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第17話 不足不満 ※ユウコ視点
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ようやく、ヘルベルト様と婚約することが出来た。それは私の望んだ通りの未来。そうなるのが当然だと思っていた。だけど、なんだか私の心が満たされない。心に、ぽっかりと穴が空いたような気分だった。なぜだろう。
何か忘れているような気がする。だけど、それが何なのか思い出せない。
どうしても晴れない、モヤモヤした気持ちを抱えながら過ごしてきた。だから私は婚約相手となったヘルベルト様を頼りにした。どうにかして、助けてほしい。
だけど彼は冷たかった。この気持ちを晴らすため、色々とお願いした。それなのに何も言うことを聞いてくれない。彼は私のことを、ちょっとも大事にしてくれない。
最近のヘルベルト様は、元婚約者であるコルネリアに興味津々だった。彼女と元の関係に戻そうとしていることに、私は気がついていた。そんなの絶対に許さないわ。阻止しなければならない。
どうするべきか考えた時、私は良いアイデアを思いついた。ヘルベルト様が彼女のことを気にしないようにするため、コルネリアの存在を消せば良い。
暗殺者を雇って、コルネリアを消すように指示した。すぐに私を幸せにしてくれる報告を聞けると思った。そうなれば、このモヤモヤとした気持ちも晴れるはず。
だけど作戦は失敗した。私が雇っていた暗殺者は、あっさりと捕まってしまった。それどころか、そいつは雇い主である私のことを告発した。
その情報もすぐに、婚約相手のヘルベルト様に伝わってしまった。
「……ユウコ。君は、なんて事をしてくれたんだ」
兵士を連れて会いに来たヘルベルト様は、冷たい視線で私を見つめる。そんな目で見ないでよ。
「違うッ! 私のせいじゃない! 元はと言えば貴方が、あの女に目を向けたから! 婚約破棄を告げて別れたくせに、いつまでも未練がましく引きずって! もう二度と自分の元に帰って来るはずのない女のことを忘れなかった、貴方が!」
「ッ! さっさと、連れて行け」
彼は静かに怒りながら、兵士に指示を出す。男達が、私の身体を捕まえる。王妃になるはずの私を、そんな汚い手で触らないでよッ!
私の怒りは、ヘルベルトに向いた。
「あの女と同じように、私のことも捨てる気なのね! 最低な男ね、あんたはッ! そんな男、王になる器じゃないわよ!」
「うるさい! もう許さんぞ。お前は、必ず処刑してやる!」
連行される前に、言いたいことを全て吐き捨ててやる。ヘルベルトの歪んだ表情を見れて、多少はスッキリした。けれど、なんで私が処刑されなきゃいけないのよ。
そうよ。本来なら、コルネリアという女が処刑されなきゃいけないのに。なんで、私がここに居るのッ! 意味が分からない。
「そうよ! 本当はあの女が! コルネリアが処刑されるはずなのにッ!」
こうなるのは自分じゃない。なんとなく、そう思った。本当は、コルネリアという女がそうなるはずなのに。
何度も繰り返し訴え続けているのに、誰一人として私の話を聞いてくれなかった。処刑されるべきなのはコルネリアの方だと、本当のことを言っているのに。
何か忘れているような気がする。だけど、それが何なのか思い出せない。
どうしても晴れない、モヤモヤした気持ちを抱えながら過ごしてきた。だから私は婚約相手となったヘルベルト様を頼りにした。どうにかして、助けてほしい。
だけど彼は冷たかった。この気持ちを晴らすため、色々とお願いした。それなのに何も言うことを聞いてくれない。彼は私のことを、ちょっとも大事にしてくれない。
最近のヘルベルト様は、元婚約者であるコルネリアに興味津々だった。彼女と元の関係に戻そうとしていることに、私は気がついていた。そんなの絶対に許さないわ。阻止しなければならない。
どうするべきか考えた時、私は良いアイデアを思いついた。ヘルベルト様が彼女のことを気にしないようにするため、コルネリアの存在を消せば良い。
暗殺者を雇って、コルネリアを消すように指示した。すぐに私を幸せにしてくれる報告を聞けると思った。そうなれば、このモヤモヤとした気持ちも晴れるはず。
だけど作戦は失敗した。私が雇っていた暗殺者は、あっさりと捕まってしまった。それどころか、そいつは雇い主である私のことを告発した。
その情報もすぐに、婚約相手のヘルベルト様に伝わってしまった。
「……ユウコ。君は、なんて事をしてくれたんだ」
兵士を連れて会いに来たヘルベルト様は、冷たい視線で私を見つめる。そんな目で見ないでよ。
「違うッ! 私のせいじゃない! 元はと言えば貴方が、あの女に目を向けたから! 婚約破棄を告げて別れたくせに、いつまでも未練がましく引きずって! もう二度と自分の元に帰って来るはずのない女のことを忘れなかった、貴方が!」
「ッ! さっさと、連れて行け」
彼は静かに怒りながら、兵士に指示を出す。男達が、私の身体を捕まえる。王妃になるはずの私を、そんな汚い手で触らないでよッ!
私の怒りは、ヘルベルトに向いた。
「あの女と同じように、私のことも捨てる気なのね! 最低な男ね、あんたはッ! そんな男、王になる器じゃないわよ!」
「うるさい! もう許さんぞ。お前は、必ず処刑してやる!」
連行される前に、言いたいことを全て吐き捨ててやる。ヘルベルトの歪んだ表情を見れて、多少はスッキリした。けれど、なんで私が処刑されなきゃいけないのよ。
そうよ。本来なら、コルネリアという女が処刑されなきゃいけないのに。なんで、私がここに居るのッ! 意味が分からない。
「そうよ! 本当はあの女が! コルネリアが処刑されるはずなのにッ!」
こうなるのは自分じゃない。なんとなく、そう思った。本当は、コルネリアという女がそうなるはずなのに。
何度も繰り返し訴え続けているのに、誰一人として私の話を聞いてくれなかった。処刑されるべきなのはコルネリアの方だと、本当のことを言っているのに。
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