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第16話 暴かれた秘密
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「エレノア!」
魔法の実践授業が終わってしばらくしてから、教室の席に座っている時、私の名を呼ぶ声が聞こえてきた。アルフレッド王子だった。
私は立ち上がり、彼の前に立つ。
「どうしたのですか、いきなり?」
「エレノア、君は俺に本当の実力を隠していたのか!」
突撃してきて、いきなりそんなことを言われた。彼の後ろに隠れて、ヴァネッサも一緒にいた。どうやら彼女から情報が伝わったみたい。
「隠しているなんて卑怯だ。なんで俺に言わなかったんだ!」
アルフレッド王子の怒りに満ちた声が教室中に響き渡る。その声に釣られるように、友人たちが遠巻きに私たちを見つめ始めた。ざわめきが教室を包み込む。
「な、なに? もめごと?」
「男の怒鳴り声。怖い」
「あんな表情しているし。危ないかも」
「エレノア様とアルフレッド王子が揉めてるの?」
「何があったんだろう……」
みんなの好奇の眼差しが私を向いている。面倒ね。
「何度か言ったことは、あったはずですよ。学園では大人しくすると。それに、私が師匠と訓練している様子をアルフレッド様も何度か見たこともあるはずですが」
アルフレッド王子に隠しているつもりはなかった。知っていると思っていたけど、知らなかったらしい。
「知らなかったぞ! 君の本当の実力を知る機会がなかったからだろう。もし知っていたら、違う判断をしていたかもしれないのに」
「つまり私に興味なかった、ということでしょう」
「違う! もっと事前に話してほしかった、と言ってるんだ。そしたら俺達の関係も変わっていたかもしれないというのに」
アルフレッド王子の言葉には、後悔と怒りが混じっているように聞こえた。だが、私はこうなってくれて本当によかったと思っている。彼の本性があらわになったから。こんな人と結婚しなくて済んで本当に良かったから。
「それに、隠していたというのなら貴方だって、浮気していたことを隠していたじゃありませんか」
「……それは、違う。それとこれとは話が別だ」
「別じゃありません。私の知らない間に隠れて会っていたのは事実でしょう」
「俺は浮気なんてしていない。俺とヴァネッサは健全な関係で、王国の将来のために付き合っていくと決めたから――」
「別に、どうでもいいですけれど」
言い訳ばかりする彼に、私は呆れてしまった。もう婚約も破棄したのだから、彼と私の間に関係はない。だから、この話し合いにも意味がないでしょう。それなのに、彼は怒り続けている。
さて、どうやって収めたらいいのでしょう。私が説明しても、アルフレッド王子は納得してくれないし。
周りには人だかりができ始めている。このままでは、もっと大きな騒ぎになってしまう。どうするべきか。
周りの人たちは王子に口出しできないでしょう。先生も面倒に巻き込まれたくないはず。残念ながら、助けは期待できなさそうね。
魔法の実践授業が終わってしばらくしてから、教室の席に座っている時、私の名を呼ぶ声が聞こえてきた。アルフレッド王子だった。
私は立ち上がり、彼の前に立つ。
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突撃してきて、いきなりそんなことを言われた。彼の後ろに隠れて、ヴァネッサも一緒にいた。どうやら彼女から情報が伝わったみたい。
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アルフレッド王子の怒りに満ちた声が教室中に響き渡る。その声に釣られるように、友人たちが遠巻きに私たちを見つめ始めた。ざわめきが教室を包み込む。
「な、なに? もめごと?」
「男の怒鳴り声。怖い」
「あんな表情しているし。危ないかも」
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アルフレッド王子に隠しているつもりはなかった。知っていると思っていたけど、知らなかったらしい。
「知らなかったぞ! 君の本当の実力を知る機会がなかったからだろう。もし知っていたら、違う判断をしていたかもしれないのに」
「つまり私に興味なかった、ということでしょう」
「違う! もっと事前に話してほしかった、と言ってるんだ。そしたら俺達の関係も変わっていたかもしれないというのに」
アルフレッド王子の言葉には、後悔と怒りが混じっているように聞こえた。だが、私はこうなってくれて本当によかったと思っている。彼の本性があらわになったから。こんな人と結婚しなくて済んで本当に良かったから。
「それに、隠していたというのなら貴方だって、浮気していたことを隠していたじゃありませんか」
「……それは、違う。それとこれとは話が別だ」
「別じゃありません。私の知らない間に隠れて会っていたのは事実でしょう」
「俺は浮気なんてしていない。俺とヴァネッサは健全な関係で、王国の将来のために付き合っていくと決めたから――」
「別に、どうでもいいですけれど」
言い訳ばかりする彼に、私は呆れてしまった。もう婚約も破棄したのだから、彼と私の間に関係はない。だから、この話し合いにも意味がないでしょう。それなのに、彼は怒り続けている。
さて、どうやって収めたらいいのでしょう。私が説明しても、アルフレッド王子は納得してくれないし。
周りには人だかりができ始めている。このままでは、もっと大きな騒ぎになってしまう。どうするべきか。
周りの人たちは王子に口出しできないでしょう。先生も面倒に巻き込まれたくないはず。残念ながら、助けは期待できなさそうね。
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