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第11話 ※アルフレッド視点
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※※アルフレッド視点※※
エヴリーヌとの婚約破棄、ドゥニーズとの婚約発表、それから爵位継承についてのパーティーを行ってから数日後。
あちこちで、今回のパーティーが酷評されていた。エヴリーヌよりも優秀なはずのドゥニーズに任せたのに、想定外の結果だった。
「ドゥニーズよ! 今回のパーティーの結果、準備不足で俺の評価はガタ落ちだ! 貴様に任せたのは間違いだった」
「私は一生懸命にやりました! アルフレッド様の協力が足りなかったせいです!」
なんて醜い女なのだろうか。自分のせいじゃないと責任逃れをするつもりらしい。彼女を信じて任せたというのに、エヴリーヌと比べたら最低のパーティーだ。
期待していた分、落胆も大きい。
なぜ俺は、こんな判断ミスをしてしまったのか。こんな女を信じてしまった自分が情けない。
「一番不愉快なのは、エヴリーヌが主催したパーティーは大成功したということだ!」
妹であるドゥニーズ主催のパーティーと、姉のエヴリーヌが主催したパーティーは当然のように比べられた。そして、圧倒的に姉のほうが評判が良かった。
婚約破棄された女が、別の家と再び婚約したことを発表した。普通ならば、評価が落ちるような状況。風聞も悪いはず。なのにエヴリーヌは、婚約を破棄されたことに関しては同情されて、パーティーを大成功させていた。
逆にドゥニーズが、姉から婚約相手を奪い取ったということで良くない噂が流れている。そんな女を新しい婚約相手として迎えた俺は、評判が下がった。
「お姉様が手伝ってくれさえすれば、次のパーティーは必ず成功します!」
「……おまえは、……っく!!」
ドゥニーズは、姉を頼りにしようとしている。本気なのか。自分は姉よりも優秀であると売り込んできた彼女が、姉に手伝ってとお願いするなんて。今になって俺は、真実を理解してしまった。
つまり、アイデアを盗まれたというのは嘘だったのか。社交界やパーティーなどに関する知識も、エヴリーヌの方が上だったということ。
俺は、彼女に騙されたのか。
「お前は、俺に嘘をついたんだな? 姉よりも優秀だと言っていたのに!」
「……」
俺の指摘にドゥニーズは、何も答えない。悔しそうに俺の顔を睨んでくるだけだ。何を逆ギレしているのか。
「このままでは、俺の落ちた評判が戻らないぞ。……仕方ないか。エヴリーヌと再び婚約するように手続きするしかないな。フィヨン家が、彼女との婚約を発表したようだが撤回させないと。話し合いに行く必要があるな」
「は? 私のことは? 婚約したでしょう!」
「お前は俺に嘘をついた! そんな婚約は、破棄だ! 事実を公表する」
「バカじゃないの? また婚約を破棄? 周りになんて言われるのか分かってる?」
「くっ……」
目の前にいる女に、怒りがこみ上げてくる。食いしばり、なんとか怒りは抑えた。今は怒っている場合じゃない。
ドゥニーズが無能であることが判明して、エヴリーヌの重要性を再認識した俺は、フィヨン家から彼女を取り戻す必要があった。すぐに行動しなければ。
エヴリーヌとの婚約破棄、ドゥニーズとの婚約発表、それから爵位継承についてのパーティーを行ってから数日後。
あちこちで、今回のパーティーが酷評されていた。エヴリーヌよりも優秀なはずのドゥニーズに任せたのに、想定外の結果だった。
「ドゥニーズよ! 今回のパーティーの結果、準備不足で俺の評価はガタ落ちだ! 貴様に任せたのは間違いだった」
「私は一生懸命にやりました! アルフレッド様の協力が足りなかったせいです!」
なんて醜い女なのだろうか。自分のせいじゃないと責任逃れをするつもりらしい。彼女を信じて任せたというのに、エヴリーヌと比べたら最低のパーティーだ。
期待していた分、落胆も大きい。
なぜ俺は、こんな判断ミスをしてしまったのか。こんな女を信じてしまった自分が情けない。
「一番不愉快なのは、エヴリーヌが主催したパーティーは大成功したということだ!」
妹であるドゥニーズ主催のパーティーと、姉のエヴリーヌが主催したパーティーは当然のように比べられた。そして、圧倒的に姉のほうが評判が良かった。
婚約破棄された女が、別の家と再び婚約したことを発表した。普通ならば、評価が落ちるような状況。風聞も悪いはず。なのにエヴリーヌは、婚約を破棄されたことに関しては同情されて、パーティーを大成功させていた。
逆にドゥニーズが、姉から婚約相手を奪い取ったということで良くない噂が流れている。そんな女を新しい婚約相手として迎えた俺は、評判が下がった。
「お姉様が手伝ってくれさえすれば、次のパーティーは必ず成功します!」
「……おまえは、……っく!!」
ドゥニーズは、姉を頼りにしようとしている。本気なのか。自分は姉よりも優秀であると売り込んできた彼女が、姉に手伝ってとお願いするなんて。今になって俺は、真実を理解してしまった。
つまり、アイデアを盗まれたというのは嘘だったのか。社交界やパーティーなどに関する知識も、エヴリーヌの方が上だったということ。
俺は、彼女に騙されたのか。
「お前は、俺に嘘をついたんだな? 姉よりも優秀だと言っていたのに!」
「……」
俺の指摘にドゥニーズは、何も答えない。悔しそうに俺の顔を睨んでくるだけだ。何を逆ギレしているのか。
「このままでは、俺の落ちた評判が戻らないぞ。……仕方ないか。エヴリーヌと再び婚約するように手続きするしかないな。フィヨン家が、彼女との婚約を発表したようだが撤回させないと。話し合いに行く必要があるな」
「は? 私のことは? 婚約したでしょう!」
「お前は俺に嘘をついた! そんな婚約は、破棄だ! 事実を公表する」
「バカじゃないの? また婚約を破棄? 周りになんて言われるのか分かってる?」
「くっ……」
目の前にいる女に、怒りがこみ上げてくる。食いしばり、なんとか怒りは抑えた。今は怒っている場合じゃない。
ドゥニーズが無能であることが判明して、エヴリーヌの重要性を再認識した俺は、フィヨン家から彼女を取り戻す必要があった。すぐに行動しなければ。
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