4 / 50
第1章 姉妹編
第03話 帰宅
しおりを挟む
病院を退院することになった。
香織さん(こう呼ぶように言われた)が退院の手続きをしている間に、帰宅のために着替えるよう、家から持ってきた服装を渡された。
白い長シャツに、ファーの付いた茶色のコート、……ロングスカート。
(これを履かないといけないのか)
病院の男性看護師がみんなスカートを履いているのを見て、男性がスカートを履くのは日常的なものなのかと予想しいた。もしかしたら僕も履かないといけないかもしれないと覚悟していたが、思いの外早くその機会が来た。
ロングスカートを持ち、憎々しげに睨む。女物の服装には少しトラウマがあって、履くのを躊躇する。
トラウマの理由は、大学二年生時の学園祭だ。同じゼミの友人達がいつの間にか、イベントの一つである女装コンテストに勝手に参加登録されていた。キャンセルする期限も過ぎていて、参加せざるを得ない状況になっていた。
しかたがないので、その友人達が用意した白いワンピースを身にまとい参加した。
他の参加者たちは、むしろ笑いを取る事を目的にしたようなへんてこなメイクに、似合わないウィッグ、奇抜な女物の服装だったために笑いを取っていた。
だが、そんな中で僕は、女顔で真っ白なワンピースがよく似合っていた。自分一人だけ、場違いにも観客からの自分に向けられる「可愛い」の声に戸惑いつつなんとかイベントの雰囲気を壊さないように、笑顔を作って耐えた。
イベント終了後に、着替えるため着替え用の控え室へ戻る途中、向かいから歩いてくる女の子の集団の中に同じゼミの気になる子がいるのを見つけた。
祭りの高揚感と、面倒なイベントから解放された瞬間だったので変に興奮していたのだろう。その時、僕は思い切って彼女たちに声をかけた。
「あ、もしかして、さっきのイベント、見てくれていた?」
「……」
「えっと」
「……」
しかし、無視されてしまい横を通り過ぎていった。その途中に聞こえてきた言葉。
「男のくせによくあんな格好できるよね」
そう小声で囁き合うのが、妙にはっきりと耳に届いた。あまりにもショックな気分で何も言えず、女の子の集団が歩き去っていく背中を眺めることしか出来なかった。
今では、そんなこともあったなぁというくらいの思い出の一つだし、この世界だと男がスカートを履くというのは当たり前なようで、別に何の問題ないみたい。
だけど、やっぱり意識的には女装になるので抵抗があった。
さすがに今はいているパジャマでは帰れないので、えいやっと覚悟を決め香織さんが持ってきた服を着た。カバンには下着やパジャマ、タオルや洗面具を詰めていると香織さんが病室へ戻ってきた。
「おかえりなさい。手続きは済んだ?」
「ええ。終わったわよ、ゆうくん」
僕の身につけた服装を確認した香織さん。
「後は、これもかぶったら完璧ね」
そう言いながら、ベットの上に置いてあったつばの広い黒い帽子を、僕にかぶせて微笑んだ。荷物を入れたカバンを持とうとすると、香織さんに奪われた。
「荷物は私が持つわ」
本当なら男が持ちべきだろうけど、入院していた僕を気遣ってくれたんだろうな。だから、香織さんの思いやりに素直に甘えることにした。
病院のエントランスを通って、外へと繋がる自動ドアを通った。
記憶的には三日ぶり、肉体的には十日ぶりの外だ。筋肉がちょっと衰えたのかな、それとも元の肉体がそうだったのか、病室からここまでの距離を歩いただけで僅かに疲れを感じた。
3月に入ったばかりだからまだ少し肌寒いな。立ち止まって空を見ると、雲ひとつ無い快晴だった。
「タクシーを呼んであるから、それに乗って帰りましょう」
香織さんの後をついていき、止まってあるタクシーの後部座席に乗せられる。
タクシーのドライバーは、当然のように女性だった。女性が働くのが当たり前だと聞いていたが、記憶の影響で女性のドライバーというものは珍しいと感じてしまう。
香織さんの告げる行き先にあれっと思う。
(何処かに寄って帰るのかな)
ぼーっと走る車の窓の外を眺めること15分程。タクシーが住宅街に入って行くと、香織さんはドライバーに何度か道を指示する。
「あっ、ここです。ありがとうございました」
「では、2880円になります」
見知らぬ一軒家の前に止まると、タクシーを降りることになった。周りを見回してみたが、記憶に全くない場所だった。どこだろう、ここ。
「さぁ、中に入りましょう」
鉄の門扉を開け、中へと入る香織さんを見て、あぁそうかと合点がいく。
(住んでいる土地が違うなんて、こんなところにも記憶の齟齬があるのか)
記憶の中では、団地の一室に住んでいたはずだが、今は一軒家に住んでるらしい。
家の壁は、真新しく見えた。見た目には新築して間もないくらいの綺麗さで、家を建ててからそんなに時間が経ってないかもしれない。2階建てのようで、かなり大きな家だった。僕の記憶とは違うな。こんな立派な家じゃなかった。
香織さんは、ジーパンのポケットからキーケースを取り出しすと、中の一つの鍵を扉の鍵穴に挿して玄関を開けた。
玄関で靴を脱いで、香織さんの後に黙ってついていく。扉を一つ開けて、中に入るとダイニングルームだった。
「疲れたでしょう。ちょっと座ってて」
「あ、はい」
テーブルに座るようにと言われ、そのとおりに座った。
香織さんは肩に掛けていたカバンを床に置くと台所に行く。座った席からも台所の様子が見える構造だった。
棚からコップを2つ出してきて、冷蔵庫からは2リットルのお茶のペットボトルを取り出しコップに注ぐ。それを持って、テーブルに戻ってきた。
「どうぞ、ゆうくん」
「ありがとう」
香織さんは僕の向かいの席に座った。
「このお家はわかる?」
記憶の確認をしてくる香織さん。僕は、首を横に振った。
「ごめんなさい、わからないです」
申し訳なくなって、俯いてしまった。
「だ、だいじょうぶよ!これから思い出していけるわ」
気をかなり使わせているようで、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、更に俯いてしまう。
「ゆうくんの部屋は、階段を上がって一番奥の部屋」
「うん」
「それから一階の、向かいが私の部屋」
言うと、入ってきた扉を指さす。
「そして、2階にはハルちゃんや、サキちゃんにサアヤちゃん。そしてアオイちゃんが二階の部屋ね」
「ちょ、ちょっと待って」
今まで、香織さんが何度か言っている名前だが誰だか分からず、とうとう聞いた。先ほどから、気になっていたことだ。
「ハルさんやサキさん、って誰?」
香織さん(こう呼ぶように言われた)が退院の手続きをしている間に、帰宅のために着替えるよう、家から持ってきた服装を渡された。
白い長シャツに、ファーの付いた茶色のコート、……ロングスカート。
(これを履かないといけないのか)
病院の男性看護師がみんなスカートを履いているのを見て、男性がスカートを履くのは日常的なものなのかと予想しいた。もしかしたら僕も履かないといけないかもしれないと覚悟していたが、思いの外早くその機会が来た。
ロングスカートを持ち、憎々しげに睨む。女物の服装には少しトラウマがあって、履くのを躊躇する。
トラウマの理由は、大学二年生時の学園祭だ。同じゼミの友人達がいつの間にか、イベントの一つである女装コンテストに勝手に参加登録されていた。キャンセルする期限も過ぎていて、参加せざるを得ない状況になっていた。
しかたがないので、その友人達が用意した白いワンピースを身にまとい参加した。
他の参加者たちは、むしろ笑いを取る事を目的にしたようなへんてこなメイクに、似合わないウィッグ、奇抜な女物の服装だったために笑いを取っていた。
だが、そんな中で僕は、女顔で真っ白なワンピースがよく似合っていた。自分一人だけ、場違いにも観客からの自分に向けられる「可愛い」の声に戸惑いつつなんとかイベントの雰囲気を壊さないように、笑顔を作って耐えた。
イベント終了後に、着替えるため着替え用の控え室へ戻る途中、向かいから歩いてくる女の子の集団の中に同じゼミの気になる子がいるのを見つけた。
祭りの高揚感と、面倒なイベントから解放された瞬間だったので変に興奮していたのだろう。その時、僕は思い切って彼女たちに声をかけた。
「あ、もしかして、さっきのイベント、見てくれていた?」
「……」
「えっと」
「……」
しかし、無視されてしまい横を通り過ぎていった。その途中に聞こえてきた言葉。
「男のくせによくあんな格好できるよね」
そう小声で囁き合うのが、妙にはっきりと耳に届いた。あまりにもショックな気分で何も言えず、女の子の集団が歩き去っていく背中を眺めることしか出来なかった。
今では、そんなこともあったなぁというくらいの思い出の一つだし、この世界だと男がスカートを履くというのは当たり前なようで、別に何の問題ないみたい。
だけど、やっぱり意識的には女装になるので抵抗があった。
さすがに今はいているパジャマでは帰れないので、えいやっと覚悟を決め香織さんが持ってきた服を着た。カバンには下着やパジャマ、タオルや洗面具を詰めていると香織さんが病室へ戻ってきた。
「おかえりなさい。手続きは済んだ?」
「ええ。終わったわよ、ゆうくん」
僕の身につけた服装を確認した香織さん。
「後は、これもかぶったら完璧ね」
そう言いながら、ベットの上に置いてあったつばの広い黒い帽子を、僕にかぶせて微笑んだ。荷物を入れたカバンを持とうとすると、香織さんに奪われた。
「荷物は私が持つわ」
本当なら男が持ちべきだろうけど、入院していた僕を気遣ってくれたんだろうな。だから、香織さんの思いやりに素直に甘えることにした。
病院のエントランスを通って、外へと繋がる自動ドアを通った。
記憶的には三日ぶり、肉体的には十日ぶりの外だ。筋肉がちょっと衰えたのかな、それとも元の肉体がそうだったのか、病室からここまでの距離を歩いただけで僅かに疲れを感じた。
3月に入ったばかりだからまだ少し肌寒いな。立ち止まって空を見ると、雲ひとつ無い快晴だった。
「タクシーを呼んであるから、それに乗って帰りましょう」
香織さんの後をついていき、止まってあるタクシーの後部座席に乗せられる。
タクシーのドライバーは、当然のように女性だった。女性が働くのが当たり前だと聞いていたが、記憶の影響で女性のドライバーというものは珍しいと感じてしまう。
香織さんの告げる行き先にあれっと思う。
(何処かに寄って帰るのかな)
ぼーっと走る車の窓の外を眺めること15分程。タクシーが住宅街に入って行くと、香織さんはドライバーに何度か道を指示する。
「あっ、ここです。ありがとうございました」
「では、2880円になります」
見知らぬ一軒家の前に止まると、タクシーを降りることになった。周りを見回してみたが、記憶に全くない場所だった。どこだろう、ここ。
「さぁ、中に入りましょう」
鉄の門扉を開け、中へと入る香織さんを見て、あぁそうかと合点がいく。
(住んでいる土地が違うなんて、こんなところにも記憶の齟齬があるのか)
記憶の中では、団地の一室に住んでいたはずだが、今は一軒家に住んでるらしい。
家の壁は、真新しく見えた。見た目には新築して間もないくらいの綺麗さで、家を建ててからそんなに時間が経ってないかもしれない。2階建てのようで、かなり大きな家だった。僕の記憶とは違うな。こんな立派な家じゃなかった。
香織さんは、ジーパンのポケットからキーケースを取り出しすと、中の一つの鍵を扉の鍵穴に挿して玄関を開けた。
玄関で靴を脱いで、香織さんの後に黙ってついていく。扉を一つ開けて、中に入るとダイニングルームだった。
「疲れたでしょう。ちょっと座ってて」
「あ、はい」
テーブルに座るようにと言われ、そのとおりに座った。
香織さんは肩に掛けていたカバンを床に置くと台所に行く。座った席からも台所の様子が見える構造だった。
棚からコップを2つ出してきて、冷蔵庫からは2リットルのお茶のペットボトルを取り出しコップに注ぐ。それを持って、テーブルに戻ってきた。
「どうぞ、ゆうくん」
「ありがとう」
香織さんは僕の向かいの席に座った。
「このお家はわかる?」
記憶の確認をしてくる香織さん。僕は、首を横に振った。
「ごめんなさい、わからないです」
申し訳なくなって、俯いてしまった。
「だ、だいじょうぶよ!これから思い出していけるわ」
気をかなり使わせているようで、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、更に俯いてしまう。
「ゆうくんの部屋は、階段を上がって一番奥の部屋」
「うん」
「それから一階の、向かいが私の部屋」
言うと、入ってきた扉を指さす。
「そして、2階にはハルちゃんや、サキちゃんにサアヤちゃん。そしてアオイちゃんが二階の部屋ね」
「ちょ、ちょっと待って」
今まで、香織さんが何度か言っている名前だが誰だか分からず、とうとう聞いた。先ほどから、気になっていたことだ。
「ハルさんやサキさん、って誰?」
0
お気に入りに追加
261
あなたにおすすめの小説

男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)
@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」
このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。
「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。
男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。
「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。
青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。
ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。
「カクヨム」さんが先行投稿になります。
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる