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第35話 安全で楽しい旅
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国境を超えて、私達はファルスノ帝国の皇居がある都に向かっていた。
ラクログダム王国から一緒に脱出した人達と別れてから、今はラインヴァルト達と一緒に旅を続けている。王国とは違って、ファルスノ帝国内の旅は安全そうだった。盗賊団に遭遇することもなく、安心して進むことが出来るから。
途中で立ち寄った街や村も、どこも雰囲気は穏やか。王国で感じていた危険は一切感じないような場所ばかりだった。
それを見て、ようやく肩の力が抜けて落ち着けた気がした。今まで無意識のうちに私は、かなり緊張していたようだ。今では夜も、ぐっすり眠れるようになった。
ラインヴァルトと色々な街を巡って、美味しい物を食べて、楽しい旅を満喫した。目的は、帝都に到着すること。だけど、何気ない日常が楽しかった。こんな時間が、いつまでも続けばいいのに。そう思いながら、過ごした。
数日が過ぎると、もうすぐ帝都に到着するという距離まで近付いていてた。私は、旅の終わりを感じて段々と不安な気持ちを抱くようになっていた。
帝都に到着したら、私はどうなるのかしら。ラインヴァルトとの関係は? 皇子である彼と、ただの小娘でしかない私では一緒に居ることは難しいかもしれない。
彼とは偶然出会って、ただ一緒に旅をしていただけ。帝都に到着した後は、彼との関係が変わってしまうような気がした。
幌馬車に乗ってボーッと、流れていく風景を眺める。
ファルスノ帝国は自然がとても豊かな土地だった。穏やかでのびのびとした気候。とても生活がしやすそうな場所だな、と私は思った。
もうすぐ、帝都に到着する。そこに到着した時に、私の今後の人生が決まるような気がした。
もう少しだけ、ラインヴァルトと一緒に過ごす楽しい時間を満喫したかったけど。いつかは、帝都に辿り着いてしまう。それは、仕方がないこと。
ラクログダム王国から一緒に脱出した人達と別れてから、今はラインヴァルト達と一緒に旅を続けている。王国とは違って、ファルスノ帝国内の旅は安全そうだった。盗賊団に遭遇することもなく、安心して進むことが出来るから。
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もうすぐ、帝都に到着する。そこに到着した時に、私の今後の人生が決まるような気がした。
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