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第32話 好き勝手に ※妹メイヤ視点
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何度かお姉様のお部屋に入ろうとしたのに阻止されてきた。あの部屋の中にある、魔法の研究成果を入手することが私の目的。お父様に告げ口されて怒られたけれど、私は諦めない!
だけど、なんでお姉様は私の邪魔をするのかしら。パーティーの時もそう。あんな暴露をするなんて酷すぎる。やりすぎだわ。
あのパーティー以降、お姉様は私を避けるようになった。私が、お姉様の代わりにリカードと婚約することを知って、ますます近寄ってこなくなった。
ちょっと前まで、ベタベタと絡んできていたのに。とても気分屋なお姉様。
私は知っている。お姉様がリカードの婚約相手だった頃に彼の気を引こうと必死になっていたこと。魔法の研究で成果を挙げて、どうにかして好かれようとしていた。残念ながら、失敗していたようだけど。
婚約破棄を告げられたお姉様は、リカードに反発して魔法の研究成果を提出しないようになったそうだ。嫌がらせしようとしているのね。おそらく、浮気されたという腹いせも兼ねている。
魅力が足りなかったから浮気されたのに。それを受け入れられない残念なお姉様。
私だったら、もっと上手くリカードの気を引くことが出来るはず。そのためにも、お姉様の研究した成果を渡してもらう。私が上手く使ってあげる。
お姉様のお部屋に入ることは無理だったから、直接お願いしてみることにした。
「ねぇ、お姉様ッ!」
「何?」
屋敷の廊下で出会った時、お姉様に話しかけた。面倒そうな返事で振り返る。私も話したくないが我慢して、会話を続けた。
「まだ、魔法の研究を続けているんでしょ?」
「……それが、どうしたの?」
「それじゃあ、前みたいに研究した成果をリカードに教えてあげてよ!」
「なんで私が?」
「お姉様は婚約を破棄されたけれど、代わりに私が婚約相手になったんだから。妹のために、婚約者のリカードと仲良くなるための手伝いをしてくれてもいいじゃない。彼も、お姉様の研究成果が欲しいって言ってたから!」
「王子と私は、もう無関係よ。これから先も関わるつもりはない。婚約者になった、貴女が支えてあげなさい」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
それだけ言って、去っていった。お姉様を呼んでも、もう止まってくれなかった。やっぱり、お願いしても駄目だったか。
もう、意地悪なんだから! 家族なのに協力してくれないなんて。
教えてくれないのなら、やっぱり自分で手に入れないといけないわね。どうにか、機会を伺って入手する。そのためには、どうしたらいいかしら。私は必死に考えた。
それから意外とすぐに、お姉様のお部屋に入る機会はやって来た。旅行で屋敷から居なくなった今なら、中に入るチャンス。
婚約破棄されたのに旅行するなんて、意外と呑気なお姉様。だけど、屋敷から出ていってくれたおかげで、ようやく落ち着いてあのお部屋を調べることが出来るわ。
前回の失敗を踏まえて、ちゃんと作戦も立てている。
顔に布を巻いて素顔を隠し、服装も質素なものを着て変装した。こうしておけば、私がお部屋に入ったのもバレないはず。顔を隠しているから、記録に残されても何も問題にならない。使用人の誰かと勘違いしてくれたら、最高ね。
メイドが居なくなった瞬間を見計らって、部屋の中に入る。誰にも見つからずに、中に入ることが出来た。作戦は順調ね!
お姉様が素直に研究の成果を渡してくれていたら、こんな事しなくて済んだのに! お部屋の中を物色しながら、旅に出たお姉様に文句を言う。
「これね!」
机の上に、文字がいっぱい書かれている大事そうな紙が置いてあった。とりあえず今日は、これを持って帰ろう。
そして私は、お姉様の研究室から紙の束を持ち出すことに成功した。見ても内容は分からないが、役に立つはず。すぐリカードに見せに行こう! 喜んでくれるかな。
だけど、なんでお姉様は私の邪魔をするのかしら。パーティーの時もそう。あんな暴露をするなんて酷すぎる。やりすぎだわ。
あのパーティー以降、お姉様は私を避けるようになった。私が、お姉様の代わりにリカードと婚約することを知って、ますます近寄ってこなくなった。
ちょっと前まで、ベタベタと絡んできていたのに。とても気分屋なお姉様。
私は知っている。お姉様がリカードの婚約相手だった頃に彼の気を引こうと必死になっていたこと。魔法の研究で成果を挙げて、どうにかして好かれようとしていた。残念ながら、失敗していたようだけど。
婚約破棄を告げられたお姉様は、リカードに反発して魔法の研究成果を提出しないようになったそうだ。嫌がらせしようとしているのね。おそらく、浮気されたという腹いせも兼ねている。
魅力が足りなかったから浮気されたのに。それを受け入れられない残念なお姉様。
私だったら、もっと上手くリカードの気を引くことが出来るはず。そのためにも、お姉様の研究した成果を渡してもらう。私が上手く使ってあげる。
お姉様のお部屋に入ることは無理だったから、直接お願いしてみることにした。
「ねぇ、お姉様ッ!」
「何?」
屋敷の廊下で出会った時、お姉様に話しかけた。面倒そうな返事で振り返る。私も話したくないが我慢して、会話を続けた。
「まだ、魔法の研究を続けているんでしょ?」
「……それが、どうしたの?」
「それじゃあ、前みたいに研究した成果をリカードに教えてあげてよ!」
「なんで私が?」
「お姉様は婚約を破棄されたけれど、代わりに私が婚約相手になったんだから。妹のために、婚約者のリカードと仲良くなるための手伝いをしてくれてもいいじゃない。彼も、お姉様の研究成果が欲しいって言ってたから!」
「王子と私は、もう無関係よ。これから先も関わるつもりはない。婚約者になった、貴女が支えてあげなさい」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
それだけ言って、去っていった。お姉様を呼んでも、もう止まってくれなかった。やっぱり、お願いしても駄目だったか。
もう、意地悪なんだから! 家族なのに協力してくれないなんて。
教えてくれないのなら、やっぱり自分で手に入れないといけないわね。どうにか、機会を伺って入手する。そのためには、どうしたらいいかしら。私は必死に考えた。
それから意外とすぐに、お姉様のお部屋に入る機会はやって来た。旅行で屋敷から居なくなった今なら、中に入るチャンス。
婚約破棄されたのに旅行するなんて、意外と呑気なお姉様。だけど、屋敷から出ていってくれたおかげで、ようやく落ち着いてあのお部屋を調べることが出来るわ。
前回の失敗を踏まえて、ちゃんと作戦も立てている。
顔に布を巻いて素顔を隠し、服装も質素なものを着て変装した。こうしておけば、私がお部屋に入ったのもバレないはず。顔を隠しているから、記録に残されても何も問題にならない。使用人の誰かと勘違いしてくれたら、最高ね。
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お姉様が素直に研究の成果を渡してくれていたら、こんな事しなくて済んだのに! お部屋の中を物色しながら、旅に出たお姉様に文句を言う。
「これね!」
机の上に、文字がいっぱい書かれている大事そうな紙が置いてあった。とりあえず今日は、これを持って帰ろう。
そして私は、お姉様の研究室から紙の束を持ち出すことに成功した。見ても内容は分からないが、役に立つはず。すぐリカードに見せに行こう! 喜んでくれるかな。
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