぁ…と思い出して、ついつい笑いが込み上がってくる。間違えて使わないように俺は初期村テレポートスクロールに使用禁止のロックをした。
 セーフハウスに戻って風呂入ってひと眠りして、グティエレス家に行かないとだ。折角の申し出を蹴るのはちょっともったいない。


 あ、そだ。二日酔いに効く薬草でも煎じて飲んどくかなぁ。
 やっぱお酒はほどほどにだなぁ。
 でもさ、大暴れして被害が出なかった分いいよね?
 団長様…じゃない、アルベルトさん怒ってるかなぁ…。
 多分迷惑もかけただろうから、会ったらちゃんと謝っておこっと。

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