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第12話 目的地に到着
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国境を超えて、ようやく目的のローハタの平原に辿り着いた。開けた大地と、周りを囲む険しい山々。ダンジョンの近くに冒険者の街があると聞いていたので、そこに向かう。
「おぉ、ここが!」
「冒険者の街か」
「凄いですね」
武装した冒険者らしき男女、商人たちが多く居る街だった。そんな景色を、二人が楽しそうな笑顔を浮かべて眺めている。彼らの横で私も、初めて見る光景に興奮していた。
大剣を背負って、重そうな鎧を身にまとった人達があちこちに居るのが見える。その隣に、身長と同じぐらい巨大なかばんを背負って、楽々と歩いている人達も居た。
噂で聞いていた通り、冒険者たちが沢山集まっているようだ。しばらく街の様子を眺めた後、私は二人に提案した。
「とりあえず、この街に滞在するための宿を探しますか?」
「そうだな。しばらくはこの街で活動することになるだろうから、拠点となる場所を決めよう」
「いやいや。先に、冒険者ギルドに行って、手続きしようぜ」
私の意見に賛成してくれたダイロン。しかし、ロバンは待ちきれない様子。宿より先に、冒険者の登録を済ませたいと言っている。彼の気持ちも、よく分かる。でも、まず先に拠点を決めておいたほうが良いと思う。ダイロンも、そう思ったようだ。
「ダメだ。先に宿を決めて、準備を整えてからじゃないと。この先、何が起こるのか分からないんだぞ? 拠点となる場所を確保しておかないと」
「……ちぇっ! わかったよ!」
ダイロンの意見を聞いて、ロバンは不機嫌そうに唇を尖らせながら納得した。そんな彼の子供のような様子に苦笑しつつ、私は二人と一緒に拠点にする宿を探す。
「早く宿を見つけて、すぐに冒険者ギルドへ向かいましょう」
「……そうだな。さっさと宿を見つけよう」
「ほら、行こう。二人共」
ロバンを慰めながら、街を歩く。私は周りに居る人達を観察しながら、建物を見て回った。冒険者のための街だから、武器屋や防具屋が多いようだ。それから、宿屋も数多くあるようだ。
「冒険者になる前に、武器や防具を新調したほうが良いかもしれないな……」
ロバンがぼそっと、小さな声で呟くのが聞こえた。不機嫌だった彼も、すぐ機嫌を直して武器屋や防具屋に興味津々のようだ。
「あの宿が良さそうだ。ロバン、マリアンヌさん、どう思う?」
「いいんじゃないか?」
「私も、良いと思います」
ダイロンが選んだ宿に決めた私達は、中に入ることにした。その宿屋の名前は、『竜の巣亭』というらしい。看板にもドラゴンの絵が描かれている。なかなか高級そうな外観をしている宿屋なので、期待できるかもと思った。
「いらっしゃい。三名様ですか?」
「はい。男女で部屋を分けて下さい。1ヶ月ほど滞在する予定で」
受付にいた女性に声を掛けられ、ダイロンが返事をした。すると女性は笑顔を浮かべて、私達を見つめる。
「かしこまりました。料金は前払いとなります。1ヶ月間のご利用で、銀貨十枚になります」
「それで、頼む」
なかなかの金額だった。しかし、旅の途中で稼いだお金があったので支払うことは出来る。対応も良いので、ここに決めて大丈夫そうだ。まだ、所持金に余裕もある。あとは、冒険者の仕事で稼げるかどうか。頑張らないといけない。
拠点を確保して、借りた部屋に旅の荷物を置いてきた。身軽になってから、私達は冒険者ギルドに向かう。そこで手続きをして、冒険者になるために。
「おぉ、ここが!」
「冒険者の街か」
「凄いですね」
武装した冒険者らしき男女、商人たちが多く居る街だった。そんな景色を、二人が楽しそうな笑顔を浮かべて眺めている。彼らの横で私も、初めて見る光景に興奮していた。
大剣を背負って、重そうな鎧を身にまとった人達があちこちに居るのが見える。その隣に、身長と同じぐらい巨大なかばんを背負って、楽々と歩いている人達も居た。
噂で聞いていた通り、冒険者たちが沢山集まっているようだ。しばらく街の様子を眺めた後、私は二人に提案した。
「とりあえず、この街に滞在するための宿を探しますか?」
「そうだな。しばらくはこの街で活動することになるだろうから、拠点となる場所を決めよう」
「いやいや。先に、冒険者ギルドに行って、手続きしようぜ」
私の意見に賛成してくれたダイロン。しかし、ロバンは待ちきれない様子。宿より先に、冒険者の登録を済ませたいと言っている。彼の気持ちも、よく分かる。でも、まず先に拠点を決めておいたほうが良いと思う。ダイロンも、そう思ったようだ。
「ダメだ。先に宿を決めて、準備を整えてからじゃないと。この先、何が起こるのか分からないんだぞ? 拠点となる場所を確保しておかないと」
「……ちぇっ! わかったよ!」
ダイロンの意見を聞いて、ロバンは不機嫌そうに唇を尖らせながら納得した。そんな彼の子供のような様子に苦笑しつつ、私は二人と一緒に拠点にする宿を探す。
「早く宿を見つけて、すぐに冒険者ギルドへ向かいましょう」
「……そうだな。さっさと宿を見つけよう」
「ほら、行こう。二人共」
ロバンを慰めながら、街を歩く。私は周りに居る人達を観察しながら、建物を見て回った。冒険者のための街だから、武器屋や防具屋が多いようだ。それから、宿屋も数多くあるようだ。
「冒険者になる前に、武器や防具を新調したほうが良いかもしれないな……」
ロバンがぼそっと、小さな声で呟くのが聞こえた。不機嫌だった彼も、すぐ機嫌を直して武器屋や防具屋に興味津々のようだ。
「あの宿が良さそうだ。ロバン、マリアンヌさん、どう思う?」
「いいんじゃないか?」
「私も、良いと思います」
ダイロンが選んだ宿に決めた私達は、中に入ることにした。その宿屋の名前は、『竜の巣亭』というらしい。看板にもドラゴンの絵が描かれている。なかなか高級そうな外観をしている宿屋なので、期待できるかもと思った。
「いらっしゃい。三名様ですか?」
「はい。男女で部屋を分けて下さい。1ヶ月ほど滞在する予定で」
受付にいた女性に声を掛けられ、ダイロンが返事をした。すると女性は笑顔を浮かべて、私達を見つめる。
「かしこまりました。料金は前払いとなります。1ヶ月間のご利用で、銀貨十枚になります」
「それで、頼む」
なかなかの金額だった。しかし、旅の途中で稼いだお金があったので支払うことは出来る。対応も良いので、ここに決めて大丈夫そうだ。まだ、所持金に余裕もある。あとは、冒険者の仕事で稼げるかどうか。頑張らないといけない。
拠点を確保して、借りた部屋に旅の荷物を置いてきた。身軽になってから、私達は冒険者ギルドに向かう。そこで手続きをして、冒険者になるために。
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