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第13話 冒険者になって

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「ダンジョンへの立ち入り許可も、ですか?」
「はい。ダンジョンへの立ち入りの許可、よろしくお願いします」

 ギルド受付嬢の指示に従って冒険者の登録を無事済ませた。その後、ダンジョンの立ち入り許可もついでに申請する。しかし、ダイロンの言葉を聞いた受付嬢の表情が曇った。何か、マズイことを言ってしまったのか。

「初心者が3人だけで? それはちょっと、危険ですよ。まず最初は、簡単な依頼をこなしてから、しっかりとした実績を積んで。それからダンジョンに挑戦するというのはどうでしょうか?」

 どうやら彼女は、私達のことを心配してくれたようだ。そして、わざわざ忠告してくれた。冒険者に登録して、すぐダンジョンに潜ろうとするのは、危険だと思われる行為らしい。登録したばかりの初心者で、実績が無いから心配するのも当然だろう。

「えぇ……、ダンジョンに潜れないのかよ」
「仕方ないだろ。受付嬢の忠告を聞くべきだ」
「そうですね。まずは言われた通り、依頼を受けて実績を積みましょう」

 ダンジョンに立ち入るのを止められ、とても残念そうにするロバン。ダンジョンに潜るのは、もう少し後になりそうだ。と思ったら、受付嬢がこんな提案をしてきた。

「お金が必要になりますが、ダンジョンの内部を見るだけなら他の冒険者を案内人を雇って同行してもらうことで、見学することが可能ですよ? それだったら、危険も少ないと思いますが」
「本当ですか!? 二人共、聞いたか? 案内人の冒険者を雇おうぜ!」

 受付嬢の話を聞いてノリノリのロバン。私は、案内役をお願いするのにお金を払う必要があると聞いて消極的だった。高めの宿屋を借りていたので、節約したいという気持ちがあったから。

 わざわざ案内人まで雇って、無理してダンジョン内部を見学する必要はないんじゃないかしら。冒険初心者の私達は、これから色々と学ぶべきことがあるはずだ。今は無茶しないことが大事。

「お金が必要なんですよね。少し、勿体ないのでは?」
「自分たちの実力を試してみる、というのはアリだと思いますよ」

 意外にも、ダイロンが案内人を雇うことに賛成のようだった。ダンジョンに行き、自分の実力を試してみたいようだ。それだけ、自分の実力に自信がある、ということかな。

 これまで彼らと一緒に旅を続けてきて、実力も知っている。だから、ダンジョンでも通用するんじゃないか、とも思う。私は、ダンジョンについて詳しい情報は知らないけれど。通用するかどうかも、分からない。だから、試してみる必要があるのね。

「そうそう! 一旦、見に行ってみようぜ! 雇う金は、俺が払うからさ」
「わかりました。そこまで言うのなら、一度ダンジョンに挑戦してみましょうか」

 そこまで行ってみたいと言うロバン。2対1になったので、私も彼らの意見に従うことにする。私も、ダンジョンに興味はあったから。生まれて初めて挑戦することになる、ダンジョン攻略。

 貴族令嬢だった私が、そんな事をするなんて予想していなかった。でも、ワクワクしている自分がいる。こんな経験が出来て、良かったと感じていた。
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