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憧れのお姉さん ※第二王子視点
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とても綺麗な人だった。
美しく長い金髪、澄んだ青い瞳に、ほっそりとした体つき。まるでおとぎ話に出てくる女神のようだと。初めてその女性を見たときに僕は、そう思った。衝撃だった。
見るだけでドキドキした。今まで見た、どんな人よりも美しい。
彼女が兄の婚約相手だと聞いて、とても残念に思った。兄が羨ましいなと思った。あんなにも素敵な人と結ばれるなんて、と嫉妬した。
あのお姉さんが兄に会いに来ると聞いて、遠くから一目だけでも見たいと思って、駆けつけた。
兄が待っている部屋の前で、しばらく僕も待つ。廊下の向こうから、護衛の兵士を引き連れて歩いてくる彼女を見て、胸を高鳴らせた。
あの美しい女性が、来た!
近寄ったりせず偶然を装いながら、さりげなく彼女に視線を向ける。すると彼女も僕に気付いたのか、目が合う。やばい。
「っ!」
ニコッと、彼女は微笑んでくれた。それを見た瞬間に、僕の心臓はドクンッ! と跳ね上がった。顔が熱くなり、息苦しくなるほど興奮した。
なんとか会釈して、その場を立ち去る。頭の中は、彼女のことばかり考えていた。また会いたいと願うようになった。
だけど、彼女は兄の婚約相手である。絶対に一緒にはなれない。一緒になりたいと思ってはいけない。だからせめて、遠くから眺めるだけでも。
それから何度か彼女と会う機会があった。でも、会話することは一度もなかった。ただ笑顔で会釈するだけ。それ以上は決してない。
ちょっと寂しかったけど、でも、それでいいとも思っていた。婚約相手のいる女性と馴れ馴れしくして、勘違いされたら大変だから。あの美しい女性に、迷惑かけたくない。
それからしばらくして、彼女と会話する機会があった。王族の人間として、国王も同席しての正式な挨拶。第二王子のブレットとして、兄の婚約相手である女性に挨拶するだけ。なにも、やましいことはない。
「アデーレと申します。今まで何度かお会いしましたが、こうやってちゃんとお話しするのは初めてですね」
一番近くで、真正面からアデーレという女性の美しい顔をしっかりと見れた。じっと見続けたら、失礼だろうか。でも、ずっと見ていたい。
「あ、あぁ。そうだな。僕の名は、ブレット。よろしく頼む」
緊張しながら答える。いつも遠目から見ていた彼女の顔を、こんなに近くで見ると本当に綺麗だと思いながら。
「よろしくお願いします、ブレット様」
彼女の美しい声で名前を呼ばれる。それだけで、幸せな気分になった。それから、兄が羨ましいと強く思うようになった。
美しく長い金髪、澄んだ青い瞳に、ほっそりとした体つき。まるでおとぎ話に出てくる女神のようだと。初めてその女性を見たときに僕は、そう思った。衝撃だった。
見るだけでドキドキした。今まで見た、どんな人よりも美しい。
彼女が兄の婚約相手だと聞いて、とても残念に思った。兄が羨ましいなと思った。あんなにも素敵な人と結ばれるなんて、と嫉妬した。
あのお姉さんが兄に会いに来ると聞いて、遠くから一目だけでも見たいと思って、駆けつけた。
兄が待っている部屋の前で、しばらく僕も待つ。廊下の向こうから、護衛の兵士を引き連れて歩いてくる彼女を見て、胸を高鳴らせた。
あの美しい女性が、来た!
近寄ったりせず偶然を装いながら、さりげなく彼女に視線を向ける。すると彼女も僕に気付いたのか、目が合う。やばい。
「っ!」
ニコッと、彼女は微笑んでくれた。それを見た瞬間に、僕の心臓はドクンッ! と跳ね上がった。顔が熱くなり、息苦しくなるほど興奮した。
なんとか会釈して、その場を立ち去る。頭の中は、彼女のことばかり考えていた。また会いたいと願うようになった。
だけど、彼女は兄の婚約相手である。絶対に一緒にはなれない。一緒になりたいと思ってはいけない。だからせめて、遠くから眺めるだけでも。
それから何度か彼女と会う機会があった。でも、会話することは一度もなかった。ただ笑顔で会釈するだけ。それ以上は決してない。
ちょっと寂しかったけど、でも、それでいいとも思っていた。婚約相手のいる女性と馴れ馴れしくして、勘違いされたら大変だから。あの美しい女性に、迷惑かけたくない。
それからしばらくして、彼女と会話する機会があった。王族の人間として、国王も同席しての正式な挨拶。第二王子のブレットとして、兄の婚約相手である女性に挨拶するだけ。なにも、やましいことはない。
「アデーレと申します。今まで何度かお会いしましたが、こうやってちゃんとお話しするのは初めてですね」
一番近くで、真正面からアデーレという女性の美しい顔をしっかりと見れた。じっと見続けたら、失礼だろうか。でも、ずっと見ていたい。
「あ、あぁ。そうだな。僕の名は、ブレット。よろしく頼む」
緊張しながら答える。いつも遠目から見ていた彼女の顔を、こんなに近くで見ると本当に綺麗だと思いながら。
「よろしくお願いします、ブレット様」
彼女の美しい声で名前を呼ばれる。それだけで、幸せな気分になった。それから、兄が羨ましいと強く思うようになった。
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