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第37話 面会の準備
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一緒に来てほしいとラインヴァルトに言われた私は、彼のお父様とお母様の二人と会うことになった。
皇子であるラインヴァルトの両親ということは、ファルスノ帝国の皇帝と皇后なのでしょう。そんな高貴なお方とお会いするなんて、大丈夫なのかしら。
なぜラインヴァルトが私を連れて行こうとするのか、謎だった。私が会いに行っても、どんな会話をすればいいのか分からない。
一応、王妃としてのマナーは教育されているので失礼のないように振る舞うことは出来ると思う。けれど、こんな旅をしてきた格好で会うなんて絶対に駄目でしょう。
そう思っていると、老人の男性執事が前に出て助言してくれた。
「ラインヴァルト様。皇帝陛下に任務の報告をする前に、まず彼女を着替えてもらうのがよろしいかと」
「うん。そうだな、急いで頼む」
ラインヴァルトが頷くと、私の近くにお城のメイド達が寄ってきた。
「どうぞ、こちらへ。ドレスを準備してあります」
「えっと……、ありがとう」
そして私は、既に用意してあるというドレスに着替えるため場所を移動することになった。
移動している間、ゲオルグがお城の老人の男性執事と何やら会話していた。どんな話をしているのか、私の耳には聞こえなかった。
それから、私と一緒に旅をしてきたメイドのマイユとケーテの二人が近くに立つ。その他に、お城のメイド達が同行していた。ものすごい人の数だった。
こんなに多くの人達にお世話になるなんて、申し訳ない気持ちで一杯だった。
だけど、ちゃんと身なりを整えておかないと皇帝陛下と面会した時に失礼になる。なので素直に従い、身体の汚れを落として、豪華なドレスを着せてもらった。
久しぶりに、ドレスを着た。旅の間は軽装だったから、違和感がある。旅の間に、あの格好に慣れてしまったようだ。貴族の令嬢だった頃は、ドレスを着ているほうが普通だったのに。
そして準備が整った。格好は、マシになった。この姿なら失礼にならないはず。
「さぁ、行こうか」
「は、はい」
着替えを済ませてラインヴァルトと合流した。彼も、旅の姿から皇子にふさわしい格好に変わっていた。見ただけで分かる、とても高貴な服装。
そんな彼と一緒に、私はファルスノ帝国の皇帝陛下と謁見する。
皇子であるラインヴァルトの両親ということは、ファルスノ帝国の皇帝と皇后なのでしょう。そんな高貴なお方とお会いするなんて、大丈夫なのかしら。
なぜラインヴァルトが私を連れて行こうとするのか、謎だった。私が会いに行っても、どんな会話をすればいいのか分からない。
一応、王妃としてのマナーは教育されているので失礼のないように振る舞うことは出来ると思う。けれど、こんな旅をしてきた格好で会うなんて絶対に駄目でしょう。
そう思っていると、老人の男性執事が前に出て助言してくれた。
「ラインヴァルト様。皇帝陛下に任務の報告をする前に、まず彼女を着替えてもらうのがよろしいかと」
「うん。そうだな、急いで頼む」
ラインヴァルトが頷くと、私の近くにお城のメイド達が寄ってきた。
「どうぞ、こちらへ。ドレスを準備してあります」
「えっと……、ありがとう」
そして私は、既に用意してあるというドレスに着替えるため場所を移動することになった。
移動している間、ゲオルグがお城の老人の男性執事と何やら会話していた。どんな話をしているのか、私の耳には聞こえなかった。
それから、私と一緒に旅をしてきたメイドのマイユとケーテの二人が近くに立つ。その他に、お城のメイド達が同行していた。ものすごい人の数だった。
こんなに多くの人達にお世話になるなんて、申し訳ない気持ちで一杯だった。
だけど、ちゃんと身なりを整えておかないと皇帝陛下と面会した時に失礼になる。なので素直に従い、身体の汚れを落として、豪華なドレスを着せてもらった。
久しぶりに、ドレスを着た。旅の間は軽装だったから、違和感がある。旅の間に、あの格好に慣れてしまったようだ。貴族の令嬢だった頃は、ドレスを着ているほうが普通だったのに。
そして準備が整った。格好は、マシになった。この姿なら失礼にならないはず。
「さぁ、行こうか」
「は、はい」
着替えを済ませてラインヴァルトと合流した。彼も、旅の姿から皇子にふさわしい格好に変わっていた。見ただけで分かる、とても高貴な服装。
そんな彼と一緒に、私はファルスノ帝国の皇帝陛下と謁見する。
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