18 / 42
第18話 帝国に移って
しおりを挟む
王国から帝国に移ってきて、新たな生活がスタートしていた。
一緒に帝国へ移ってきた他のみんなも順調のようだ。状況が落ち着いてきて、それぞれの状況について話し合い、お互いに把握する。状況を確認するための情報交換は大事。
「私は、楽しく過ごしてるよ! こっちに来て、よかった」
王国から離れる時に一番悲しんでいたマリンだったが、帝国に来てからすぐ新しいパートナーと出会って、徐々に元気を取り戻していた。このまま立ち直って、幸せになって欲しいと願っている。
「私もマリンと同じく、帝国での生活に馴染めているよ。アーノルド様にとてもよくしてもらっている」
いつもマリンのことを気にかけていたルシールも、すぐに幸せをみつけたようだ。良い人に出会えたようで、すぐに結婚を決めたらしい。みんな、決断が早くて凄いと思う。帝国の生活に、早く馴染もうという決意と覚悟があるのだろう。この先ずっと帝国で暮らしていくために。
「ここでの暮らしを知ったら、前のようには戻りたくないわね」
リゼットが言う。王国に戻りたいという気持ちは一切ないみたい。あんな事があったのだから、当然ね。
「私も、もう相手が決まっているわよ。結婚するのは、もうしばらく先になりそうだけど」
フローラも、帝国の大貴族の子息と縁を結び、おそらく結婚するだろうという状況だった。だけど、まだ結婚式は行っていない。どうやら、先延ばしにしているようだ。
疑問に思っていると、続けてフローラは言った。
「残ったのは、リゼットとエレノラだけよ。2人とも、早く相手を見つけなさいよ。それまで、私は結婚式しないで待ってるから」
どうやら、私とリゼットの2人にパートナーが決まっていないから。相手が決まるまで、もしかしたら結婚式を行わないつもりなのかもしれない。
わざわざ、待たなくてもいいのに。自分の幸せを最優先にしてほしいと思うのだが、フローラは友人関係を大事にする子だから。私たちの中で、一番の友達思いだった。
「でも、それってプレッシャーよ」
「何言ってるのよ。リゼットもエレノラも美人なんだから、引く手数多でしょう? 後は覚悟を決めて、お相手に本気で突撃するのみよ。そうすれば、きっとうまくいくから」
フローラと会うと、覚悟を決めろと言われてきた。やはり、私も早く新しい相手を見つけないとダメかしら。
今はジャスター様から任されることになった仕事があるから、それを失敗しないように集中したいんだけど。
「何もしなければ、いつまでも変らないんだからね」
フローラの言うことは正しいと思う。
他の4人に帝国へ行こうと誘ったのは私だった。その時は、上手くいくかどうかわからなくて不安もあった。かなり大きな賭けだった。この賭けは、成功したと思う。
マリンとルシール、フローラの3人は無事に帝国での暮らしに馴染めたから。あとは、私とリゼットということなのね。
「私に見合う殿方と出会えたら、すぐに結婚するつもりよ」
リゼットも、ある意味では帝国の貴族社会に馴染んでいた。彼女は、毎日のように社交界に出席している。そこで貴族の子息たちと上手く付き合いながら、新しいパートナー探しに奔走していた。
自信満々な彼女は、納得のいく相手を見つけるまで頑張るつもりらしい。焦ったりせずに堂々としている姿は、とても魅力的に見えた。そんな彼女だから、本当に良い相手と巡り会えるだろう。
4人が幸せそうにしているので、帝国に移ってきて大正解。賭けは大成功だろう。それを見届けた私は、適当な相手を見つけて静かに暮らそうかと思っていたんだけれど。
私はジャスター様に誘われて、彼と一緒に帝国のために働いていた。原作とは違う、想定していた未来とも全く違う。
新しい道を、歩み始めていた。
一緒に帝国へ移ってきた他のみんなも順調のようだ。状況が落ち着いてきて、それぞれの状況について話し合い、お互いに把握する。状況を確認するための情報交換は大事。
「私は、楽しく過ごしてるよ! こっちに来て、よかった」
王国から離れる時に一番悲しんでいたマリンだったが、帝国に来てからすぐ新しいパートナーと出会って、徐々に元気を取り戻していた。このまま立ち直って、幸せになって欲しいと願っている。
「私もマリンと同じく、帝国での生活に馴染めているよ。アーノルド様にとてもよくしてもらっている」
いつもマリンのことを気にかけていたルシールも、すぐに幸せをみつけたようだ。良い人に出会えたようで、すぐに結婚を決めたらしい。みんな、決断が早くて凄いと思う。帝国の生活に、早く馴染もうという決意と覚悟があるのだろう。この先ずっと帝国で暮らしていくために。
「ここでの暮らしを知ったら、前のようには戻りたくないわね」
リゼットが言う。王国に戻りたいという気持ちは一切ないみたい。あんな事があったのだから、当然ね。
「私も、もう相手が決まっているわよ。結婚するのは、もうしばらく先になりそうだけど」
フローラも、帝国の大貴族の子息と縁を結び、おそらく結婚するだろうという状況だった。だけど、まだ結婚式は行っていない。どうやら、先延ばしにしているようだ。
疑問に思っていると、続けてフローラは言った。
「残ったのは、リゼットとエレノラだけよ。2人とも、早く相手を見つけなさいよ。それまで、私は結婚式しないで待ってるから」
どうやら、私とリゼットの2人にパートナーが決まっていないから。相手が決まるまで、もしかしたら結婚式を行わないつもりなのかもしれない。
わざわざ、待たなくてもいいのに。自分の幸せを最優先にしてほしいと思うのだが、フローラは友人関係を大事にする子だから。私たちの中で、一番の友達思いだった。
「でも、それってプレッシャーよ」
「何言ってるのよ。リゼットもエレノラも美人なんだから、引く手数多でしょう? 後は覚悟を決めて、お相手に本気で突撃するのみよ。そうすれば、きっとうまくいくから」
フローラと会うと、覚悟を決めろと言われてきた。やはり、私も早く新しい相手を見つけないとダメかしら。
今はジャスター様から任されることになった仕事があるから、それを失敗しないように集中したいんだけど。
「何もしなければ、いつまでも変らないんだからね」
フローラの言うことは正しいと思う。
他の4人に帝国へ行こうと誘ったのは私だった。その時は、上手くいくかどうかわからなくて不安もあった。かなり大きな賭けだった。この賭けは、成功したと思う。
マリンとルシール、フローラの3人は無事に帝国での暮らしに馴染めたから。あとは、私とリゼットということなのね。
「私に見合う殿方と出会えたら、すぐに結婚するつもりよ」
リゼットも、ある意味では帝国の貴族社会に馴染んでいた。彼女は、毎日のように社交界に出席している。そこで貴族の子息たちと上手く付き合いながら、新しいパートナー探しに奔走していた。
自信満々な彼女は、納得のいく相手を見つけるまで頑張るつもりらしい。焦ったりせずに堂々としている姿は、とても魅力的に見えた。そんな彼女だから、本当に良い相手と巡り会えるだろう。
4人が幸せそうにしているので、帝国に移ってきて大正解。賭けは大成功だろう。それを見届けた私は、適当な相手を見つけて静かに暮らそうかと思っていたんだけれど。
私はジャスター様に誘われて、彼と一緒に帝国のために働いていた。原作とは違う、想定していた未来とも全く違う。
新しい道を、歩み始めていた。
380
お気に入りに追加
3,515
あなたにおすすめの小説
[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜
桐生桜月姫
恋愛
シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。
だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎
本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎
〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜
夕方6時に毎日予約更新です。
1話あたり超短いです。
毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。
ざまぁされるのが確実なヒロインに転生したので、地味に目立たず過ごそうと思います
真理亜
恋愛
私、リリアナが転生した世界は、悪役令嬢に甘くヒロインに厳しい世界だ。その世界にヒロインとして転生したからには、全てのプラグをへし折り、地味に目立たず過ごして、ざまぁを回避する。それしかない。生き延びるために! それなのに...なぜか悪役令嬢にも攻略対象にも絡まれて...
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍化決定
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
婚約破棄されたので王子様を憎むけど息子が可愛すぎて何がいけない?
tartan321
恋愛
「君との婚約を破棄する!!!!」
「ええ、どうぞ。そのかわり、私の大切な子供は引き取りますので……」
子供を溺愛する母親令嬢の物語です。明日に完結します。
処刑される未来をなんとか回避したい公爵令嬢と、その公爵令嬢を絶対に処刑したい男爵令嬢のお話
真理亜
恋愛
公爵令嬢のイライザには夢という形で未来を予知する能力があった。その夢の中でイライザは冤罪を着せられ処刑されてしまう。そんな未来を絶対に回避したいイライザは、予知能力を使って未来を変えようと奮闘する。それに対して、男爵令嬢であるエミリアは絶対にイライザを処刑しようと画策する。実は彼女にも譲れない理由があって...
強すぎる力を隠し苦悩していた令嬢に転生したので、その力を使ってやり返します
天宮有
恋愛
私は魔法が使える世界に転生して、伯爵令嬢のシンディ・リーイスになっていた。
その際にシンディの記憶が全て入ってきて、彼女が苦悩していたことを知る。
シンディは強すぎる魔力を持っていて、危険過ぎるからとその力を隠して生きてきた。
その結果、婚約者のオリドスに婚約破棄を言い渡されて、友人のヨハンに迷惑がかかると考えたようだ。
それなら――この強すぎる力で、全て解決すればいいだけだ。
私は今まで酷い扱いをシンディにしてきた元婚約者オリドスにやり返し、ヨハンを守ろうと決意していた。
可愛い妹を母は溺愛して、私のことを嫌っていたはずなのに王太子と婚約が決まった途端、その溺愛が私に向くとは思いませんでした
珠宮さくら
恋愛
ステファニア・サンマルティーニは、伯爵家に生まれたが、実母が妹の方だけをひたすら可愛いと溺愛していた。
それが当たり前となった伯爵家で、ステファニアは必死になって妹と遊ぼうとしたが、母はそのたび、おかしなことを言うばかりだった。
そんなことがいつまで続くのかと思っていたのだが、王太子と婚約した途端、一変するとは思いもしなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる