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自分にできること ※第二王子視点
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お姉さんが楽しんでいたダンジョンの探索を、兄が禁止すると命じた。
許せない。お姉さんの喜びを奪い取るなんて。僕だったら、そんなこと絶対しないのに。
どうにかして、禁止の命令を解いてあげたい。だけど、僕が兄に言っても無視されてしまうだろう。弟のくせに余計なことを言うなと、文句を言われるかもしれない。
それだけだったら、まだいい。僕ではなく、お姉さんが責められるかもしれない。そうなってしまうのは絶対に嫌だった。
どうにかして、お姉さんのダンジョン禁止の命令を解かせて、自由にさせてあげたい。でも今の僕には、どうにも出来ない。
僕は考えた。どうすればそれができるようになるのかって。お姉さんを守れるようにするには、どうすればいいのか。
力が必要だと思った。兄でも、文句を言わせないだけの力が。そうすれば、彼女を守ることができる。
力をつけるためには、どうすればいいだろう? 僕は、お姉さんの言っていたことを思い出した。ダンジョンは人を成長させる。それは事実だと思う。
僕も、お姉さんと一緒にダンジョンに入った後、急成長した実感があった。前より体の動きが軽くなり、頭の回転も早くなったような気がする。それから、周りの人の態度まで変わっていた。それだけ、劇的な変化があった。
ならば,もっと強くなるためにダンジョンに潜ればいいんだ。そうすれば、きっと今よりも強くなれるはずだから。成長するため、僕はダンジョンに挑もう。
経験豊富なお姉さんは、一緒に行けない。だから、自分で準備するしかない。信用できる仲間を集めて、装備を揃える。計画を練って、それから挑む。
お姉さんにも相談して、アドバイスを貰った。お姉さんは、ダンジョンに行くことは禁止されてしまった。けど、ダンジョンの話をすることは禁止されていない。
もしかしたら、行きたいのに禁止されているので話もしたくないかもしれない、と思っているかも。そんな心配をしながら話してみたら、お姉さんは優しくアドバイスしてくれた。
「絶対に無理をしないで。ダンジョンの中では焦らず、慎重に行動すること。危なくなったら逃げること。必ず生きて帰ってくること。経験値を稼いでレベルを上げれば、もっともっと強くなれるから」
「わかりました!」
レベルというのが何か、わからなかった。けれど、ダンジョン探索の経験を積めば強くなれることを確信しているお姉さん。そのお姉さんの言葉を、僕も信じて挑む。
準備は大変だったけれど完了した。さて、僕もお姉さんのようにダンジョンに挑戦してみよう!
許せない。お姉さんの喜びを奪い取るなんて。僕だったら、そんなこと絶対しないのに。
どうにかして、禁止の命令を解いてあげたい。だけど、僕が兄に言っても無視されてしまうだろう。弟のくせに余計なことを言うなと、文句を言われるかもしれない。
それだけだったら、まだいい。僕ではなく、お姉さんが責められるかもしれない。そうなってしまうのは絶対に嫌だった。
どうにかして、お姉さんのダンジョン禁止の命令を解かせて、自由にさせてあげたい。でも今の僕には、どうにも出来ない。
僕は考えた。どうすればそれができるようになるのかって。お姉さんを守れるようにするには、どうすればいいのか。
力が必要だと思った。兄でも、文句を言わせないだけの力が。そうすれば、彼女を守ることができる。
力をつけるためには、どうすればいいだろう? 僕は、お姉さんの言っていたことを思い出した。ダンジョンは人を成長させる。それは事実だと思う。
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ならば,もっと強くなるためにダンジョンに潜ればいいんだ。そうすれば、きっと今よりも強くなれるはずだから。成長するため、僕はダンジョンに挑もう。
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「わかりました!」
レベルというのが何か、わからなかった。けれど、ダンジョン探索の経験を積めば強くなれることを確信しているお姉さん。そのお姉さんの言葉を、僕も信じて挑む。
準備は大変だったけれど完了した。さて、僕もお姉さんのようにダンジョンに挑戦してみよう!
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