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第26話 王国の結末 ※第三者視点

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 エヴラール王子の命令によって、なんとか暴動を鎮圧することに成功した。だが、王国は大きな犠牲を払うことになった。

 被害も多く、暴動が起きた原因も解決されないまま、民は不満を抱え続ける。

 当然、その後のユークイナ王国の情勢は安定せず。王国の各地で何度も、民による暴動が起きることになる。

 状況を変えようと、戴冠式を行った。エヴラール王子が新国王に即位する。王国に新たな君主が誕生した。しかし、それでも状況は変わらず悪いまま。

 王となったエヴラールは、諦めてしまった無責任な前の王より、自分の方が優秀な王であると国民に見せつけるために、努力を続けた。しかし、その努力も実らない。

 シャルロッテに禁止していた国内での営業も撤回して、王国に戻ってきてほしいと懇願した。しかし、彼女は拒否。その返事に怒り狂う、王となったエヴラール。

 本人に頼んでも無理だと理解して、次は彼女の実家であるヴィラルドワン公爵家に命令した。どうにかしろと、責任を押し付けた。

 ヴィラルドワン公爵家の当主は、娘に対して必死に説得を試みた。しかし、それも拒否するシャルロッテ。王国に帰るつもりはないと一蹴した。

 王族と貴族が揉めて、新たな戦いの火種が生まれようとしていた。



 王国が、目に見えて衰退していく。再び蘇る可能性はゼロに等しい。このままではいけないと、エヴラールは分かっていた。しかし、何も出来ない。

 無駄に事態を動かして、失敗の繰り返し。

「どうして、こんなことに……!」

 エヴラール王が呟いた。彼の苦悩の声は、誰にも聞こえない。誰も聞いていない。彼が即位する前の王が言っていたのように、手の施しようがない。

 そしてついに、ユークイナ王国は崩壊した。エヴラール王は倒されてしまい、あっけなく命を落とした。



 後の歴史家は、ユークイナ王国は菓子が原因で滅んでしまった非常に珍しい国だと揶揄し、その歴史を後世に語り継いだという。
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