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第14話 お話の続き
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「私がそれを知ったのは、あの令嬢について調査を依頼されたからだ」
「ハースト伯爵家のユウコ」
私のつぶやいた声に頷くダルセル様。あの後、彼女はヘルベルト王子と正式に婚約した話は聞いたけれど、そんなことをされていたのね。
「そうだ。婚約破棄の件について詳しく事情を解明するために、私が魔術で彼女から記憶を引き出して調査した」
魔術を使えば、そういう事も出来るらしい。私が覚えているあの光景を、あの娘も知っていたなんて。なら、婚約破棄は彼女の思い通りに起こされた出来事。
「その時に、乙女ゲームという形で記された数々の物語について」
「……おとめげーむ?」
「なるほど。どうやら君は、私とは別の形で情報を手に入れているようだね」
ダルセル様は話しながら、私の反応も観察しているようだった。色々と話しをしてくれると同時に、調査されているのが分かった。だけど、話を聞くのを止めることは出来ない。彼の話は、とても興味深かったから。
「ユウコ嬢から記憶を引き出した後、私は物語に登場していた人物について調べた。ヘルベルト王子やマルシャル大臣、騎士団長のノルベール殿に君のことも」
ダルセル様が羅列していく人物の名は、まさに私が見ていた光景にも出てきた人物でもあった。やはり、私と同じことをダルセル様も知っている。
「本来なら、ユウコ嬢に興味を示すマルシャル大臣とノルベール殿は今、なぜか君に興味を示している。この屋敷にも、度々訪れているようだね」
「はい、その通りです」
彼の言う通りだった。あの光景とは違って、なぜか二人の興味が私に向いていた。その理由は、私にも分からない。そして、彼らが地方にある屋敷に来ていることも、ダルセル様は把握していた。
「そして、コルネリア嬢は物語と違って婚約破棄された後、地方に移り住んで静かに暮らそうとしている。父親にお願いして、自らの意思で」
当然のように、私のことも把握しているらしい。
「特定の人物に対して、怯えた様子を見せているという話も聞いている」
「それは……」
まさか、そこまで知られているだなんて。隠せていると思った態度も、バレているようだ。私が、マルシャル大臣やノルベール様を怖がっていること。
そして今も、私がダルセル様を怖がっていることはバレているだろう。
「もしかして、君も知っているのではないか、と予想した」
調べた情報から、そう推測したらしい。ダルセル様には、何もかも知られている。そう感じるほど、厚い情報量。
「そこで君に一つ、提案がある」
「なんでしょうか?」
「私と結婚してくれ」
「ッ!?」
ダルセル様も、他の二人と同じように結婚を申し込んでくるなんて。やはり、彼と会うべきじゃなかったのかしら。
「ハースト伯爵家のユウコ」
私のつぶやいた声に頷くダルセル様。あの後、彼女はヘルベルト王子と正式に婚約した話は聞いたけれど、そんなことをされていたのね。
「そうだ。婚約破棄の件について詳しく事情を解明するために、私が魔術で彼女から記憶を引き出して調査した」
魔術を使えば、そういう事も出来るらしい。私が覚えているあの光景を、あの娘も知っていたなんて。なら、婚約破棄は彼女の思い通りに起こされた出来事。
「その時に、乙女ゲームという形で記された数々の物語について」
「……おとめげーむ?」
「なるほど。どうやら君は、私とは別の形で情報を手に入れているようだね」
ダルセル様は話しながら、私の反応も観察しているようだった。色々と話しをしてくれると同時に、調査されているのが分かった。だけど、話を聞くのを止めることは出来ない。彼の話は、とても興味深かったから。
「ユウコ嬢から記憶を引き出した後、私は物語に登場していた人物について調べた。ヘルベルト王子やマルシャル大臣、騎士団長のノルベール殿に君のことも」
ダルセル様が羅列していく人物の名は、まさに私が見ていた光景にも出てきた人物でもあった。やはり、私と同じことをダルセル様も知っている。
「本来なら、ユウコ嬢に興味を示すマルシャル大臣とノルベール殿は今、なぜか君に興味を示している。この屋敷にも、度々訪れているようだね」
「はい、その通りです」
彼の言う通りだった。あの光景とは違って、なぜか二人の興味が私に向いていた。その理由は、私にも分からない。そして、彼らが地方にある屋敷に来ていることも、ダルセル様は把握していた。
「そして、コルネリア嬢は物語と違って婚約破棄された後、地方に移り住んで静かに暮らそうとしている。父親にお願いして、自らの意思で」
当然のように、私のことも把握しているらしい。
「特定の人物に対して、怯えた様子を見せているという話も聞いている」
「それは……」
まさか、そこまで知られているだなんて。隠せていると思った態度も、バレているようだ。私が、マルシャル大臣やノルベール様を怖がっていること。
そして今も、私がダルセル様を怖がっていることはバレているだろう。
「もしかして、君も知っているのではないか、と予想した」
調べた情報から、そう推測したらしい。ダルセル様には、何もかも知られている。そう感じるほど、厚い情報量。
「そこで君に一つ、提案がある」
「なんでしょうか?」
「私と結婚してくれ」
「ッ!?」
ダルセル様も、他の二人と同じように結婚を申し込んでくるなんて。やはり、彼と会うべきじゃなかったのかしら。
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