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第42話 新しい日々
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アレクグル王国から使用人達がやって来た。どうやら私のお世話をしたいからと、こちらを訪れたらしい。わざわざ来てくれるなんて嬉しいけれど、大丈夫なのかしらと心配になる。
「旦那様には許可を頂いたので、大丈夫ですよ」
「あら、そうなの」
屋敷の専属料理人だったローワンの話によると、お父様の許可を得たらしい。
モーリスの商会に手伝ってもらって、代員も手配してから来たようなので安心して彼らを受け入れることに。
ただ私も、現在は宿屋で生活していた。来てくれた使用人達を受け入れるために、街のどこかにある屋敷を借りて、そこで暮らしていく準備をしないとけない。
今回もモーリスの商会を頼るべきか。それとも、他に誰か詳しい人は居るかしら。どうしようか悩んでいると、ブライアンが助け舟を出してくれた。
「それなら、王家が保有している屋敷が余っているから。それを使えばいいよ」
「私達が使っていいの?」
「もちろん。父上も了承してくれるはずだ」
ということで確認すると、すぐに手配してくれた。アレクグル王国からやって来た使用人達に屋敷の管理を任せて、私もそこで暮らすことに。
これで、もうしばらくデュラレン王国で過ごすことが決まった。この国にある魔法資料や歴史を調べるために、時間が必要だったので丁度よい。屋敷に新たな研究室も用意する。
私は、デュラレン王国を新たな拠点に定めて活動することを決めた。けれど一緒に旅行していたお母様はどうするのか、話を聞いてみる。すると、お母様は即答した。
「私も、ナディーンと一緒に居るわ」
「お父様や妹が居る、アレクグル王国には帰らなくてもいいの?」
「あの人は、お家のことで大変だろうから。妹のメイヤも私の事を嫌っていたから。彼らの近くに、私は居ない方が良いと思うのよ」
お母様は、アレクグル王国に帰りたくないようだ。
「それよりも、ナディーンと一緒に居たいわ。ダメかしら?」
「全然、ダメじゃないよ。とっても嬉しい」
お母様は、私と一緒に居ることを望んだ。それなら、大歓迎だ。話し合った結果、デュラレン王国の屋敷でお母様も一緒に暮らすことが決定した。
その後、お母様は屋敷には引きこもらずに色々と活動を始めた。デュラレン王国の社交界などに参加して、他の貴族婦人達と交流していた。新たな生き方を見つけて、日々を楽しんでいるようだ。笑顔も増えたので、とても良かった。
私も、新しく暮らし始めた屋敷でブライアンと一緒に、魔法の研究に没頭する。
まず初めに、王家の書庫に保管されている魔法の資料や歴史書の数々を片っ端から調べていく。
私も知らなかった過去の魔法理論や歴史の数々に興奮しながら、詳しく調べるために、たっぷりと時間を費やしていく。
「旦那様には許可を頂いたので、大丈夫ですよ」
「あら、そうなの」
屋敷の専属料理人だったローワンの話によると、お父様の許可を得たらしい。
モーリスの商会に手伝ってもらって、代員も手配してから来たようなので安心して彼らを受け入れることに。
ただ私も、現在は宿屋で生活していた。来てくれた使用人達を受け入れるために、街のどこかにある屋敷を借りて、そこで暮らしていく準備をしないとけない。
今回もモーリスの商会を頼るべきか。それとも、他に誰か詳しい人は居るかしら。どうしようか悩んでいると、ブライアンが助け舟を出してくれた。
「それなら、王家が保有している屋敷が余っているから。それを使えばいいよ」
「私達が使っていいの?」
「もちろん。父上も了承してくれるはずだ」
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私は、デュラレン王国を新たな拠点に定めて活動することを決めた。けれど一緒に旅行していたお母様はどうするのか、話を聞いてみる。すると、お母様は即答した。
「私も、ナディーンと一緒に居るわ」
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「あの人は、お家のことで大変だろうから。妹のメイヤも私の事を嫌っていたから。彼らの近くに、私は居ない方が良いと思うのよ」
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「それよりも、ナディーンと一緒に居たいわ。ダメかしら?」
「全然、ダメじゃないよ。とっても嬉しい」
お母様は、私と一緒に居ることを望んだ。それなら、大歓迎だ。話し合った結果、デュラレン王国の屋敷でお母様も一緒に暮らすことが決定した。
その後、お母様は屋敷には引きこもらずに色々と活動を始めた。デュラレン王国の社交界などに参加して、他の貴族婦人達と交流していた。新たな生き方を見つけて、日々を楽しんでいるようだ。笑顔も増えたので、とても良かった。
私も、新しく暮らし始めた屋敷でブライアンと一緒に、魔法の研究に没頭する。
まず初めに、王家の書庫に保管されている魔法の資料や歴史書の数々を片っ端から調べていく。
私も知らなかった過去の魔法理論や歴史の数々に興奮しながら、詳しく調べるために、たっぷりと時間を費やしていく。
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