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第15話 真の実力
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魔法の授業が終わると、周囲で見ていた生徒たちが一斉に近寄ってきた。
「凄かった!」
「エレノア様って、あんなにすごい実力者だったのね!」
「なぜ今まで、その力を隠していたの!?」
朝、遠巻きから見ていた彼女たちの様子とは大違いだった。みんな興奮した様子で、次々と私に話しかけてくる。それだけ、私の本当の実力というのが大きなインパクトを与えたみたい。
私は冷静に対処した。
「みなさま、落ち着いて。一つずつお話するわ」
それから私は、実力を隠していた理由について簡単に説明した。この能力は実家で磨いたものだから、あまりひけらかしたくないと思っていたこと。皆さんの進行度に合わせて、なるべく授業の邪魔にならないよう実力を抑えていたのだと。
「このタイミングで実力を明かしたのは、アルフレッド王子から婚約を破棄されて、心境の変化があったから、かしら?」
「そうね、それもあるわ」
嫌味などではなく、純粋な興味から聞かれているみたいだった。だから私も正直に答えた。婚約を破棄されたのだから、考えも大きく変わるでしょう。
「アルフレッド王子は、自分よりも高い能力に嫉妬しそうだし。実力を隠しておいて正解かも」
「それ、あるかもしれないわね」
「でも、平民のヴァネッサを実力だけで選んだみたいだけど」
「あれは、顔で選んでるんじゃないの?」
「それと、平民の女の子だから。自分よりも下に見てるんでしょうね」
次々と意見を述べる友人たち。私も同感だったが、あまり深入りするのは避ける。
「ともかく、授業も終わったことだし、教室へ戻りましょう」
「ええ、そうね」
ちょっと危ない方向へと話が進みそうだったので、その話題を打ち切った。みんな会話を止めて、教室へ戻るために歩き出した。
「エレノア、ちょっといいかい?」
「はい、先生。なんでしょうか?」
友人たちと一緒に教室へ戻ろうとしたとき、先生に呼び止められた。なにか話があるらしい。
「あの人に鍛えられていると聞いていたから疑っていたんだが、やはり本当の実力を隠していたんだな」
「申し訳ありません、先生」
実力を隠していたことを先生に指摘されてしまった。どうやら先生は、私の師匠のことを知っているらしい。それで、私が周りに合わせた実力しか出していないことを疑っていたみたいだ。
「いや、いいんだ。お前にも事情があるだろうから」
先生は、私の事情も理解してくれるらしい。
「だが次の試験では、ちゃんと実力を発揮して、本当の力を証明してみせてくれ」
「わかりました。そのつもりです」
ということで、試験では全力を尽くすように指示された。もともとそうするつもりだったので、先生の指示に従うのは問題ない。
これで、私の真の実力が皆に知られることになった。もう隠す必要はないだろう。むしろ、これからは堂々と実力を発揮していきたい。
「凄かった!」
「エレノア様って、あんなにすごい実力者だったのね!」
「なぜ今まで、その力を隠していたの!?」
朝、遠巻きから見ていた彼女たちの様子とは大違いだった。みんな興奮した様子で、次々と私に話しかけてくる。それだけ、私の本当の実力というのが大きなインパクトを与えたみたい。
私は冷静に対処した。
「みなさま、落ち着いて。一つずつお話するわ」
それから私は、実力を隠していた理由について簡単に説明した。この能力は実家で磨いたものだから、あまりひけらかしたくないと思っていたこと。皆さんの進行度に合わせて、なるべく授業の邪魔にならないよう実力を抑えていたのだと。
「このタイミングで実力を明かしたのは、アルフレッド王子から婚約を破棄されて、心境の変化があったから、かしら?」
「そうね、それもあるわ」
嫌味などではなく、純粋な興味から聞かれているみたいだった。だから私も正直に答えた。婚約を破棄されたのだから、考えも大きく変わるでしょう。
「アルフレッド王子は、自分よりも高い能力に嫉妬しそうだし。実力を隠しておいて正解かも」
「それ、あるかもしれないわね」
「でも、平民のヴァネッサを実力だけで選んだみたいだけど」
「あれは、顔で選んでるんじゃないの?」
「それと、平民の女の子だから。自分よりも下に見てるんでしょうね」
次々と意見を述べる友人たち。私も同感だったが、あまり深入りするのは避ける。
「ともかく、授業も終わったことだし、教室へ戻りましょう」
「ええ、そうね」
ちょっと危ない方向へと話が進みそうだったので、その話題を打ち切った。みんな会話を止めて、教室へ戻るために歩き出した。
「エレノア、ちょっといいかい?」
「はい、先生。なんでしょうか?」
友人たちと一緒に教室へ戻ろうとしたとき、先生に呼び止められた。なにか話があるらしい。
「あの人に鍛えられていると聞いていたから疑っていたんだが、やはり本当の実力を隠していたんだな」
「申し訳ありません、先生」
実力を隠していたことを先生に指摘されてしまった。どうやら先生は、私の師匠のことを知っているらしい。それで、私が周りに合わせた実力しか出していないことを疑っていたみたいだ。
「いや、いいんだ。お前にも事情があるだろうから」
先生は、私の事情も理解してくれるらしい。
「だが次の試験では、ちゃんと実力を発揮して、本当の力を証明してみせてくれ」
「わかりました。そのつもりです」
ということで、試験では全力を尽くすように指示された。もともとそうするつもりだったので、先生の指示に従うのは問題ない。
これで、私の真の実力が皆に知られることになった。もう隠す必要はないだろう。むしろ、これからは堂々と実力を発揮していきたい。
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