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第16話 平穏な暮らし
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アメリアさんの薬草採取や、テリーさんの農作業などのお手伝いをしながら、私は平穏な日々を送っていた。
少し前に村の人達が魔物を討伐したはずなのに、その後にも魔物が出てきて村人が襲われてしまった。それで今、皆は警戒している。
もしかすると今、森の中は非常に危険なんじゃないかと不安になっていた。魔物が村に襲来するんじゃないかと怯えている。
実は、村と周辺を覆う範囲で聖域を展開していた。エルメノン王国全土と比べたら非常に狭い範囲で、維持するのは簡単なもの。村の人達が魔物に襲われないように、彼らには黙って勝手に展開していた。
聖域を展開していることについて、村の人達に話すべきかどうか迷っている。どこから話す必要があるのか、どう説明したらいいのか分からない。この村は安全だからと言って、どう思われるのか。
この村の人達は親切で、おそらく感謝してくれるだろう。でも、私のことを怪しく思うかもしれない。それが怖い。でも、村の人達は怖がっている。早く話したほうが良いのではないか。でも。でも。
いつも私は悩んでしまい、村の人達に話せていなかった。聖域については、黙ったままだ。
怪我人の治療も手伝っていた。聖女の力を使って、怪我や病気を治していく。この力については、テリーさんを助ける時に見せていたので遠慮せずに使っていた。
怪我の治療は、目に見えて効果も分かりやすいから。村の人達や村長も、詳しい事情については聞かずにいてくれたので、説明せずに済んだ。
「ありがとう、クローディちゃん。とても楽になったよ」
「お役に立てて良かったです」
家事仕事で手が荒れてしまったおばあさんの手を、癒しの力で治療したり。
「おお、力が湧いてきた! これで、ワシも今すぐ仕事に戻れそうだなッ! って、イテテ……」
「無理はしないで下さい。また、痛めてしまいますよ」
「そうかそうか、すまんのう。気をつけるわい」
畑仕事で腰を痛めてしまったおじいさんを、癒しの力で治してあげたり。他にも色々と、頼られたら手伝っているうちに皆から感謝されて、村に馴染むことにも成功していた。
背が小さいので、まだ幼い子供だと思われている可能性があった。子供が頑張って手伝いしているから、必要以上に褒めてくれているとか。実際は、もう大人なのに。
しかし最近は、背も伸びてきた。成長する気配があるので、今より身長が伸びたら村の人達も私が大人だということを、見て分かってくれるようになるはず。
そうなるまで私は、この村で静かに暮らしていきたいと思う。
そんな事を考えていた、ある日のこと。農作業の手伝いをした帰り道で、村が騒がしいことに気がついた。何かあったのかと不安になって、私は急いで村に戻った。
聖域は今も維持したままだから、魔物が村を襲ってきたとかではないはず。魔物の退治に行く予定もなかったはずだけど。何事だろうか。
「クローディ! すまんが、ちょっと来てくれ!」
「どうしました、村長? 彼らは一体?」
村長に呼ばれて、私は駆け寄る。そして、その光景を目にして驚いた。村の広場で大量の怪我人たちが、治療を受けている最中だったから。
少し前に村の人達が魔物を討伐したはずなのに、その後にも魔物が出てきて村人が襲われてしまった。それで今、皆は警戒している。
もしかすると今、森の中は非常に危険なんじゃないかと不安になっていた。魔物が村に襲来するんじゃないかと怯えている。
実は、村と周辺を覆う範囲で聖域を展開していた。エルメノン王国全土と比べたら非常に狭い範囲で、維持するのは簡単なもの。村の人達が魔物に襲われないように、彼らには黙って勝手に展開していた。
聖域を展開していることについて、村の人達に話すべきかどうか迷っている。どこから話す必要があるのか、どう説明したらいいのか分からない。この村は安全だからと言って、どう思われるのか。
この村の人達は親切で、おそらく感謝してくれるだろう。でも、私のことを怪しく思うかもしれない。それが怖い。でも、村の人達は怖がっている。早く話したほうが良いのではないか。でも。でも。
いつも私は悩んでしまい、村の人達に話せていなかった。聖域については、黙ったままだ。
怪我人の治療も手伝っていた。聖女の力を使って、怪我や病気を治していく。この力については、テリーさんを助ける時に見せていたので遠慮せずに使っていた。
怪我の治療は、目に見えて効果も分かりやすいから。村の人達や村長も、詳しい事情については聞かずにいてくれたので、説明せずに済んだ。
「ありがとう、クローディちゃん。とても楽になったよ」
「お役に立てて良かったです」
家事仕事で手が荒れてしまったおばあさんの手を、癒しの力で治療したり。
「おお、力が湧いてきた! これで、ワシも今すぐ仕事に戻れそうだなッ! って、イテテ……」
「無理はしないで下さい。また、痛めてしまいますよ」
「そうかそうか、すまんのう。気をつけるわい」
畑仕事で腰を痛めてしまったおじいさんを、癒しの力で治してあげたり。他にも色々と、頼られたら手伝っているうちに皆から感謝されて、村に馴染むことにも成功していた。
背が小さいので、まだ幼い子供だと思われている可能性があった。子供が頑張って手伝いしているから、必要以上に褒めてくれているとか。実際は、もう大人なのに。
しかし最近は、背も伸びてきた。成長する気配があるので、今より身長が伸びたら村の人達も私が大人だということを、見て分かってくれるようになるはず。
そうなるまで私は、この村で静かに暮らしていきたいと思う。
そんな事を考えていた、ある日のこと。農作業の手伝いをした帰り道で、村が騒がしいことに気がついた。何かあったのかと不安になって、私は急いで村に戻った。
聖域は今も維持したままだから、魔物が村を襲ってきたとかではないはず。魔物の退治に行く予定もなかったはずだけど。何事だろうか。
「クローディ! すまんが、ちょっと来てくれ!」
「どうしました、村長? 彼らは一体?」
村長に呼ばれて、私は駆け寄る。そして、その光景を目にして驚いた。村の広場で大量の怪我人たちが、治療を受けている最中だったから。
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