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第15話 切り捨てる時 ※レイティア視点
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「どうしよう、レイティア?」
目の前でオロオロしているランドリックを見る。どうやら彼は、次期当主の座から降ろされてしまったそうだ。
どうするかなんて、自分で考えないとダメでしょ。私を頼ろうとするなんて、情けない男ね。彼に対する評価が一気に下がる。気持ちも冷めてしまった。
これまで彼には利用価値があった。メディチ公爵家の長男で、次期当主という地位にある彼の存在は非常に重宝されるものだった。そんなランドリックと一緒になれば、私も楽しく過ごせるだろうと思っていたのに。
今のランドリックの姿を見ると、雲行きが怪しいわね。まだ彼と一緒にいるべきかどうか、私は判断しないといけない。その価値があるかどうか。
もう目的は果たせたから。彼にアンリエッタを捨てさせる。その時の彼女の表情を見れただけで、満足すべきなのかもしれない。
私の想像と違い、あの女は余裕そうだったけど。でもきっとあれは、強がっていただけでしょ。だって彼女は、貴族の身分を捨てて平民になるなんて契約した。
あの女が平民になるなんて想定外だけど、とても愉快な結果になってくれた。あの澄ました顔がどうなるのか、とても興味がある。
とにかく、ランドリックは見限って、別の男を探すべきかもしれない。せっかく、いい男を捕まえたと思ったのに。残念ね。
「何か、いい方法はないか? レイティア」
「そうですね……」
私に聞いてばかりで、自分で考える気はないのかしら。そう言いたくなる気持ちをグッと抑えて、考えてみる。
とりあえず適当に、私に迷惑のかからないように。
「今動くのは得策ではありません。じっとして様子を見るべきです。私との結婚も、しばらく先送りにしましょう。その方が安全かと」
「……そうだな。わかった、そうしよう」
そう言うと、ランドリックは頷いた。それから、安心したように表情を緩ませた。まだ何も解決していないのに、お気楽ね。
私の言うことを聞いて、動いてくれそう。扱いやすいのはいいけれど、頼りない。やっぱり、彼との関係は一旦白紙に戻した方がいいかしら。
しばらく付き合いながら、徐々に距離を置く方が良さそうね。こんな男と一緒に、人生を失敗するなんてごめんよ。
「やはり、レイティアは頼りになるよ! これから先、どんな困難があっても二人で乗り越えていけそうだな」
「……そうですね」
この前、私が言った言葉。けれども今の私は、その気持ちが薄れてしまっていた。それに気付く様子もないランドリック。この男では頼りにならないわ。もっと優秀な人がいい。
そんな本音を隠しながら、曖昧な笑みを浮かべて誤魔化しておく。それに満足したようで、ランドリックはとても嬉しそうな顔をしていた。
目の前でオロオロしているランドリックを見る。どうやら彼は、次期当主の座から降ろされてしまったそうだ。
どうするかなんて、自分で考えないとダメでしょ。私を頼ろうとするなんて、情けない男ね。彼に対する評価が一気に下がる。気持ちも冷めてしまった。
これまで彼には利用価値があった。メディチ公爵家の長男で、次期当主という地位にある彼の存在は非常に重宝されるものだった。そんなランドリックと一緒になれば、私も楽しく過ごせるだろうと思っていたのに。
今のランドリックの姿を見ると、雲行きが怪しいわね。まだ彼と一緒にいるべきかどうか、私は判断しないといけない。その価値があるかどうか。
もう目的は果たせたから。彼にアンリエッタを捨てさせる。その時の彼女の表情を見れただけで、満足すべきなのかもしれない。
私の想像と違い、あの女は余裕そうだったけど。でもきっとあれは、強がっていただけでしょ。だって彼女は、貴族の身分を捨てて平民になるなんて契約した。
あの女が平民になるなんて想定外だけど、とても愉快な結果になってくれた。あの澄ました顔がどうなるのか、とても興味がある。
とにかく、ランドリックは見限って、別の男を探すべきかもしれない。せっかく、いい男を捕まえたと思ったのに。残念ね。
「何か、いい方法はないか? レイティア」
「そうですね……」
私に聞いてばかりで、自分で考える気はないのかしら。そう言いたくなる気持ちをグッと抑えて、考えてみる。
とりあえず適当に、私に迷惑のかからないように。
「今動くのは得策ではありません。じっとして様子を見るべきです。私との結婚も、しばらく先送りにしましょう。その方が安全かと」
「……そうだな。わかった、そうしよう」
そう言うと、ランドリックは頷いた。それから、安心したように表情を緩ませた。まだ何も解決していないのに、お気楽ね。
私の言うことを聞いて、動いてくれそう。扱いやすいのはいいけれど、頼りない。やっぱり、彼との関係は一旦白紙に戻した方がいいかしら。
しばらく付き合いながら、徐々に距離を置く方が良さそうね。こんな男と一緒に、人生を失敗するなんてごめんよ。
「やはり、レイティアは頼りになるよ! これから先、どんな困難があっても二人で乗り越えていけそうだな」
「……そうですね」
この前、私が言った言葉。けれども今の私は、その気持ちが薄れてしまっていた。それに気付く様子もないランドリック。この男では頼りにならないわ。もっと優秀な人がいい。
そんな本音を隠しながら、曖昧な笑みを浮かべて誤魔化しておく。それに満足したようで、ランドリックはとても嬉しそうな顔をしていた。
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