未来の記憶を手に入れて~婚約破棄された瞬間に未来を知った私は、受け入れて逃げ出したのだが~

キョウキョウ

文字の大きさ
上 下
8 / 19

第8話 心変わり

しおりを挟む
 3日目朝、ベッドから起きた僕は早速火の消えたたき火跡に向かって皿とツボの様子を見た。

 これは・・・・あちゃーツボの方はだめっぽい。皿は表面が少しひび割れているが使えないことは無いが、ツボの方は底や外壁がひび割れてこのまま水を入れたら漏れそうだ。うーん、何が悪かったんだろう?粘土の練り具合かな?もっと厚く作ったほうがよかったのか?これは色々試してみよう。

 僕はツボの割れ目に粘土を刷り込み修復すると外に放置する。これで夕方には乾燥しているはず。

 さて今日は森の中を探索しよう。現在小屋を中心に10分ほど東に泉が南にウルフに遭遇した場所があり南に漂着した砂浜がある。探索はサバイバルの基本なのでもっと島全体を歩こう。

 まず南に行くことにする。基本的に森が広がっており何か新しい発見は無かった。30分ほど歩くと森を抜け一面足首の高さまで伸びる雑草の草原に着いた。その草原を歩いていると

キュー

 角が生えた兎が現れこちらを威嚇している。【鑑定】してみると

---------------------

角兎
ランク1
カテゴリー:【獣】
解説:角の生えた兎。見つかると頭の角で攻撃してくる。
入手可能な素材
・???

----------------------

 角兎という魔物らしい。さらに【鑑定】レベルが3に上昇して魔物から得られる素材もわかるようになった。これは便利。

 角兎は頭の角を突き出しながらこちらに突進をしてくる。僕は【牙のナイフ】とりだし構える。前回のウルフの時のように石を投げた戦いではなく、今回は武器があるんだ。十分角兎を引き付けた後、突進を横に躱し動きを止めた所を【牙のナイフ】で切り付けるとダメージエフェクトが出て角兎も痛がった。
 
 それを何度か繰り返すと角兎は地面に倒れポリゴン化し素材を落とした。
---------------------
角兎の肉
ランク1
カテゴリー:【肉】
耐久度:60
解説:角兎の脚の肉。動き回る角兎の身体を支えているため肉は引き締まっている
----------------------

 初のお肉ゲット。これはたき火で焼けばおいしいかもとお肉の調理法を考えていると突然横から衝撃が来て吹き飛んだ。横を確認すると知らない間にもう一匹角兎がいて僕に突進してきたみたいで、吹き飛んだ僕に向けてさらに突進を繰り出す。

 僕は慌てて横に飛ぶと角兎は勢いをつけすぎたのか偶然僕の後ろにあった木にぶつかり身動きが取れなくなった。どうやら角が刺さって動けないようだ。ラッキー、僕はその隙に角兎を何度も攻撃し倒すことに成功した。但し何も素材は落とさなかった。でもこの方法は使えるかも
 
 そこで平原にいる角兎を一匹ずつおびき寄せ同じように倒した。素材集めもかねて昼までその方法を繰り返していると合計10匹の角兎を倒せて
---------------------

角兎の角
ランク1
カテゴリー:【角】
耐久度:50
解説:角兎の角。角兎の角は折れたとしても何日化すると回復する。

----------------------

角兎の皮
ランク1
カテゴリー:【皮】
耐久度:40
解説:角兎の皮。少し切り傷があるが問題なく使えるだろう

----------------------

 新しく2種類のアイテムが手に入った。どうやら【鑑定】では数までは教えてくれないみたいだ。レベルが上がれば教えてくれるのだろうか。更に各素材についても面白いことが分かった。例えば【角兎の肉】なら

---------------------

角兎の肉
ランク1
カテゴリー:【肉】
耐久度:60
解説:角兎の胸の肉。角兎の中なら比較的柔らかい肉

-----------------------

 先ほどは足の肉だが、今度は胸の肉だった。どうやら肉にも部首があるらしい。味の違いも気になるところだ。次に角だが

---------------------

角兎の角
ランク1
カテゴリー:【角】
耐久度:30
解説:角兎の角。角兎の角は折れたとしても数日たつと回復する。何度も固いものと衝突してボロボロになっている

----------------------

 一度作戦が失敗して何度か【牙のナイフ】で攻撃を受けて倒したところ耐久度が低下した角を手に入れた。皮でも同じようなことが起きた。どうやら倒し方によってドロップするアイテムの耐久度に変化が生じる用だ。角だけを見ると最初のように一度も角兎の攻撃を受けずに倒すか、角を狙い一撃で折ると耐久度が高い角が出た。角がおられると角兎はすぐに逃げていったが。

 角兎を9体倒した時に

≪おめでとうございます。あなたは魔物を合計10体倒しました。SPが1増えます≫

 角兎を10体倒すと

≪おめでとうございます。種族【兎】を合計10体倒しました。新しく【兎キラー】を覚えました。【兎キラーLv1】は種族【兎】に対するダメージがUPします≫

 SPとスキルを覚えた、ラッキー。どうやら各種族の魔物を倒すことによりダメージ増加のスキルを覚える用だ。僕は南側の探索を終え、一度小屋へと戻った。

 小屋へと戻った僕は早速【たき火】を作り料理の準備をする。といっても先ほど手に入れた【角兎の肉】を枝の先を【石のナイフ】で鋭くして作った串にさして焼くだけだが。ちなみに枝で作った串は【鑑定】しても認識してくれなかった。朝修繕したツボを【たき火】に入れるのも忘れない。

 そして焼けた肉を皿に乗せると

---------------------

角兎の焼き串肉
ランク1
カテゴリー:【料理】
耐久度:50
解説:角兎の肉を串にさして焼かれたワイルドな料理。塩があればさらにおいしかっただろう

----------------------

【料理】として認識されたようだ。早速食べてみると・・・外で食べる焼いた肉の味はおいしかった。ただ解説にあったように塩は欲しい。近場に海があるから浅い皿の様なもので海水を取ってきて水分を飛ばせばできるかもしれない。でも確か結構高温じゃなかったらおいしい塩はできなかったはず。でも試しに作ってみよう。

 だけどこれで食料については解決した。次は水だけどこれに関してはツボが完成したら解決するはずだから午後はまた探索しよう。
しおりを挟む
感想 45

あなたにおすすめの小説

修道女エンドの悪役令嬢が実は聖女だったわけですが今更助けてなんて言わないですよね

星里有乃
恋愛
『お久しぶりですわ、バッカス王太子。ルイーゼの名は捨てて今は洗礼名のセシリアで暮らしております。そちらには聖女ミカエラさんがいるのだから、私がいなくても安心ね。ご機嫌よう……』 悪役令嬢ルイーゼは聖女ミカエラへの嫌がらせという濡れ衣を着せられて、辺境の修道院へ追放されてしまう。2年後、魔族の襲撃により王都はピンチに陥り、真の聖女はミカエラではなくルイーゼだったことが判明する。 地母神との誓いにより祖国の土地だけは踏めないルイーゼに、今更助けを求めることは不可能。さらに、ルイーゼには別の国の王子から求婚話が来ていて……? * この作品は、アルファポリスさんと小説家になろうさんに投稿しています。 * 2025年2月1日、本編完結しました。予定より少し文字数多めです。番外編や後日談など、また改めて投稿出来たらと思います。ご覧いただきありがとうございました!

【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい

三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。 そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。

婚約破棄された私の結婚相手は殿下限定!?

satomi
恋愛
私は公爵家の末っ子です。お兄様にもお姉さまにも可愛がられて育ちました。我儘っこじゃありません! ある日、いきなり「真実の愛を見つけた」と婚約破棄されました。 憤慨したのが、お兄様とお姉さまです。 お兄様は今にも突撃しそうだったし、お姉さまは家門を潰そうと画策しているようです。 しかし、2人の議論は私の結婚相手に!お兄様はイケメンなので、イケメンを見て育った私は、かなりのメンクイです。 お姉さまはすごく賢くそのように賢い人でないと私は魅力を感じません。 婚約破棄されても痛くもかゆくもなかったのです。イケメンでもなければ、かしこくもなかったから。 そんなお兄様とお姉さまが導き出した私の結婚相手が殿下。 いきなりビックネーム過ぎませんか?

婚約破棄をされたのだけど…

深月カナメ
恋愛
学園最後のパーティーで婚約破棄をされました。

私達、政略結婚ですから。

恋愛
オルヒデーエは、来月ザイデルバスト王子との結婚を控えていた。しかし2年前に王宮に来て以来、王子とはろくに会わず話もしない。一方で1年前現れたレディ・トゥルペは、王子に指輪を贈られ、二人きりで会ってもいる。王子に自分達の関係性を問いただすも「政略結婚だが」と知らん顔、レディ・トゥルペも、オルヒデーエに向かって「政略結婚ですから」としたり顔。半年前からは、レディ・トゥルペに数々の嫌がらせをしたという噂まで流れていた。 それが罪状として読み上げられる中、オルヒデーエは王子との数少ない思い出を振り返り、その処断を待つ。

この国では魔力を譲渡できる

ととせ
恋愛
「シエラお姉様、わたしに魔力をくださいな」  無邪気な笑顔でそうおねだりするのは、腹違いの妹シャーリだ。  五歳で母を亡くしたシエラ・グラッド公爵令嬢は、義理の妹であるシャーリにねだられ魔力を譲渡してしまう。魔力を失ったシエラは周囲から「シエラの方が庶子では?」と疑いの目を向けられ、学園だけでなく社交会からも遠ざけられていた。婚約者のロルフ第二王子からも蔑まれる日々だが、公爵令嬢らしく堂々と生きていた。

幼なじみのとばっちりに巻き込まれ、そんな彼女に婚約者を奪われるまでしつこくされ、家族にも見捨てられた私に何を求めているのでしょう?

珠宮さくら
恋愛
カミーユ・サヴィニーは、幼なじみに婚約者を奪われることになった。 実母はそんなことになった結果だけを見て物凄く怒っていた。そして、勘当でも、修道院にでも行かせようとして、恥を晒した娘なんて、家に置いておけないとばかりに彼女の両親はした。実の兄は我関せずのままだった。 そんなカミーユのことを遠縁が養子にしたいと言い出してくれたことで、実家との縁を切って隣国へと行くことになったのだが、色んなことがありすぎたカミーユは気持ちに疎くなりすぎていたからこそ、幸せを掴むことになるとは思いもしなかった。

婚約破棄の、その後は

冬野月子
恋愛
ここが前世で遊んだ乙女ゲームの世界だと思い出したのは、婚約破棄された時だった。 身体も心も傷ついたルーチェは国を出て行くが… 全九話。 「小説家になろう」にも掲載しています。

処理中です...