26 / 27
第26話 王国の結末 ※第三者視点
しおりを挟む
エヴラール王子の命令によって、なんとか暴動を鎮圧することに成功した。だが、王国は大きな犠牲を払うことになった。
被害も多く、暴動が起きた原因も解決されないまま、民は不満を抱え続ける。
当然、その後のユークイナ王国の情勢は安定せず。王国の各地で何度も、民による暴動が起きることになる。
状況を変えようと、戴冠式を行った。エヴラール王子が新国王に即位する。王国に新たな君主が誕生した。しかし、それでも状況は変わらず悪いまま。
王となったエヴラールは、諦めてしまった無責任な前の王より、自分の方が優秀な王であると国民に見せつけるために、努力を続けた。しかし、その努力も実らない。
シャルロッテに禁止していた国内での営業も撤回して、王国に戻ってきてほしいと懇願した。しかし、彼女は拒否。その返事に怒り狂う、王となったエヴラール。
本人に頼んでも無理だと理解して、次は彼女の実家であるヴィラルドワン公爵家に命令した。どうにかしろと、責任を押し付けた。
ヴィラルドワン公爵家の当主は、娘に対して必死に説得を試みた。しかし、それも拒否するシャルロッテ。王国に帰るつもりはないと一蹴した。
王族と貴族が揉めて、新たな戦いの火種が生まれようとしていた。
王国が、目に見えて衰退していく。再び蘇る可能性はゼロに等しい。このままではいけないと、エヴラールは分かっていた。しかし、何も出来ない。
無駄に事態を動かして、失敗の繰り返し。
「どうして、こんなことに……!」
エヴラール王が呟いた。彼の苦悩の声は、誰にも聞こえない。誰も聞いていない。彼が即位する前の王が言っていたのように、手の施しようがない。
そしてついに、ユークイナ王国は崩壊した。エヴラール王は倒されてしまい、あっけなく命を落とした。
後の歴史家は、ユークイナ王国は菓子が原因で滅んでしまった非常に珍しい国だと揶揄し、その歴史を後世に語り継いだという。
被害も多く、暴動が起きた原因も解決されないまま、民は不満を抱え続ける。
当然、その後のユークイナ王国の情勢は安定せず。王国の各地で何度も、民による暴動が起きることになる。
状況を変えようと、戴冠式を行った。エヴラール王子が新国王に即位する。王国に新たな君主が誕生した。しかし、それでも状況は変わらず悪いまま。
王となったエヴラールは、諦めてしまった無責任な前の王より、自分の方が優秀な王であると国民に見せつけるために、努力を続けた。しかし、その努力も実らない。
シャルロッテに禁止していた国内での営業も撤回して、王国に戻ってきてほしいと懇願した。しかし、彼女は拒否。その返事に怒り狂う、王となったエヴラール。
本人に頼んでも無理だと理解して、次は彼女の実家であるヴィラルドワン公爵家に命令した。どうにかしろと、責任を押し付けた。
ヴィラルドワン公爵家の当主は、娘に対して必死に説得を試みた。しかし、それも拒否するシャルロッテ。王国に帰るつもりはないと一蹴した。
王族と貴族が揉めて、新たな戦いの火種が生まれようとしていた。
王国が、目に見えて衰退していく。再び蘇る可能性はゼロに等しい。このままではいけないと、エヴラールは分かっていた。しかし、何も出来ない。
無駄に事態を動かして、失敗の繰り返し。
「どうして、こんなことに……!」
エヴラール王が呟いた。彼の苦悩の声は、誰にも聞こえない。誰も聞いていない。彼が即位する前の王が言っていたのように、手の施しようがない。
そしてついに、ユークイナ王国は崩壊した。エヴラール王は倒されてしまい、あっけなく命を落とした。
後の歴史家は、ユークイナ王国は菓子が原因で滅んでしまった非常に珍しい国だと揶揄し、その歴史を後世に語り継いだという。
128
お気に入りに追加
1,472
あなたにおすすめの小説
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」


わたくし、残念ながらその書類にはサインしておりませんの。
朝霧心惺
恋愛
「リリーシア・ソフィア・リーラー。冷酷卑劣な守銭奴女め、今この瞬間を持って俺は、貴様との婚約を破棄する!!」
テオドール・ライリッヒ・クロイツ侯爵令息に高らかと告げられた言葉に、リリーシアは純白の髪を靡かせ高圧的に微笑みながら首を傾げる。
「誰と誰の婚約ですって?」
「俺と!お前のだよ!!」
怒り心頭のテオドールに向け、リリーシアは真実を告げる。
「わたくし、残念ながらその書類にはサインしておりませんの」
王太子に婚約破棄言い渡された公爵令嬢は、その場で処刑されそうです。
克全
恋愛
8話1万0357文字で完結済みです。
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に投稿しています。
コーンウォリス公爵家に令嬢ルイ―ザは、王国の実権を握ろうとするロビンソン辺境伯家当主フランシスに操られる、王太子ルークのよって絶体絶命の危機に陥っていました。宰相を務める父上はもちろん、有能で忠誠心の豊かな有力貴族達が全員紛争国との調停に送られていました。万座の席で露骨な言い掛かりで付けられ、婚約を破棄されたばかりか人質にまでされそうになったルイ―ザ嬢は、命懸けで名誉を守る決意をしたのです。

私を選ばなかったせいで破滅とかざまぁ、おかげで悪役令嬢だった私は改心して、素敵な恋人できちゃった
高岩唯丑
恋愛
ナナは同級生のエリィをいびり倒していた。自分は貴族、エリィは平民。なのに魔法学園の成績はエリィの方が上。こんなの許せない。だからイジメてたら、婚約者のマージルに見つかって、ついでにマージルまで叩いたら、婚約破棄されて、国外追放されてしまう。
ナナは追放されたのち、自分の行いを改心したら、素敵な人と出会っちゃった?!
地獄の追放サバイバルかと思いきや毎日、甘々の生活?!
改心してよかった!

王太子に婚約破棄され塔に幽閉されてしまい、守護神に祈れません。このままでは国が滅んでしまいます。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
リドス公爵家の長女ダイアナは、ラステ王国の守護神に選ばれた聖女だった。
守護神との契約で、穢れない乙女が毎日祈りを行うことになっていた。
だがダイアナの婚約者チャールズ王太子は守護神を蔑ろにして、ダイアナに婚前交渉を迫り平手打ちを喰らった。
それを逆恨みしたチャールズ王太子は、ダイアナの妹で愛人のカミラと謀り、ダイアナが守護神との契約を蔑ろにして、リドス公爵家で入りの庭師と不義密通したと罪を捏造し、何の罪もない庭師を殺害して反論を封じたうえで、ダイアナを塔に幽閉してしまった。

義妹が聖女を引き継ぎましたが無理だと思います
成行任世
恋愛
稀少な聖属性を持つ義妹が聖女の役も婚約者も引き継ぐ(奪う)というので聖女の祈りを義妹に託したら王都が壊滅の危機だそうですが、私はもう聖女ではないので知りません。
公爵令嬢エイプリルは嘘がお嫌い〜断罪を告げてきた王太子様の嘘を暴いて差し上げましょう〜
星里有乃
恋愛
「公爵令嬢エイプリル・カコクセナイト、今日をもって婚約は破棄、魔女裁判の刑に処す!」
「ふっ……わたくし、嘘は嫌いですの。虚言症の馬鹿な異母妹と、婚約者のクズに振り回される毎日で気が狂いそうだったのは事実ですが。それも今日でおしまい、エイプリル・フールの嘘は午前中まで……」
公爵令嬢エイプリル・カコセクナイトは、新年度の初日に行われたパーティーで婚約者のフェナス王太子から断罪を言い渡される。迫り来る魔女裁判に恐怖で震えているのかと思われていたエイプリルだったが、フェナス王太子こそが嘘をついているとパーティー会場で告発し始めた。
* エイプリルフールを題材にした作品です。更新期間は2023年04月01日・02日の二日間を予定しております。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる