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第6話 解決策
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「実は、エヴラール王子からお店の営業を禁止すると言われてしまったの」
「そんなッ!?」
「営業を禁止……。それは、酷いですね」
「我々の大切な菓子店の営業を禁止するなんて、なんたる愚行」
シンディさんは驚いて、レオンさんは冷静に今の状況に関する感想をつぶやいた。そして、ギルバートさんは怒りを抑えながら言葉を吐き捨てる。
事の経緯について、詳しい内容を彼らに全て話した。婚約破棄されたこと、営業を禁止すると言われたこと。残念ながら、公爵家の支援は期待できないこと。
「私たちのやれる事は非常に少ないと思うわ。そこで、これから私が考える解決策について皆で検討していきたいの。もしも途中で、何か良い方法が思いついたら自由に意見を言って頂戴」
「はい、わかりました!」
「了解した」
「オーナーの考えた解決策について、聞かせて下さい」
みんなの力を借りて、解決策を考えてみる。これから、お菓子店をどうしようか。どうすれば、閉鎖しないで済むのか。
その場にいる皆の顔を確認しながら、私は考えた解決策について話す。
「一つは、命令に従ってお店を閉めてしまう。エヴラール王子が怒りをおさめるのを待って、営業禁止の命令を取り下げてもらうようにお願いする」
この方法が1番、穏便にやり過ごせる解決策だと思う。だけど皆は、納得していない様子。言葉にも出して、私の提案を否定する。
「納得いきません!」
「そもそも、待っていてもエヴラール王子が命令を取り下げるとは限らない」
「いつまで待てばいいのか分からないのが、かなり苦しいだろう」
「そうね。私も、そう思う」
私も、この案はダメだと考えていた。だけど、一つの提案として考えておく必要はあった。皆が納得するのであれば、こんな方法でも実行するべきなのかもしれないから。
シンディさん達が反対してくれて、良かったと安心した。
全て、エヴラール王子の気分次第で変わってしまうから。どれだけ待てば良いのか分からない。命令を取り下げるようにお願いしても彼が了承しなければ、一生お店を再開することは不可能になるだろう。
その間に、スタッフたちはどうすればいい。営業しないのに、いつか再開する日を待ち続けて、お店の管理も続けないといけない。それは大変なことだった。
「もう一つは、オーナーの私が経営を辞めること。各店舗の店長に権限を譲渡して、私の店じゃなくする」
営業の停止を命令されたのは、私のお店である。ということは私が、オーナーから退けば菓子店の営業を続けられるかもしれない。
しかし、この提案を聞いた皆は不満そうな表情を浮かべた。
「シャルロッテ様のお菓子店は、シャルロッテ様がオーナーだったからこそ、ここまで大きくなれたんですよ。そんな大変なことを引き受けてるなんて、私は無理です」
シンディさんは語った。王都の菓子店が大繁盛しているのは、私のお陰であると。それを引き継いで、続けていくのは自信が無いらしい。
「この菓子店は、シャルロッテ様のお店ですから!」
私から別の人にオーナーが変わってしまう、ということも嫌がっていた。
そう言ってもらえるのは嬉しいが、これじゃあ彼女にオーナーを引き継がせるのは難しそうだ。他の2人も、この案に否定的だった。
「エヴラール王子がシャルロッテ様のお店を潰すつもりなんだとしたら、オーナーを変えても無駄でしょう」
「この案も、エヴラール王子の気まぐれによって状況が変わって危なそうだ」
彼らの言う通りだと思う。私が関わっていた店だと判明したら、エヴラール王子の一言で再び、営業禁止を命令される可能性が高い。
「それじゃあ最後に、私が考えた解決策」
もしかしたら、他にもっと良い方法があるかもしれない。けれど今の私には、この方法が1番有効だろうと思えた。それを皆に話してみる。
「この国を離れ、別の場所で新しいお店をオープンする。この方法はどうかしら?」
「そんなッ!?」
「営業を禁止……。それは、酷いですね」
「我々の大切な菓子店の営業を禁止するなんて、なんたる愚行」
シンディさんは驚いて、レオンさんは冷静に今の状況に関する感想をつぶやいた。そして、ギルバートさんは怒りを抑えながら言葉を吐き捨てる。
事の経緯について、詳しい内容を彼らに全て話した。婚約破棄されたこと、営業を禁止すると言われたこと。残念ながら、公爵家の支援は期待できないこと。
「私たちのやれる事は非常に少ないと思うわ。そこで、これから私が考える解決策について皆で検討していきたいの。もしも途中で、何か良い方法が思いついたら自由に意見を言って頂戴」
「はい、わかりました!」
「了解した」
「オーナーの考えた解決策について、聞かせて下さい」
みんなの力を借りて、解決策を考えてみる。これから、お菓子店をどうしようか。どうすれば、閉鎖しないで済むのか。
その場にいる皆の顔を確認しながら、私は考えた解決策について話す。
「一つは、命令に従ってお店を閉めてしまう。エヴラール王子が怒りをおさめるのを待って、営業禁止の命令を取り下げてもらうようにお願いする」
この方法が1番、穏便にやり過ごせる解決策だと思う。だけど皆は、納得していない様子。言葉にも出して、私の提案を否定する。
「納得いきません!」
「そもそも、待っていてもエヴラール王子が命令を取り下げるとは限らない」
「いつまで待てばいいのか分からないのが、かなり苦しいだろう」
「そうね。私も、そう思う」
私も、この案はダメだと考えていた。だけど、一つの提案として考えておく必要はあった。皆が納得するのであれば、こんな方法でも実行するべきなのかもしれないから。
シンディさん達が反対してくれて、良かったと安心した。
全て、エヴラール王子の気分次第で変わってしまうから。どれだけ待てば良いのか分からない。命令を取り下げるようにお願いしても彼が了承しなければ、一生お店を再開することは不可能になるだろう。
その間に、スタッフたちはどうすればいい。営業しないのに、いつか再開する日を待ち続けて、お店の管理も続けないといけない。それは大変なことだった。
「もう一つは、オーナーの私が経営を辞めること。各店舗の店長に権限を譲渡して、私の店じゃなくする」
営業の停止を命令されたのは、私のお店である。ということは私が、オーナーから退けば菓子店の営業を続けられるかもしれない。
しかし、この提案を聞いた皆は不満そうな表情を浮かべた。
「シャルロッテ様のお菓子店は、シャルロッテ様がオーナーだったからこそ、ここまで大きくなれたんですよ。そんな大変なことを引き受けてるなんて、私は無理です」
シンディさんは語った。王都の菓子店が大繁盛しているのは、私のお陰であると。それを引き継いで、続けていくのは自信が無いらしい。
「この菓子店は、シャルロッテ様のお店ですから!」
私から別の人にオーナーが変わってしまう、ということも嫌がっていた。
そう言ってもらえるのは嬉しいが、これじゃあ彼女にオーナーを引き継がせるのは難しそうだ。他の2人も、この案に否定的だった。
「エヴラール王子がシャルロッテ様のお店を潰すつもりなんだとしたら、オーナーを変えても無駄でしょう」
「この案も、エヴラール王子の気まぐれによって状況が変わって危なそうだ」
彼らの言う通りだと思う。私が関わっていた店だと判明したら、エヴラール王子の一言で再び、営業禁止を命令される可能性が高い。
「それじゃあ最後に、私が考えた解決策」
もしかしたら、他にもっと良い方法があるかもしれない。けれど今の私には、この方法が1番有効だろうと思えた。それを皆に話してみる。
「この国を離れ、別の場所で新しいお店をオープンする。この方法はどうかしら?」
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