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第18話 不満続出 ※エヴラール王子視点
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「なぜ、こんな事になった!?」
貴族の連中が一斉に、文句を言って来るらしい。なぜ、菓子店シェトレボーを王国から追い出したのかと。理解できない行いだと、不満をぶつけてくる。
追い出したんじゃない。彼女が勝手に、帝国に行ったんだ。それに、菓子を売っている店が王国から出ていったぐらいの事で、彼らは騒ぎ過ぎだと思う。元から王族に対して不満を持っていたから、今回の件に便乗して不満を言っているだけ。そうだとしか思えない。
しかし、不満を言っている貴族の連中をなんとかして落ち着かせないといけない。父も、僕に何度も文句を言ってくるので面倒だった。対処しないと駄目らしい。
「菓子店に資金援助した結果は、どうなった?」
「あれから、何も変わりはありませんよ」
「はぁ?」
王国の民が流出する原因だと思われている問題について、解決するため菓子を販売している店に援助するよう命令した。その後の結果がどうなったのか聞いてみると、信じられない報告が上がってきた。
資金援助したというのに、問題が解決されなかったどころか、何も変化がなかったらしい。そんな馬鹿な。
「どういう事だ!?」
「命令された通り、ちゃんと支援する店を選んで援助はしました」
「それじゃあ、なぜ何も変わらなかった!?」
どういう事だ? 意味が分からない。何のために金を出したと思っているんだ。命令に従ったフリをして、金を自分の物にしたというのか。その可能性もありえるな。この部下は信用できない。詳しくを話を聞いて、問いたださねばな。
「現在、王国には悪質な菓子店しか残っていませんから」
「そんな奴らに、資金援助したというのか!」
「いいえ。ちゃんと、一番マシな店を選びました。ですが、あの程度の資金援助では駄目だったのでしょうね。やはり、貴族が経営しているような店でないと、厳しいみたいですよ」
「くそっ! ふざけやがって……」
僕は、机を叩きつけて怒り狂った。あの程度と言うが、僕が出せる資金をちゃんと渡したはずだぞ。それを無駄にしたことも、許せない。
こうなったのも全て、あの女が帝国へ逃げていったせいだろう。
責任を取らせるために、呼び戻す必要がある。仕方ないから、王国での営業禁止も撤回してやる。今は帝国に居るという、シャルロッテを連れ戻せば問題は解決だ。
「すぐに、帝国へ使いを送るように手配しろ。シャルロッテを連れ戻すんだ」
「かしこまりました」
部下に命じて、シャルロッテを呼び戻せと命じる。とりあえずこれで、問題は全て解決されるはず。ここしばらくの間、とても大変だった。でも、久しぶりに心が落ち着く気がする。
あの女が、王国に帰ってくるという報告を待っていれば良いだけだからな。後は、ゆっくりと待てば良いだろう。
そう思っていたのに、あの女は帝国から戻ってこないつもりのようだ。僕の命令を拒否した。今は忙しいから、王国には戻れないと言い訳して。なんて酷い女だろう。王国が大変な状況だというのに、王国の令嬢として助けてくれようとしないなんて。
あの薄情な女との婚約を破棄したことは間違っていなかったと、改めて確信した。しかし、これからどうすれば良いのか。何も思い浮かばなかった。どうすれば。
貴族の連中が一斉に、文句を言って来るらしい。なぜ、菓子店シェトレボーを王国から追い出したのかと。理解できない行いだと、不満をぶつけてくる。
追い出したんじゃない。彼女が勝手に、帝国に行ったんだ。それに、菓子を売っている店が王国から出ていったぐらいの事で、彼らは騒ぎ過ぎだと思う。元から王族に対して不満を持っていたから、今回の件に便乗して不満を言っているだけ。そうだとしか思えない。
しかし、不満を言っている貴族の連中をなんとかして落ち着かせないといけない。父も、僕に何度も文句を言ってくるので面倒だった。対処しないと駄目らしい。
「菓子店に資金援助した結果は、どうなった?」
「あれから、何も変わりはありませんよ」
「はぁ?」
王国の民が流出する原因だと思われている問題について、解決するため菓子を販売している店に援助するよう命令した。その後の結果がどうなったのか聞いてみると、信じられない報告が上がってきた。
資金援助したというのに、問題が解決されなかったどころか、何も変化がなかったらしい。そんな馬鹿な。
「どういう事だ!?」
「命令された通り、ちゃんと支援する店を選んで援助はしました」
「それじゃあ、なぜ何も変わらなかった!?」
どういう事だ? 意味が分からない。何のために金を出したと思っているんだ。命令に従ったフリをして、金を自分の物にしたというのか。その可能性もありえるな。この部下は信用できない。詳しくを話を聞いて、問いたださねばな。
「現在、王国には悪質な菓子店しか残っていませんから」
「そんな奴らに、資金援助したというのか!」
「いいえ。ちゃんと、一番マシな店を選びました。ですが、あの程度の資金援助では駄目だったのでしょうね。やはり、貴族が経営しているような店でないと、厳しいみたいですよ」
「くそっ! ふざけやがって……」
僕は、机を叩きつけて怒り狂った。あの程度と言うが、僕が出せる資金をちゃんと渡したはずだぞ。それを無駄にしたことも、許せない。
こうなったのも全て、あの女が帝国へ逃げていったせいだろう。
責任を取らせるために、呼び戻す必要がある。仕方ないから、王国での営業禁止も撤回してやる。今は帝国に居るという、シャルロッテを連れ戻せば問題は解決だ。
「すぐに、帝国へ使いを送るように手配しろ。シャルロッテを連れ戻すんだ」
「かしこまりました」
部下に命じて、シャルロッテを呼び戻せと命じる。とりあえずこれで、問題は全て解決されるはず。ここしばらくの間、とても大変だった。でも、久しぶりに心が落ち着く気がする。
あの女が、王国に帰ってくるという報告を待っていれば良いだけだからな。後は、ゆっくりと待てば良いだろう。
そう思っていたのに、あの女は帝国から戻ってこないつもりのようだ。僕の命令を拒否した。今は忙しいから、王国には戻れないと言い訳して。なんて酷い女だろう。王国が大変な状況だというのに、王国の令嬢として助けてくれようとしないなんて。
あの薄情な女との婚約を破棄したことは間違っていなかったと、改めて確信した。しかし、これからどうすれば良いのか。何も思い浮かばなかった。どうすれば。
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